【大塚角満のゲームを語る】第39回 東京ゲームショウ2020を振り返る


 
 史上初のオンライン開催となった東京ゲームショウ2020が、9月27日深夜をもって無事、終了した。
 
 会場展示もなく、試遊台もなく、ステージイベントもないという、24年の歴史で初めての事態に関係者もゲームファンも戸惑いを覚える中での実施となったが、終わってみれば、
 
 「これはこれで……楽しかったな」
 
 過去、すべての東京ゲームショウを会場取材してきた俺も、思いのほかナットクしている自分に驚いたよw いままでは、「イベント会場の、現場に行ってナンボ!」と思っていたけど、“見せかたのカタチ”ってのは、固定観念に囚われなくていいんだなーと感じた。“東京ゲームショウ2020の現場はネット上だった”ってだけでな。
 
 そして今回は、このコロコロオンラインも東京ゲームショウ取材に本腰を入れて、「新情報は徹底的に追いかけて記事にする!」という方針を事前に立てていた。俺は外様のいちライターだけど、1年ほど前から当サイトとガッチリと組み、さまざまなゲーム関連記事を書かせてもらっている流れで、東京ゲームショウについてもつぎのような意気込みを聞いていたのである。
 
 「いままでゲームショウは、会場に行ってもちょっと遊んであいさつ回りをするだけ……という接し方だったんですけど、今年はしっかりと追いかけたいです!」
 
 そのパッションは……ファミ通.comを立ち上げたばかりのころの、20代後半だった自分たちの姿と重なるものがあったよ。現状のコロコロオンラインは、目まぐるしいゲーム記事を追いかけるのに向いてるとは言えないサイト構成だけど、れっきとしたゲームメディアのひとつであると業界にくさびを打ち込むには、東京ゲームショウはまたとない機会になる。……その意気やよし!! だ。
 
 「やりますか!!」
 
 東京ゲームショウをひと月後に控えたコロコロオンラインのWeb会議の終了後、俺は自分のスタッフに「今年はコロコロさんをメインに記事を書くことにしたよ」と詳細を伝えた。大きなイベントがあるときはいろいろなメディアに声掛けをいただくので、方向性を決めないといけないのだ。
 
 「ま、そう言うやろうと思ったわw コロコロさんの情熱的な話を聞いていたしなw」
 
 スタッフは、織り込み済みのようだった。こうして、俺は『モンスターハンターライズ』の詳報をはじめ、自分が気になったタイトルや発表に関する記事を大量にコロコロオンラインに投下したのである。
 

『デジボク地球防衛軍』にコミットする!

 
 そんな東京ゲームショウ2020を振り返ってみて、俺がとくに気になった放送は……。
 
・『モンスターハンターライズ』、初の実機プレイ!
 

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・『デジボク地球防衛軍』実機プレイを公開!
 

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・PS5で『真・三國無双8 Empires』が発売される!
 

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 この3つかなと。
 
 『モンスターハンターライズ』については、もう言わずもがなだな。
 

 
 ずっと、「Nintendo Switchで『モンハン』の新作を遊びたいなー」と思っていた俺にとっては渡りに船の情報で、第1報が出た9月17日のニンテンドーダイレクトminiと今回の東京ゲームショウでの実機プレイのあとは、マジで祝杯を挙げる勢いで仲間と盛り上がった。時間を忘れて『モンスターハンターポータブル』シリーズに熱中していたあの頃と同じように、仲間たちと集まってワイワイキャアキャアと狩りにくり出したいなと思ったよ。
 
 『真・三國無双8 Empires』については、新作タイトルの発表がほとんどなかった今回の東京ゲームショウの中にあって、唯一気を吐いてもらったな……と感じた。
 

 
 本当だったら、ステージ上からたくさんの観客に向かって発表したかったろうな……と思いながらも、“あえて”オンライン開催の東京ゲームショウの番組内でサプライズ発表をされたのを見て、
 
 「おおお……!! やっとTGSっぽい発表がきたな!!!」
 
 と手を叩いてしまった。東京ゲームショウと言えば、“隠し玉発表の場”というイメージも強いけど、コーエーテクモゲームスの英断によりこのイメージはしっかりと守られたと思う。
 
 そして!
 
 今回のイベントで俺の心にもっとも刺さったタイトルは、何を隠そうディースリー・パブリッシャーの『ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE:WORLD BROTHERS』でした!
 

 
 2020年12月24日にNintendo Switch、プレイステーション4用ソフトとして発売されるこのタイトルは、世界中に多くのファンを持つディースリー・パブリッシャーのエース級タイトル『地球防衛軍』シリーズのスピンオフとなる。シリアスでリアルな『地球防衛軍』の世界がすべてボクセル(立方体)で表現されているトンデモな設定で、これをプロデューサーの岡島信幸さんは、
 
 「シリーズの“ファンアイテム”という位置づけです」(岡島)
 
 と表現。ナンバリングのシリーズから一転、コミカルでかわいらしく、それでいて完成度の高い協力プレイ向きのゲームとして、この冬に大きな話題になるなと確信した。そして俺はこのシリーズをさっぱり遊んだことがないんだけど、『デジボク地球防衛軍』があまりにも琴線に触れてしまったので、
 
 「どんなに忙しくても、『デジボク地球防衛軍』でプレイ日記を書く!! いま決めた!!!」
 
 と編集部のスタッフに宣言。そして、
 
 「ま、そう言うやろうと思ったわw」
 
 冒頭と同じ反応をされてしまったのだった(苦笑)。
 
 というわけで、大きな発表こそなかったものの、個人的には非常に充実した東京ゲームショウだった。こういう形式も、悪くないね。
 

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

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