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パイオニア新妄想紀行 vol.7 ~クレイジーで行こう~

パイオニア新妄想紀行 vol.7 ~クレイジーで行こう~

By まつがん

1. 「相棒」デッキの洗練による群雄割拠の時代

前回は「相棒」の登場によってパイオニア環境が激変したというところまでお伝えしたと思うが、ではあれから一か月が経って、パイオニア環境の現在とはどういうものになったか。
 
端的に言えば、「相棒」デッキがより洗練されたの一言に尽きる。
 
特に《空を放浪するもの、ヨーリオン》の研究の進展は目覚ましく、ルールスバーンやルールスタカオーラなど既存のデッキを素直に強化するデッキタイプが一通り出揃ったところで、それらに対応できる全方位型のコントロールが生み出される結果となった。
 
『サンプルデッキ:ジェスカイルーカ (Pupsta チャレンジ4位)』

枚数 カード名(メインボード)
3 《平地》
1 《島》
1 《山》
4 《神聖なる泉》
3 《聖なる鋳造所》
3 《蒸気孔》
4 《ラウグリンのトライオーム》
3 《灌漑農地》
2 《寓話の小道》
3 《硫黄孔》
2 《断崖の避難所》
2 《氷河の城砦》
1 《啓蒙の神殿》
1 《天啓の神殿》
1 《アーデンベイル城》
1 《ヴァントレス城》
2 《裏切りの工作員》
2 《轟音のクラリオン》
4 《至高の評決》
4 《メレティス誕生》
4 《海の神のお告げ》
3 《チャンドラの誓い》
2 《不可解な終焉》
4 《創案の火》
2 《エルズペス、死に打ち勝つ》
3 《サメ台風》
4 《時を解す者、テフェリー》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
3 《試練に臨むギデオン》
4 《銅纏いののけ者、ルーカ》
枚数 カード名(サイドボード)
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
3 《安らかなる眠り》
2 《毅然たる大天使》
2 《虚空の選別者》
2 《疎外》
2 《神秘の論争》
2 《盾魔道士、テヨ》
1 《試練に臨むギデオン》

 


 
「え、これスタンダードの記事だっけ?」と思わず勘違いしてしまいそうなデッキ。パイオニア要素は《至高の評決》《チャンドラの誓い》《不可解な終焉》《試練に臨むギデオン》と一部の土地くらいだが、大体どれもスタンダードに似たようなカードがあるので実質スタンダードのジェスカイルーカほぼそのままと言っていいだろう。そんなデッキが、現在のパイオニア環境におけるトップメタの一つなのである。
 
そうなると、「速度やカードプールが大きく異なるはずのスタンダードとパイオニアでどうして同じデッキがトップメタになるのか?」という当然の疑問を持つかもしれないが、一つはパイオニアには「ゼロ」(マナを使わない動き) がほぼなく、速度の限界が自ずから知れているということ。そしてもう一つは、それゆえにパイオニアにおいてはスタンダードとそう変わらない速度でも、スタンダードよりも対処しづらいリソースを使ってアグロやコンボを決める (ルールスバーンやロータスブリーチなど) という風にデッキの方向性が進化してきていることという点があり、それでいくと幅広いリソースに干渉できるジェスカイルーカはまさに環境に合致したコントロールということになるのだ。
 
『サンプルデッキ:赤白ヒロイック (therock988 スーパーPTQ7位)』

枚数 カード名(メインボード)
3 《山》
3 《平地》
4 《聖なる鋳造所》
4 《感動的な眺望所》
4 《戦場の鍛冶場》
1 《断崖の避難所》
4 《恩寵の重装歩兵》
4 《損魂魔道士》
4 《僧院の速槍》
4 《第10管区の軍団兵》
3 《戦慄衆の秘儀術師》
4 《タイタンの力》
4 《果敢な一撃》
4 《神々の思し召し》
3 《戦いの覚悟》
4 《無謀な怒り》
1 《ボロスの魔除け》
2 《グリフの加護》
枚数 カード名(サイドボード)
1 《夢の巣のルールス》
3 《疎外》
3 《魂標ランタン》
2 《乱撃斬》
2 《ボロスの魔除け》
2 《カーリ・ゼヴの巧技》
2 《減衰球》

 

 
もともと「相棒」の導入前は赤白《贖いし者、フェザー》としてTier3くらいの位置にいたデッキタイプだが、《夢の巣のルールス》が8枚目の手札として《贖いし者、フェザー》の役割を果たせるようになったことで、一気にトップTierに躍り出た。
 
とにかく爆発力が凄まじく、3ターン目には実質詰みの盤面になっていることも珍しくない。《夢の巣のルールス》によって半端な単体除去の価値が下がったところに登場した、環境最速のデッキの一つだ。
 
『サンプルデッキ:アブザンラリー (_Falcon_ チャレンジ5位)』

枚数 カード名(メインボード)
1 《平地》
4 《神無き祭殿》
4 《寺院の庭》
2 《草むした墓》
4 《花盛りの湿地》
4 《秘密の中庭》
2 《陽花弁の木立ち》
4 《縫い師への供給者》
3 《膨れ鞘》
3 《追われる証人》
4 《サテュロスの道探し》
4 《忘れられた神々の僧侶》
4 《悪魔の職工》
4 《ズーラポートの殺し屋》
3 《残酷な祝賀者》
3 《カルテルの貴種》
1 《ドラニスの判事》
4 《戦列への復帰》
2 《先祖の結集》
枚数 カード名(サイドボード)
1 《夢の巣のルールス》
3 《思考囲い》
2 《突然の衰微》
2 《死の重み》
2 《魂標ランタン》
2 《減衰球》
1 《脳蛆》
1 《悟った苦行者》
1 《ネスロイの神話》

 

 
デッキ名はラリーと言いつつもより重要なキーパーツとなっているのは《戦列への復帰》で、《縫い師への供給者》や《サテュロスの道探し》が墓地を肥やしつつ召集の種になることで爆発的な展開力を実現している。
 
また《悪魔の職工》が《ドラニスの判事》をサーチできるユーティリティでありつつ、単純にサイズのでかいビートクリーチャーとしても機能する点がデッキに非常に噛み合っている。
 
地上がある程度堅くリソース勝負もできる上に、小型ビートで相手のライフを10点前後まで削ることができればあとは《カルテルの貴種》と《ズーラポートの殺し屋》《残酷な祝賀者》を揃えてライフを吸いきってしまえるので、盤面のやりとりでこのデッキを打ち倒すのは至難の業だ。
 
『サンプルデッキ:青黒ヨーリオン真実を覆すものコンボ (jessy_samek スーパーPTQ3位)』

枚数 カード名(メインボード)
7 《島》
3 《沼》
4 《湿った墓》
4 《異臭の池》
4 《寓話の小道》
4 《詰まった河口》
4 《水没した地下墓地》
2 《欺瞞の神殿》
4 《タッサの神託者》
4 《真実を覆すもの》
4 《思考囲い》
4 《致命的な一押し》
4 《選択》
1 《集団的蛮行》
1 《思考消去》
2 《中和》
2 《英雄の破滅》
2 《肉儀場の叫び》
4 《時を越えた探索》
4 《野望の試練》
4 《海の神のお告げ》
1 《ジェイスの誓い》
3 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《神秘を操る者、ジェイス》
枚数 カード名(サイドボード)
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
4 《神秘の論争》
2 《肉儀場の叫び》
2 《リリアナの誓い》
2 《減衰球》
2 《悪夢の詩神、アショク》
1 《否認》
1 《覆いを割く者、ナーセット》

 


 
「《真実を覆すもの》コンボは相棒が入れられないから相対的に弱い」というのがこれまでの定説だった。だが、たとえ《空を放浪するもの、ヨーリオン》で《真実を覆すもの》を引く確率が下がったとしても、それ以上に《空を放浪するもの、ヨーリオン》のカードパワーが高ければ問題ないということを実証してしまったのがこのデッキだ。
 
《空を放浪するもの、ヨーリオン》と相性が良い除去として《野望の試練》を採用しており、《致命的な一押し》と合わせて除去しづらいクリーチャーを急角度で対処できるのが心強い。もともとコンボパーツの少なさによってデッキを自由に改造できるフリースロットが多かったことが生かされた形と言えるだろう。
 

その他、前回のリストから私がさらに調整して一線級にまで仕上げたジャイルーダコンボも、2人の使用者がそれぞれ別々にスーパーPTQを突破するという快挙によって流行の兆しを見せているわけだが……さてそんな話とは一切関係なく、今回もクソデッキを作っていくことにしよう。
 

2. キナンパラドックス

『イコリア:巨獣の棲処』のカードはそろそろ、「相棒」を中心にそのほとんどがパイオニアでの可能性を検討され尽くした頃合いだろうが、そんな中で1枚だけ、まだ十分に試されていないと感じられる神話レアがあった。

▲《眷者の神童、キナン》

《眷者の神童、キナン》。モダンでは《死の国からの脱出》デッキなどにバリエーションとして採用されることもあったが、マナを倍増する可能性があるという結構派手な能力の割りにはそこまで活躍が見られていないカードである。
 
もちろんどうやっても2枚コンボで即勝利とまではいかない能力なので、冷静に考えればさもありなんといったところなのだが、しかし一応マナさえあれば《眷者の神童、キナン》自身から次なるリソースにつながりうる能力も持っているので、「もし《眷者の神童、キナン》を使って莫大なマナを出すことができれば、かなり勝利に近づく」というくらいは言うことができるだろう。
 
だとしても、《眷者の神童、キナン》を使ってどうやって莫大なマナを捻出するのか。
 
パイオニアよりカードプールの広いモダンですら持て余しているというこの状況で、答えなど見つかるはずもない……そう思っていた。
 
しかし、私は見つけ出したのだ。《眷者の神童、キナン》の能力を最大限引き出すことのできる、唯一無二のパートナーを。
 
このカードのパイオニアでの最高のパートナー、それは。

▲《謎の石の儀式》

《謎の石の儀式》だ。
 
自分のクリーチャーすべてを《極楽鳥》にするこのカードと《眷者の神童、キナン》が組み合わされば、10マナや20マナを捻出するくらいは朝飯前になる。
 
とはいえ、マナを出しただけでは当然勝てない。かといって、《眷者の神童、キナン》の能力でどんなクリーチャーを呼び出せたとしても、その時点で即勝利が確定するわけでもない。
 
ならばどうするか。

▲《獣に囁く者》
▲《パラドックス装置》

《獣に囁く者》でカードを引きながら《パラドックス装置》でクリーチャーを何度もアンタップすればいいのでは?
 
ハチャメチャにコンボパーツ増えてるじゃねーかと思われるかもしれない。だが《眷者の神童、キナン》《謎の石の儀式》《パラドックス装置》が揃ってしまえば、《獣に囁く者》は《眷者の神童、キナン》の能力でライブラリーから引っ張ってこれる。あとは《薄暮見の徴募兵》を引き込めれば莫大なマナからドローを連鎖させ、大量のマナを注ぎ込んだ《歩行バリスタ》で勝利という塩梅である。
 
しかしこのプランには問題があった。《謎の石の儀式》はそもそもマナクリを大量に引いていれば必要ないし、《眷者の神童、キナン》を引いていないパターンもマナクリ+《パラドックス装置》である程度の動きはとれる。
 
けれども《パラドックス装置》を引けていない場合、《眷者の神童、キナン》と《謎の石の儀式》だけ揃っていても《眷者の神童、キナン》の能力でアーティファクトは引っ張れないから、《迷い子、フブルスプ》がライブラリーから出てきたときの2ドローなどで運よく引き込めない限り、どこかでチェインが必ず途切れてしまうのだ。
 
とはいえ《パラドックス装置》を効率よく探せるようなクリーチャーも見つからない。
 
かくしてデッキ作りは暗礁に乗り上げた……と、そう思われた。
 
だが、「《パラドックス装置》に求めていたものとは何だったのか」という視点が新たな発想をもたらした。
 
そしてついに、一つの解答にたどり着いたのだ。

▲《ジェスカイの隆盛》

追加で《ジェスカイの隆盛》も入れれば最強では???🤔🤔🤔
 
そう、頭がおかしくなって5~8枚目の《パラドックス装置》を入れることにしたのである。
 
おかげでマナベースは完全に崩壊したが、もとより《サルーリの世話人》や《バネ葉の太鼓》といったカードをフル搭載するつもりだったから問題ない。むしろ意味なく出てしまう多色マナを生かす手段が出てきて逆に噛み合った (?) と言えるだろう。
 
こうして正気を失いながら作り出された瘴気たっぷりのデッキがこちらだ!
 
『キナンパラドックス』

3 《踏み鳴らされる地》
3 《寺院の庭》
4 《マナの合流点》
4 《植物の聖域》
1 《歩行バリスタ》
4 《ラノワールのエルフ》
4 《エルフの神秘家》
4 《サルーリの世話人》
2 《壌土のドライアド》
4 《迷い子、フブルスプ》
4 《眷者の神童、キナン》
4 《薄暮見の徴募兵》
4 《獣に囁く者》
4 《謎の石の儀式》
3 《ジェスカイの隆盛》
4 《バネ葉の太鼓》
4 《パラドックス装置》

 

 
土地14枚と見た目の正気度がかなり低い割に一人回しはかなり楽しいデッキなのだが、速度はせいぜい5キルだし1枚でもリソースを削られると途端に回らなくなるので、一人回しにとどめておいた方が幸せだろうと思って対人戦では回していない。が、もし将来仮に3マナの《獣に囁く者》が刷られたら、押し入れから引っ張り出してくることがあるかもしれない。

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