【現役医師に聞いた】キンタマはあの食品に似ている!? 「キンタマの色は3段階で説明する必要があります」 


その秘宝は、生命を生み出すことができる。
その秘宝を手にすると、代償として、時に体が激痛に襲われる。
その秘宝は、世界の人々の約半数が有している。
 
しかし、謎のヴェールに包まれた秘宝の中身を目にした者はごくわずかだ。
 

その秘宝は、“黄金”を冠したいくつもの異名を持つ。
「金の玉」「ゴールデンボール」「キャンタマ」
……そう! みんなが大好きなキンタマだよーーーーん!!!!
 
 
「謎のヴェールに包まれた」なんて意味深に書いたけど、要は玉袋のこと。みんなは、玉袋の中のキンタマがどんな色をしているのか気になったことはないか? おれはある! 大人だけど知らない!! この人類最後(?)のブラックボックスの中身が何色なのかを!!!
 
そこで、今回はコロコロコミックを発行する小学館と同じく、東京都千代田区にある病院「エス・セットクリニック」の佐々木豊和院長に、キンタマの色を聞いてきたぜ!!!
 
登校再開後の学校で、「ねぇねぇ、キンタマの色って知ってる?」と、ドヤ顏でムダ知識を披露しちゃえば、クラスの人気者になれること間違いなし!!(※間違っても女子や女の先生に聞いちゃダメ!!) 絶対に読んでくれよな!!!!
 

 

話してくれた人:佐々木豊和
エス・セットクリニック院長。愛媛大学医学部泌尿器科助教、愛媛県立中央病院泌尿器科医長を経て、エスセットクリニック勤務。記事の最後に病院のホームページへのリンクを貼っているぞ! 大人のみんなは、ぜひホームページも見てみよう!

 

金色なの? 金色じゃないの!?

——本日はよろしくお願いいたします! まずは、ええと、その……キ、キンタマのことをなんと呼べばいいでしょうか。
 
佐々木先生:キンタマですか? 正式には「精巣(せいそう)」「睾丸(こうがん)」です。
 
——ええ、それは存じているのですが! ただ、社会人の仕事において「キンタマ」なんて、普通なら口にしないじゃないですか!! 「『キャンタマ』なんて呼んだ日には『こいつ、ふざけてんのか?』」と思われるのではないかと……。
 
佐々木先生:ああ、そういうことでしたら、私は現場では「タマ」と呼んでいます。
 
——なるほど! では、私は親しみを込めて「タマタマ」と呼ばせていただきます!! ずばり、玉だけに直球ストレートでお聞きしますね!! タマタマは何色ですか!? やはり、金色ですか!?!?!?
 
佐々木先生:それには、まず3段階に分けて説明していく必要があります。まず、「タマは金色か」という質問に対する答えですが……
 

▲取材はテレカンツールの「ZOOM」で実施したぞ!
 
——(ゴクリ)……。
 
 
 
 
 
佐々木先生:金色ではありません!!!!
 
——……あぁ〜。
 
佐々木先生:……あれ?
 
——え?
 
佐々木先生:いや、もっと驚いてくださるかと思いまして……。
 
——人間の粘膜(※口とか鼻の中)や臓器って、大体赤っぽい色じゃないですか。「金玉」の由来を調べると「金(きん)のように価値のあるもの」とありますし、金色ではないことは薄々気づいていました。やっぱり、そうかと。
 
佐々木先生:……「ともだちんこ」。
 
——ッ!?!?
 
佐々木先生:私、30数年前はコロコロコミックの読者だったんですよ! 今の「ともだちんこ」は、当時私が夢中になっていた漫画『おぼっちゃまくん』(小林よしのり先生)のギャグです。『ゲームセンターあらし』(すがやみつる先生)も大好きでした!! そんな悟りきった大人みたいなことを言わないで、小学生みたいにいきましょうよ!!! 小学生なら、タマを金色と思うはずじゃないですか!!
 

▲佐々木先生が読んでいた当時のコロコロコミック(※増刊号)。コロコロは大人の心もつなぐ!
 
——せ、先生!!!!! はい、本当は内心「金色だったらいいな」と思っていました! なんだか、男子のロマンが音を立ててくずれていくようで、実はさびしい気持ちでいっぱいです!!! 大人の態度は、傷つかないための自己防衛だったんです!!
 
佐々木先生:わかります!! 私も手術で初めて見たときは「あ、キンタマってこんな色なんだ」と思いましたから。
 

筋肉の十二単に守られている!

——なんと! 先生はやはり、タマタマを見たことがあるんですね!! 核心に迫りますが、タマタマって何色なんですか!!?
 
佐々木先生:はい。では、第2段階の答えです。タマタマの色は……。
 

▲かつて放送していた「クイズ$ミリオネア」の司会・みのもんた氏ばりに溜める佐々木先生
 
——(ゴクリ)……。
 
 
 
 
 
佐々木先生:白色です!!!!
 
——おじゃぷーーー!!!! まさかの白ですか!? てっきり赤系かと思っていましたよ!! 自分の体で思い当たる白いところというと、目と歯。……あとは、口内炎くらいでしょうか。
 
佐々木先生:そのなかでいうと、眼球の白目の部分が近いかもしれません。タマは男性にとって非常に重要な器官なので、玉袋によって守られていますよね。この玉袋、実は筋肉でできているんです。
 
袋の裏には薄い筋肉が、平安時代の着物の「十二単(じゅうにひとえ)」のように何層にもなっていて、タマとの間にはリンパ液という液体が入っています。だから、タマを触ると「とぅるん」と滑りませんか?
 
——はい、まさに「とぅるん」という感じでつかめません! そして、その袋の中に入っているタマの色が、白色なんですね?
 
佐々木先生:そうです。「白膜(はくまく)」という硬い膜があって、タマを守っています。ただ、この白い膜が割れてしまうことがあって。そうすると、第3段階の答え……本当のタマの色とも言うべき色が出てきます。
 

▲タマタマのイメージ画像です!
 

ついに判明、真のタマタマカラー!

 
——すみません、タマタマの真の色も気になるのですが、タマタマって割れちゃうんですか!?
 
佐々木先生:はい、タマタマを守る硬い膜の部分が割れます。小学生や中学生ですと、石レンガでできた体操の平均台のようなところを歩くのが好きじゃないですか? 塀の上というか。そこで足を踏み外して、股間を強打したりすると……。
 
——うわぁ。小学生の頃、足でふざけて「電気あんま」をしたり、サッカーボールが股間に強打して身悶(もだ)える友人を笑ったりしていましたけど、本当に気を付けないといけませんね。想像するだけでお腹が痛くなってきます……。
 
佐々木先生:タマを痛打すると、どうしてお腹が痛くなるか知っていますか? タマの位置からは離れていますよね。
 
——え、わかりません!!
 
佐々木先生:女性のお腹には卵巣があるでしょう。実は、タマ(精巣)はみんながお母さんのお腹の中から出てくる前にお腹……、つまり女性の卵巣のある部分から股間(こかん)へと下りてくるんです。なので、タマにはお腹から伸びた神経がつながっているんですね。それで、お腹が痛くなるんです。
 
それと、タマが「大人になってから、子どもを持つために必要な細胞をつくる工場」であることは、小学校高学年なら学校で習って知っていることかと思います。タマが体の外側に位置しているのは、人肌より2・3度低くないと、その細胞が弱ってしまうからなんですよ。
 
暑い時に玉袋が伸びるのは、体から少し離して温度を下げるためで、寒い時に縮こまるのは体に近づいて温度を上げるためです。この収縮する動きが必要なので、玉袋は筋肉でできているんですね。
 

▲タマタマのイメージ画像です!!
 
——へぇ〜〜〜〜〜!! めちゃくちゃ勉強になります!! そうですよね、タマタマってそれだけ大事な部分なんですよね……。
 
佐々木先生:それに、タマでは男性ホルモンの約95%がつくられているんですよ。男性ホルモンには骨や筋肉を強くしたり、記憶や集中力を高める働きがあり、男の子にとって、なくてはならないものなんです。
 
——まさに、金(きん)のように価値のある、大切な玉なんですね。
 
佐々木先生:その通り! だから、小学生のみんな。友だちのタマを蹴(け)ったりしたら絶対にいけないよ!!
 
——いやぁ、おバカな企画のようで、きれいにまとまりました。
 
佐々木先生:いえいえ、とんでもないです。医師として、コロコロ読者の先輩として説明させていただきました! 本日はありがとうございました!!
 
——ありがとうござ……。ああっ、先生ェーーーーー!!!! 白膜の下のタマタマは何色なんでしょうか!?!? 第3段階の答え、タマタマの真の色を教えてくださーーーい!!
 
佐々木先生:あ、失礼しました! そうですねぇ、例えるならウニです。
 
——え、ウニ? ちょ、先生。さっきみたいに溜めてから話してくださいよ。心の準備が……。ウニですか? 予想外すぎるんですけれど。
 

▲タマタマのイメージ画像です!!!(←しつこい)
 
佐々木先生:ああ、ごめんなさい! この後も診察があるもので! でも、ウニです。それも、色の少し薄いウニ。
 
——色の少し薄いウニ。
 
佐々木先生:それでは、診察に戻りますね! 本日はありがとうございました!!
 
——あ、ありがとうございましたーーー!!!  …………(ウニ。ウニかぁ)。
 
【まとめ】
■キンタマは金色ではない
■キンタマは白い膜に覆われている
■膜の中の色はウニ
 


 
【あとがき】
きっと、これから先、ウニを食べるたびに、みんなはタマタマに思いを馳せることだろう……。みんな! マジで、タマタマはふざけてでも蹴ったり、強く握ったり、デコピンしたりしちゃダメ!! コロコロオンラインとの約束だ!!!!
 
※取材に協力してくれた佐々木先生の病院はコチラ!!