ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.68 ~暴力はバント・ランプの姿をしている~

By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
さて、先週末にはいよいよMTGアリーナとMagic Onlineで『基本セット2021』がリリースされました!昨年の今頃にもお伝えしましたが、今はスタンダードで使用できるカードの種類が最も多いタイミングです。現在仕様できるセットを一覧にしてみましょう。
 

  • 『ラヴニカのギルド』
  • 『ラヴニカの献身』
  • 『灯争大戦』
  • 『基本セット2020』
  • 『エルドレインの王権』
  • 『テーロス還魂記』
  • 『イコリア:巨獣の棲処』
  • 『基本セット2021』

この中でも、青字になっているセットに関しては、秋に発売される新セット『ゼンディカーの夜明け』のリリースとともにスタンダードから退場することになります。こうしてカードプールが入れ替わることで、新規参入者とベテランプレイヤーの間でカード資産による優劣が発生しないようになっているのです。
 
そして、使えるカードの種類が多いということはそれだけデッキリストも強くなっているということです。特に今回の『基本セット2021』の収録カードには派手な能力を持ったカードも多いので、デッキリストを見ているだけでもワクワクしてきます。
 
それではさっそく、『基本セット2021』が加わった最新のスタンダードのデッキを見ていきましょう!
 

STANDARD CHALLENGE on June 28, 2020

先週末にMagic Onlineで開催された「STANDARD CHALLENGE」は、『基本セット2021』の新カードが使える初のトーナメントということで、多数のプレイヤーが新デッキをお披露目していました。

▲《時の支配者、テフェリー》

また、中には『基本セット2021』の顔である《時の支配者、テフェリー》を使用したデッキもありました。『基本セット2021』には、この他にも《解き放たれた者、ガラク》や、再録プレインズウォーカーではありますが《精霊龍、ウギン》といった強力なカードが多数収録されているのが特徴的です。
 
さて、今回はこの《時の支配者、テフェリー》を使用したデッキ、さっそく「バント・ランプ」を見ていきましょう。デッキの使用者はデンマークのプロプレイヤー、“Lampalot”ことミカエル・ボンデ選手/Michael Bondeです。
 

バント・ランプ(使用者:Lampalot選手)
枚数 カード名(メインボード)
4 《繁殖池》
1 《ヴァントレス城》
4 《寓話の小道》
2 《森》
4 《神聖なる泉》
2 《島》
1 《平地》
4 《寺院の庭》
2 《啓蒙の神殿》
3 《神秘の神殿》
1 《豊潤の神殿》
2 《ハイドロイド混成体》
2 《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》
2 《漁る軟泥》
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
2 《世界を揺るがす者、ニッサ》
2 《時の支配者、テフェリー》
4 《時を解す者、テフェリー》
1 《精霊龍、ウギン》
2 《空の粉砕》
4 《成長のらせん》
3 《エルズペス、死に打ち勝つ》
4 《サメ台風》
枚数 カード名(サイドボード)
2 《漁る軟泥》
2 《空の粉砕》
2 《霊気の疾風》
2 《敬虔な命令》
2 《ドビンの拒否権》
1 《ヘリオッドの介入》
1 《英雄的介入》
2 《神秘の論争》
1 《覆いを割く者、ナーセット》

 
こちらは『基本セット2021』の新カードをふんだんに使用した緑白青の3色ランプデッキです。緑のお家芸であるマナ加速を行いながら、青のドローと白の全体除去でゲームをコントロールし、各種プレインズウォーカーでアドバンテージの差をつけながら勝利を目指します。

▲《時の支配者、テフェリー》
▲《精霊龍、ウギン》

《テフェリー》と《ウギン》はこのデッキにぴったり嵌るプレインズウォーカーです。ドローと除去の2つを兼ね揃えた《テフェリー》でゲームを掌握しつつ、《ウギン》で一気に対戦相手を突き放すのがこのデッキの目指すゴールです。
 
《テフェリー》の-3能力では、「フェイズ・アウト」という見慣れない言葉が登場しています。これは対象のクリーチャーを1ターンの間存在しないものとして扱うという特殊な処理で、フェイズ・アウトしたクリーチャーによる攻撃や能力は全て無視することができます。《テフェリー》自身は、その常在型能力によって対戦相手のターンにも能力を使用することができるので、対戦相手のクリーチャーが攻撃してきたらフェイズ・アウトさせて凌ぐ……といったプレイが可能なのです。

▲《世界を揺るがす者、ニッサ》
▲《時を解す者、テフェリー》

また、現行スタンダード最強のプレインズウォーカーである《ニッサ》『灯争大戦』の《テフェリー》も採用されています。《ニッサ》は《ウギン》のような重いフィニッシャーをプレイするのに役立ち、《時を解す者、テフェリー》はこれらの大振りなアクションを打ち消しから守るために働きます。
 
他にも《ハイドロイド混成体》や《自然の怒りのタイタン、ウーロ》、《サメ台風》、《エルズペス、死に打ち勝つ》などのパワーカードを多数採用できるのがバント(緑白青)カラーでデッキを組む利点です。
 
使いこなすのには習熟が必要かもしれませんが、使いこなせなくても暴力的なカードパワーで勝利をもぎ取れるかも? スタンダード環境に存在する全てのパワーカードを搭載したようなグッドスタッフデッキ。もしカード資産があるなら、組んでみてはいかがでしょうか?

 

  ライター:ドブフクロウ   青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

『ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー』バックナンバーは次のページをチェック!!