【あつ森】『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第88回 どうぶつたちの旅立ち(1)


 

心を穿つ出来事

 
『どうぶつの森』シリーズは現実世界の縮図のようなゲームなので、ときにプレイヤーが驚くほどリアルで、感情を揺さぶるような出来事が起こる。
 
たとえば、住民のどうぶつに妙に人間臭いセリフをぶつけられて、「え!!」となったり。
 

 
たとえば、どうぶつどうしがやたらと真剣に話し合っている場面に遭遇したり。
 

 
コンピューターのプログラムで動いているキャラクターたちだ……ってのは百も承知しているけど、ふいにリアル世界で自分のまわりにいる人たちと同じくらいの体温を感じることがあって、「はっ!」とさせられることがあるんだよなー。
 
そんな『あつ森』内での出来事で、もっともプレイヤーの心を穿ってくるのは……やっぱり“出会い”と“別れ”だろう。
 

線を引くこと

 
この日記でも何度か、住民の入れ替わりについて詳しい記事を書いてきた。
 
とくに、かつては“水色の黒船”、“ウザい校長先生”と恐れられ、
 
「一刻も早く、別のどうぶつと入れ替わってほしい……」
 
と島民代表(俺だけど)に懇願されつつも……気づけばすっかりルナステラ島の空気になじんだ“ベアード”との物語は、大きな反響を呼んだものだ。
 

【あつ森】『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第66回 旅立ちのベアード(1)

 
けっきょくベアードは引っ越ししてしまうのだが、いがみ合っていた過去の出来事が幻だったかのように、俺は彼との別れを嘆いた。
 

【あつ森】『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第67回 旅立ちのベアード(2)

 
……いまさりげなく“いがみ合っていた”と、まるで双方に問題があったかのような書き方をしたけど、一方的に嫌っていたのは俺のほうで、ベアードには何の落ち度もなかったんだけど^^; ベアード、あのときは本当にゴメンな。
 
この“ベアード引っ越し劇”は、俺の精神に小さくないダメージを与えた。
 
ベアードから引っ越しを打診されたときは、
 
「彼の今後の進歩と発展を考えたら……気持ちよく送り出してあげないとな!!」
 
なんてカッコつけたことを考えたものだけど、いざいなくなると喪失感のほうが大きくて、
 
「やっぱり、許可すべきではなかったか……><」
 
と後悔してしまったのである。
 
これ……もっとも近い感情は“ペットロス”なのかもしれない。俺は2年連続で飼い猫を喪うという経験をして、いまだそのショックは癒えていないんだけど、ベアードが引っ越したときに覚えた感情は、ちょっとそれに似通ったものがあった。つまり、
 
“つらい”
 
のである。
 
この経験を経た俺は、『あつ森』でときたま発生する“引っ越しフラグ”に関して、つぎのような“線”を引くことにした。それは、
 
“絶対に引っ越しを許可しない住民を決めてしまう”
 
というものである。
 

引っ越しフラグ

 
引っ越しフラグが立つこと自体は、じつは大歓迎なのだよ。人事交流が頻繁に起こったほうが島が活性化するのは間違いないし、ゲームを長く続けるモチベーションにもなるからな。
 
それでも……やっぱり、どうしても出て行ってほしくない住民は存在する。どうぶつたちに優劣を付けるようで申し訳なくもあるのだが、そこはキッチリと定めておかないとな。
 
10人いる住民の中で、どうあっても手元に置いておきたいのは以下のどうぶつたちだ。
 
まず、最古参組のヒノコとアーサー
 

 

 
俺がこの島に移住してきたとき、いっしょに来てくれたのが彼らだ。ルナステラ島の“長老”として、この島の進化・発展を最後まで見届けてほしいと思う。
 
続いて、離島ツアーやキャンプサイト経由で厳選して来てもらった“スカウト組”である“メープル”、“カブキチ”、“アップル”、“ヴァネッサ”の4名は、ルナステラ島の“盛り上げチーム”として、まだまだがんばってもらわねば困る。
 

 

 

 

 
残る4名が、コアラのアデレード、スズメのアンチョビ、アヒルのナッキー、カンガルーのキッズ。当然、彼らも手放し難い人材なんだけど……もしも引っ越しを打診されたりしたら“一考の余地あり”ってところだろうか。
 
そんな、2020年5月29日--。
 
先日紹介した自由の女神像エリアを整備し、
 

 
「わーいわーい^^ 新たな観光名所ができて、ますます島が発展していくぞー^^」
 
と能天気に喜んでいたその日に--。
 
俺は、思いがけない住民から引っ越しの打診を受けることになるのである。
 
続きは……次回の更新で!
 
大塚角満の『あつ森』おもしろガイドも更新中

大塚角満(おおつか・かどまん)

1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

 

『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html

※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo

 

『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌バックナンバー

▲第1回
いよいよ開始! 無人島生活

▲第2回
ナゼ、かぶるのか

▲第3回
島の名前問題、勃発!

▲第4回
リセマラで星を得る話

▲第5回
初めてのお出かけ

▲第6回
冨〇義勇もどきと冒険に

▲第7回
闇夜の恐怖

▲第8回
もう輪廻転生の呪いだろ……

▲第9回
青空水族館、爆誕!

▲第10回
闘将(たたかえ)! 辮髪戦士!!

▲第11回
タランチュラ島の激闘(1)

▲第12回
タランチュラ島の激闘(2)

▲第13回
おい! 鈴木!!

▲第14回
匠の部屋(1)

第15回
匠の部屋(2)

第16回
またカモか!

第17回
この春を忘れぬために(1)

第18回
この春を忘れぬために(2)

第19回
店に並ぶ人

第20回
空を見上げる人

第21回
空を見上げる人、その後

第22回
カブで資産運用を!

第23回
カブは腐るか食い時か

▲第24回
タランチュラ、一攫千金

▲第25回
風来の釣り人

▲第26回
初めての釣り大会

▲第27回
スゴいのが、いる(1)

▲第28回
スゴいのが、いる(2)

▲第29回
幻聴が、聞こえる

▲第30回
スゴいヤツのその後

▲第31回
“あいつ”がやってくる

▲第32回
あつ森キャピタルゲイン

▲第33回
金の風船、飛んだ

▲第34回
スパークが来る!?

▲第35回
アナタは……誰?

▲第36回
巨獣濃度を下げろ!

▲第37回
かわいい子゛はいねがぁ~(切実)

▲第38回
どうぶつ探し

▲第39回
ロドリー、駄目パイロット説

▲第40回
角満の部屋を大公開

▲第41回
ともだち探し、ドツボにハマる

▲第42回
ともだち探し、ついに決着!

▲第43回
住民全員、集合だッ!!

▲第44回
出会いと別れ

▲第45回
ベアード、島に馴染み出す

▲第46回
4月、最後の激闘(前編)

▲第47回
4月、最後の激闘(中編)

▲第48回
4月、最後の激闘(完結編)

▲第49回
流れ星を見たら「〇〇〇!!」

▲第50回
祝!あつ森日記、連載50回!

▲第51回
橋をケチれ!

▲第52回
50日目の誓い

▲第53回
流浪のノルマン(1)

▲第54回
流浪のノルマン(2)

▲第55回
とたけけを招聘せよ!

▲第56回
島の評判を上げろ!

▲第57回
とたけけライブと最大の失敗

▲第58回
ヨナグニサンの思い出

▲第59回
キャンプサイト、人事部説

▲第60回
“かぶきち”を招聘せよ!(前編)

▲第61回
“かぶきち”を招聘せよ!(後編)

▲第62回
そのノルマンは、ウチの

▲第63回
レアな生き物を追え!(1)

▲第64回
レアな生き物を追え!(2)

▲第65回
レアな生き物を追え!(2)

▲第66回
旅立ちのベアード(1)

▲第67回
旅立ちのベアード(2)

▲第68回
アネモネとの戦い(1)

▲第69回
アネモネとの戦い(2)

▲第70回
植物品種改良区、爆誕

▲第71回
植物品種改良区の現在

▲第72回
品種改良区、崩壊す

▲第73回
100万ベルの女

▲第74回
100万ベルの女・その後

▲第75回
オオカミを1本釣りする話

▲第76回
ゴールデントラウトを追って

▲第77回
5月31日の攻防戦

▲第78回
6月の太公望

▲第79回
道を整備せよ!(1)

▲第80回
道を整備せよ!(2)

▲第81回
古墳を作れ!

▲第82回
自由の女神を崇めるために(1)

▲第83回
自由の女神を崇めるために(2)

▲第84回
フナムシどうすんの!?

▲第85回
“なつのかいがら”は夏休みの匂い(1)

▲第86回
“なつのかいがら”は夏休みの匂い(2)

▲第87回
地下室、深海になる