【あつ森】『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第33回 金の風船、飛んだ

ナゼ俺はあのとき、パチンコを……

 
“人を惑わす色”
 
というのをご存知だろうか?
 
……いや、新宿や池袋の繁華街を歩いているときに、
 
「あー^^ そこのシブいおにいさん、寄っていきませんかぁ?^^」
 
と、独特の色香を振りまいて男を惑わす夜のチョウチョの話ではなく(コロナ禍のさなか、こういう表現もいまや懐かしい)。
 
それを見た多くの人が、
 
「うおおおおお!!! だだだ、誰にも渡したくねぇぇえええ!!!><」
 
と我を失って欲に走ってしまう、魅力的にして危険な色……。
 
……そう、それはもちろん“金色”だ。
 
有史以前よりゴールドの輝きは、権力者も平民も分け隔てなく狂わせ、ときには巨万の富を、ときには血で血を洗うような大戦すらもたらしてきた。
 
そして、いま。
 
我らが『あつ森』の島にも、人知れずゴールドの輝きに魅せられ、狂わされてしまった、悲しくも哀れな男の物語がある--。

 釣り大会の日に

それは、イースターのイベントが佳境を迎えていた4月11日のこと。この日は、ジャスティンが主催する記念すべき“第1回 ルナステラ島釣り大会”の当日だったのだが、
 

 
空には相変わらず無遠慮に、プカプカと無数の風船が飛び交っていた。
 

 
イースターエッグを集めるためとはいえ、あまりにも頻繁に風船が飛来していやがったので、島民の多くも辟易としていたことだろう。俺もそのひとりだったのだが、風船を見ると条件反射的に、
 
「いますぐ撃ち落とさないと!!」
 
というスイッチが入ってしまうため、釣り大会そっちのけでついつい追跡をしてしまっていた。おかげで、撃墜数は相当な数に上ったがパチンコの消耗も激しく、そのときも調子に乗ってパキュンパキュンと礫を放っていたため、ある瞬間に「パッキャン!」と粉々に砕け散ってしまったのだ。
 
まあでも、パチンコはあくまでも消耗品。壊れたら、DIYで作ればいいだけだ。
 
いつもだったら間違いなく、すぐさま自宅に戻って新品のパチンコを調達していたであろう。道具がひとつでも欠けていると、何とも言えない不安感に苛まれるからな。
 
でも……この日は前述の通り、記念すべき釣り大会当日。俺は、
 
パチンコは……あとでいいか^^; どうせ飛んでくるの、“そらとぶたまご”ばっかだしw」
 
そう安易に判断し、大会を主催するジャスティンのもとに向かったのだった。
 

 
これが……大いなる間違いの始まりである。

上空の違和感

俺はしばらくのあいだ、釣り大会を堪能した。でも、まもなくそれにも飽き、ふつうに素材集めをするために島の中の散策を始めたのである。
 
……そう。“パチンコが壊れている”ことをすっかり忘れて
 
そして--。
 
その瞬間は、突然やってきた。
 
スコップを両手に持って歩いていたとき……上空に、妙な気配を感じたのである。とっさに、
 
「あ。風船が来たかも」
 
と、直感的に思う。そこでカメラの角度を俯瞰視点にし、上からの角度で見てみたところ……!!
 

 
「え」
 
確かに、風船がいる。そこそこの風に乗って、右から左にドンブラコッコと浮遊しているのがはっきりと見えた。
 
し、しかし……((((;゚Д゚)))
 
問題は、その風船の“色”にあった。
 
風船は黄色や赤といったビビットなものと、この時期だけに飛んでくる虹色(イースター用)があったのだが……。
 
でも……((((;゚Д゚)))
 
いまプカプカと浮いているソレはどちらでもなく、やたらとメタリックで、非常に心を奮わす色をしているではないか……。こここ、これはもしや、噂の……ッ!!!! 俺の口から、悲鳴ともとれる叫びが上がった。
 
「ききき、金の風船飛んできちゃぁぁあああ!!!!」
 
言うや、
 
ぱぱぱ、パチンコ!!! パチンコに持ち替えて、金の風船をともだちんこ!!!!
 
パチンコを取り出そうとしたんだけど……((((;゚Д゚)))
 
「うわああああああ!!! ななな、ない!!! パチンコがどこにもないぞ!!!! ゆ、行方不明!!! 誰かに盗まれたか!!?!
 
なくて当たり前なのだ。だって、壊れたままなんだもの(苦笑)。俺は猛烈な勢いで走り出した。
 
「金の風船が消えぬうちに自宅でDIYしてパチンコを作って舞い戻って風船を撃墜してッ!!!」
 
慌てるあまり、ガチャガチャとボタンを連打して走る俺。そんなことをしても、速く走れるわけじゃないのに。
 
おかげで……。
 

 
ぎゃあ!!! 釣り大会のコアラに話し掛けちまったよ!!! な、なんでそんなところで釣ってんねん!!! こっちは急いでんだよ!!!」
 
コアラ、とんだとばっちり。
 
さらに、なんとかパチンコを作って舞い戻ろうとしたときも……((((;゚Д゚)))
 

ざっくんwww
 
!!!!!
 

 
スコップ持ったまま連打で走ってたら、アサリ掘っちゃったよぉ!!!!>< 何自慢げに見せびらかしてんねん!!!!
 
うわああああ!!! お、俺の金風船は!!! 金の風船はどこじゃぁぁああああ!!!!><
 
けっきょく……w
 
風船はとっくに海の向こうに消えてなくなり、それ以来、
 

いくら空を眺めても、我が島に金の風船は飛来していない……w
 
合掌……。
 
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大塚角満(おおつか・かどまん)

1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

 

『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html

※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo

 

 

『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌バックナンバー

▲第1回
いよいよ開始! 無人島生活

▲第2回
ナゼ、かぶるのか

▲第3回
島の名前問題、勃発!

▲第4回
リセマラで星を得る話

▲第5回
初めてのお出かけ

▲第6回
冨〇義勇もどきと冒険に

▲第7回
闇夜の恐怖

▲第8回
もう輪廻転生の呪いだろ……

▲第9回
青空水族館、爆誕!

▲第10回
闘将(たたかえ)! 辮髪戦士!!

▲第11回
タランチュラ島の激闘(1)

▲第12回
タランチュラ島の激闘(2)

▲第13回
おい! 鈴木!!

▲第14回
匠の部屋(1)

第15回
匠の部屋(2)

第16回
またカモか!

第17回
この春を忘れぬために(1)

第18回
この春を忘れぬために(2)

第19回
店に並ぶ人

第20回
空を見上げる人

第21回
空を見上げる人、その後

第22回
カブで資産運用を!

第23回
カブは腐るか食い時か

▲第24回
タランチュラ、一攫千金

▲第25回
風来の釣り人

▲第26回
初めての釣り大会

▲第27回
スゴいのが、いる(1)

▲第28回
スゴいのが、いる(2)

▲第29回
幻聴が、聞こえる

▲第30回
スゴいヤツのその後

▲第31回
“あいつ”がやってくる

▲第32回
あつ森キャピタルゲイン