【あつ森】『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第192回 旅に出たがるどうぶつたち(2)


 
 どんなにどうぶつを愛でていても、どれだけ「ずっと島で暮らしていてほしい!」と思っていても、
 
 「俺、引っ越すことに決めた!」
 
 「私、旅に出ようと思うの」
 
 そう言われてしまうことが、『あつ森』にはある。いや『あつ森』に限らず、『どうぶつの森』シリーズは連綿と、そういうシステムで運営されてきた。じゃないと一生、初期メンバーが島(村)に居座って、住民の新陳代謝が図れないからなあ。

 でも、思えば『あつ森』の、
 
 「引っ越ししようと思っているんだけど、どう思う?」
 
 という打診は、昔の『どうぶつの森』を知る人間からしたら非常に親切というかヌルいというか、とにかく“背水の陣”的にありがたいシステムなんだよな。
 
 というのも、いつから切り替わったのか覚えていないんだけど、少なくとも初期の『どうぶつの森』はある日突然、お気に入りのどうぶつがいなくなっていて、家があった場所が何もない更地になっていたんだよなあ(苦笑)。引っ越しをするなんて素振りもなく、本当にいきなり、家もどうぶつのいなくなっていたのだ。
 
 ホラ、こういうのって少年漫画とかによくあるでしょう。
 
 「ねえ、かあちゃん。ジュンペイ(仮名)の家、誰もいないみたいなんだけど、旅行にでもいったのかな? 今日、遊ぶ約束をしてたのに」
 
 首をかしげるケンタ(仮名)に、かあちゃんは眉をひそめて告げるのだ。
 
 「あら、あんた知らなかったの? ジュンペイ君の家、引っ越したのよ。行先もとくに知らせず、急にね……」
 
 知らなかったケンタは、悲しいほどに狼狽える。
 
 「え……。う、ウソだろ……。ジュンペイ、なんでだよ……」
 
 こういう展開。初期の『どうぶつの森』では、これが日常の風景だったのである。
 
 なのでまあ、『あつ森』で引っ越しの打診をされたからといって、ケンタのように狼狽する必要はない。引っ越してほしくない住人だったら毅然と、
 
 「ダメ!!」
 
 って言えばいいだけだからな。
 
 とはいえ……。
 
 あまりにもこの現象(引っ越しの打診ね)が続くと、ゲーム内のこととはいえ精神的なダメージが蓄積されてくる。とくに、“かわいがっている”と自覚しているどうぶつにやられると、
 
 「いーんだいーんだ俺なんて……」
 
 と、とたんにいじけの沼にズブズブとハマりこんでしまいそうになるのである。
 
 そして前回の日記の続きとなるのだが、ルナステラ島の住人の中でも1、2を争うお気に入り“1ごう”に、2回続けて「引っ越ししたい!」と言われたときのこと。
 

 
 このとき--。
 
 スクショをよく見ると、話し込む俺と1ごうの背後に、子熊のアセロラが写り込んでいるのがわかると思う。
 
 アセロラも、5本の指に入るお気に入りのひとりだ。新規の住民を選ぶ離島ツアーでこのコを見つけたときは思わず勝利のサンバステップを踏んでしまったほど、過去作から目をかけてきたどうぶつなのである。
 
 それなのに……。
 
 1ごうの引っ越し話がなんとか収まった数日後、アセロラがフキダシを出しながら歩いている姿が目に入った。その瞬間、俺は思う。
 
 「あ、アセロラが悩んでる。これはたぶん……いまだ俺のことをあだ名呼びしていないので、「かどっち、って呼んでいい?」とか言ってくるフラグだな!www」
 
 ニタニタと気持ち悪く笑いながら、アセロラに話し掛けた。
 

 
 うんうんw 知ってる、知ってるw その堅苦しい“かどまんちゃん”って呼び名を変えたいんでしょ??ww いいよいいよw かどピーでもかきピーでも、好きなように呼んでよ!!ww
 
 しかし話を進めると……アセロラは、↓こんなことを言ってきたではないか!!
 

 
 ぎゃあああああ!!!! 引っ越しの打診とか、ウソだろぉぉぉおおおお!!!
 
 な、なんと……(((( ;゚Д゚)))
 
 お気に入りどうぶつの一角、アセロラにまで「出て行きたいんだけど」って言われちゃったお……(((( ;゚Д゚)))

 アセロラは、かなり本気でありました……。
 

 
 でも……。
 
 かわいいアセロラを、そう簡単に手放すわけにはいかん!! 外の世界に憧れ、目を輝かせているところを申し訳ないけど、ここはやっぱり……出ていかないでええええ!!!><
 

 
 説得の結果、アセロラは島に残ってくれることに……。
 

 
 こうして、“第2次引っ越し騒動”は幕を下ろしたのだが、アセロラは明らかに、俺と1ごうが引っ越しについてあーだこーだと揉めているのを見ていて、
 
 「え、だったらあたしも」
 
 と思ったのだと思う。
 
 なぜ、そう感じるのか?
 
 この記事の、上から4枚目の写真を見てほしい。よく見ると……写真の右端に、ハムスターのアップルの後ろ姿が写っているのがわかると思う。
 
 ……そう、アップルは聞いていたのだ。
 
 俺とアセロラが、引っ越しする、しないで騒いでいたときの話を!!!w
 
 数日後、
 

 
 ……あ。
 
 あ、アップルがフキダシを出して歩いているよ……。
 
 でも……まさかな^^; そんなに連続で、引っ越しの話になるわけが^^;;;
 
 タラタラと額を落ちる汗を拭いながら、アップルに話し掛けると……!!
 

 
 (((( ;゚Д゚)))
 
 このあとのスクショを撮り忘れているんだけど……やっぱり引っ越しの打診だったよ!!!!www
 
 これで、わかったわ。
 
 “旅に出たい病”は、伝染する……。
 
 続く。
 
                        大塚角満の『あつ森』おもしろガイドも更新中

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html

※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo

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