1887年から続く歴史!? 小学生がランドセルを使う驚がくの理由をセイバンに聞いた!!
「小学生の通学バッグは、どうしてランドセルなの?」――そんな素朴な疑問にランドセルメーカーであるセイバンの広報・舩越瑞枝さんが答えてくれた! ランドセルの歴史から、最新ランドセルの機能性、海外で人気の大人向けランドセルまで、さまざまな話題について話してくれたぞ!!
“始まりのランドセル”とは!?
――本日はランドセルのことについて、いろいろとお話を聞かせていただければと思います! そもそも、日本の小学生って、いつからランドセルを背負っているんでしょうか?
1887年に、当時の内閣総理大臣・伊藤博文氏が、後の大正天皇の学習院への入学を祝って、革製の“背(はい)のう”をつくったのが、ランドセルの始まりと言われています。
――背のう……?
背のうは、当時、軍用に使用されていたオランダのリュックサックのようなものです。学習院初等科では、1885年から背のうを通学かばんとして使い始めたんです。ちなみに、背のうはオランダ語で「ランセル(=背中に掛けるかばん、の意)」と呼ばれていました。それが、「ランドセル」という日本語に変化していったと考えられています。
▲背のうのイメージイラスト
――へー! 今のランドセルが広まったのは、いつ頃の話なんでしょうか。
ランドセルは都会型の通学かばんで、地方では教科書やノートを風呂敷に包んで通学するのが一般的でしたが、1946年以降、全国的にランドセル通学が普及し始めました。背負うことによって両手をあけることができることや、間口が広く教材を出し入れしやすいことなどから、今に至るまで広く普及したのではと考えております。
――ふーむ。つまり、大正天皇が小学校の入学祝いにもらった革製の背のうが、全国的に広まったということなんですね!?
そういうことだと思います。ただ、小学生はランドセルを使わないといけない、という決まりはないんです。一方で、ランドセルの利便性を認める内容が、東京都港区のホームページに次のように載っています。
「小学生の通学カバンについては、現在区や学校で指定をしておりませんが、6年間壊れない耐久性に加え、児童が後方に転倒した際に、衝撃を吸収し、頭部を守ることができるという安全性等の観点から、ランドセルが多くの家庭で選ばれております。」
▲港区HPより
天使のはねランドセルがすごいワケ
――ランドセルを使うかどうかは自由だけど、ランドセルの優れた利便性は小学生にピッタリだよ、ということですね。耐久面など、どのような利点があるのか改めて教えてください! セイバンさんは「天使のはね」で有名ですよね。
「天使のはね」シリーズのランドセルは、肩ベルトに工夫をすることで背中への密着度が格段に上がるようになっています。重心がぴたっと安定することから、姿勢が安定するだけでなく、ランドセルがとても軽く感じられるんですよ! 6年生になっても型崩れしにくく、目立ったキズもつかないのが同シリーズの特徴です。
▲セイバンの代名詞! 天使のはねランドセルだ!
――ランドセルが丈夫だからこそ、盾代わりにして戦ったり、雪国ではランドセルをソリの代わりにして遊んでいたりするのでしょうね。小学生男子って、本当おバカで愛しいなぁ……。でも、ランドセルは大事に使えよ! ちなみに、セイバンさんはいつからランドセルをつくっているんですか?
本格的に工場を建ててランドセル製造を始めたのは1946年からです。セイバンの創業地である兵庫県の室津は漁港の町で、漁に出られない冬場に、漁師さんが財布やカバン、キセル入れなどの革小物をつくっていたことが、セイバンの始まりとも言われています。
――そんなセイバンさんの大人向けバックパックブランド「シコバ」の販売をドイツで開始したと聞いています。形状はまさに日本のランドセルそのものですが、どうして海外で展開することになったのでしょうか!?
アジアの方たちは日本のアニメを見て、ランドセルを小学生の通学かばんという認識が広まっているんですね。でも、EU圏ではアジアほど、その認識が根付いておらず、最初に子ども向けのランドセルを持って行った時に「ユニークでスタイリッシュだ! 子ども用!? いいや、僕が欲しい! 大人用につくってくれ!」というリクエストがあったんです。
▲これがシコバだ! かっちょいい〜!!
――へー、それはおもしろいエピソードですね! 自分も欲しくなってきました……!
はい。見た目はランドセルだけど、サイズ感や刺繍が異なるものになっています。現状はドイツのみでの販売ですが、ご要望の声が大きければ国内販売の機運も高まるかもしれません。
――うおーーー、それはすばらしい! コロコロオンラインを見たアニキたちは、きっと久しぶりにランドセルを背負いたいはずですよ。国内販売される日を楽しみにしていまーーーす!!!!
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