ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.80 ~『ゼンディカーの夜明け』リリース!最新デッキ「青単信心」に迫る~


 
By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
 
さて、いよいよリアルに先駆けてMTGアリーナ上で『ゼンディカーの夜明け』がリリースされました。それに伴って『ラヴニカのギルド』~『基本セット2020』までのセットがローテーション落ちすることになり、スタンダード環境はリフレッシュされました。
 
とはいえ、前環境最強カードの一角だった《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は現環境でも依然として暴れていますし、この《ウーロ》を4枚に、『ゼンディカーの夜明け』で新たに追加された新戦力《水蓮のコブラ》と《創造の座、オムナス》を加えた「4Cオムナス」というグッドスタッフ系のランプデッキは、メタゲームの初動で中心に食い込んでいます。
 

▲《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
▲《水蓮のコブラ》
▲《創造の座、オムナス》

 
というか、コミュニティでは「結局《ウーロ》かよ」「緑青強すぎんだろ」と辟易の声も上がっていたり。ついには公式からも不穏なツイートがなされ、果たして《ウーロ》の明日は……!? 『ゼンディカーの夜明け』リリース直後ながら、いきなりクライマックスな状態で非常におもしろいですね。まぁ、まだ《ウーロ》がどうこうなると決まったわけでは有りませんが……
 

さて、そんなこんなでお伝えしたいことはたくさんありますが、とりあえず来週頭の公式のアナウンスを待ちつつ、今週も最新のデッキリストをご紹介していきたいと思います。ああ、もう毎週毎週代わり映えのしないデッキを紹介しなくていいんだ……!ローテーション万歳!
 

セカナビ オープンβ

先週末にはMTGアリーナ上で『ゼンディカーの夜明け』がリリースされました。4連休中にマジック漬けだったという方も多いのではないでしょうか? 国内では”マジックプレイヤーのためのIT企業”として知られる株式会社Sekappyが、『セカナビ オープンβ』という大会を開催していました。
 

午前と午後に1回ずつ開催されたこちらの大会には、(重複参加もあるものの)合計で313名もの参加者が集まり、『セカナビ』トーナメントは初開催ながらも大盛況に終わっています。在宅で参加できるオンライントーナメントの存在は時節にも合っていることや、新セットリリースのタイミングが重なったことで、多くのプレイヤーの注目が集まったということでしょう。
 
そんな『セカナビ オープンβ』の参加者の中には、バーチャルYouTuberの方も見られ、トーナメント参加の様子を配信していました。なんとも令和の感があるというか、オンライントーナメントならではと感じますが、では単なるイロモノプレイヤー(失礼)かといえばさにあらず。”ごく一般的なメイドデュエリスト”の曳山まつりか選手は、過去にはプレイヤーズツアーにも出場した経験を持つ実力者です。
 

そしてその使用デッキがまたすごい意欲作だったので、今回の記事でご紹介していきたいと思います(※紹介するデッキリストは上記ツイートのものとは異なる改良版)。オリジナルデッキ「青単信心」をご覧あれ!
 

青単信心(使用者:曳山 まつりか選手)
枚数 カード名(メインボード)
19 《島》
2 《ヴァントレス城》
4 《秘儀術師のフクロウ》
2 《崇高な天啓》
4 《ニクスの睡蓮》
4 《海の神のお告げ》
2 《通路の監視者》
2 《玻璃池のミミック》
4 《老いたる者、ガドウィック》
2 《タッサの神託者》
4 《当惑させる難題》
1 《海門修復》
4 《神秘の論争》
2 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
4 《神秘の制圧》
枚数 カード名(サイドボード)
3 《否認》
3 《極小》
3 《厚かましい借り手》
4 《トレイリアの大魔導師、バリン》
2 《深海住まいのタッサ》

 
「青単信心」は、その名の通り青単色で組まれたデッキで、『テーロス還魂記』の主要なメカニズムの一つである「信心」をメインコンセプトに据えています。信心を用いたカードとして有名なものは《タッサの神託者》などでしょうか。パイオニアの(今はなき)「青黒《真実を覆すもの》」の勝ち手段としても使用されていましたね。
 

▲《タッサの神託者》

 
「信心」とは自分がコントロールしているパーマネントの色マナシンボルの数を参照して様々なボーナスが発生するという能力です。本来であれば色マナ拘束が厳しいというのはデメリットですが、このデッキでは《秘儀術師のフクロウ》や《老いたる者、ガドウィック》といったカードはシナジーカードとしても活躍します(もちろん単体のスペックも高い)。
 

▲《秘儀術師のフクロウ》
▲《老いたる者、ガドウィック》

 
この「青単信心」も、これらのカードによって信心を溜めて《タッサの神託者》で勝利するデッキ……なのですが、いくら信心を溜められるデッキとはいえ、普通にプレイしていては信心はせいぜい10~15程度しか稼げず、いくらなんでも自分のライブラリーをそんなに減らすのも難しいでしょう。なので、このデッキには爆発的にマナを増やし、信心を稼ぎながらライブラリーを引ききれるコンボ要素も含まれています。
 

▲《ニクスの睡蓮》
▲《通路の監視者》
▲《玻璃池のミミック》

 
まずは溜めた信心分のマナが出る《ニクスの睡蓮》を、《通路の監視者》でアンタップして大量のマナを得ます。新カードの《玻璃池のミミック》などを用いて《通路の監視者》をコピーすればさらにマナを得ることができ、大量のマナを得て《老いたる者、ガドウィック》で10~20枚ドローができるようになるというわけです。コンボパーツである《ニクスの睡蓮》と《通路の監視者》はともにアーティファクトなので《秘儀術師のフクロウ》で探すこともできます。こうして信心を稼ぎつつキーカードを集めるのがこのデッキのメインの戦術です。
 
また、その他にもコンボパーツを探せる《海の神のお告げ》や、疑似除去の《神秘の制圧》、そして新カードであり《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などを対策することのできる《当惑させる難題》などなど、軽量エンチャントも多数採用されています。これらのカードは信心のカウントを進めたり、かゆいところに手を伸ばしてくれる役割を持ちつつ、《空を放浪するもの、ヨーリオン》と組み合わせることで爆発的なアドバンテージを得ることもできます。各カードが絶妙に噛み合っており、とても新環境一発目のデッキとは思えない完成度です。
 

▲《当惑させる難題》

 
ガチャガチャしたデッキが好きだという方にはまさにうってつけ! 新環境で回したいデッキがないという方は、まずはこのデッキをコピーしてみてはいかがでしょうか?
 

 

ライター:ドブフクロウ       

青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

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