【Blue-rayBOX発売特別企画】ジョーカーさん生誕記念スペシャル座談会! アニメ監督・寺本幸代×キャラデザ・しもがさ美穂×漫画家・相原実貴!!


超人気まんが・アニメ『怪盗ジョーカー』の主人公・ジョーカーが12月11日に誕生日を迎えた!
 
コロコロオンラインでは“ジョーカー生誕記念”として、アニメで監督を務めた寺本幸代監督、キャラクターデザインと総作画監督のしもがさ美穂さん、そして作品の大ファンである漫画家・相原実貴先生の3人をお呼びして、スペシャル座談会を実施!
 
初めて明かされる制作秘話や、推しキャラクター、イチオシ場面の紹介など、『怪盗ジョーカー』ファン必見の内容だ!!
 
さらに、文末にはファン必見のプレゼント企画も!!

【対談者一覧】
 
寺本幸代(監督)
主な参加作品は『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち』(監督・絵コンテ)など。
 
しもがさ美穂(キャラクターデザイン・総作画監督)
主な作品は『出ましたっ!パフパフガールズZ』『バトルスピリッツ 少年突破バシン』(キャラクターデザイン・総作画監督)など。
 
相原実貴(漫画家)
現在『Cheese!』(小学館)で『5時から9時まで』(2015年にドラマ化)を連載中。2019年には著作『ホットギミック』の実写映画が公開予定。知る人ぞ知る『怪盗ジョーカー』の大ファン!!
 


▲小学館の少女まんが雑誌『Cheese!』にて連載。
コミックスは最新14巻まで大好評発売中!

 

エンディングをなくなくカット!?
物語を犠牲にしないこだわり

――まずは自己紹介からお願いします。
寺本幸代監督(以下、寺本):アニメ『怪盗ジョーカー』の監督をやらせて頂きました、寺本と申します。放送終了から、もう2年ですか。本日はよろしくお願いします。
 
しもがさ美穂(以下、しもがさ):キャラクターデザインと作画総監督をやらせて頂きました、しもがさです。私は最近までジョーカー関係のお仕事にふれていたので、時間が経った気がしませんね。
 
相原実貴(以下、相原):『怪盗ジョーカー』のいちファンの相原です。お恥ずかしながら、初めて作品を見たのは去年のちょうど今頃でした。キッズステーションで「カウントダウンテレビジョン(第33話)」という車椅子の男の子(速水京太郎)と対決する回から見始めて、「なにこの格好良い子がいっぱいいるアニメ!」と衝撃を受けました。そこから一気にハマり、Amazonで全シーズンを見ました。登場する子どもたちが、本当に格好良くて!
 
寺本:ありがとうございます。嬉しいです。
 
――アニメ『怪盗ジョーカー』はすごく愛のあるスタッフさんが集まっているという印象がありました。アニメ化はどのように決まり、どのようにスタッフが集まったのか教えてください。
寺本:私は、『劇場版ドラえもん』などでご一緒させて頂いたプロデューサーの方々や関係者の皆様からお呼ばれされた形です。正直なところ、お話を頂いたときは「どうなるんだろう」とドキドキしていました。でも、しもがささんが描いたキャラクターを見た時に、「あ、格好良い。このアニメはいける!」と思ったんです。ビビッときたというか。その絵に心を射止められました。こんな幸せな現場に招いて頂いて、本当に感謝しています。
 
――しもがささんは、最初にお声がかかった時はどうでした?
しもがさ:当時は『怪盗ジョーカー』を知らなかったので、すぐに原作を読みました。原作がめちゃくちゃ面白かったので、これは安心して作れるなと。元々のデザインが個性的ですごく良いので、原作のたかはしひでやす先生のデザインを活かしてアニメ用のテイストを加えて組み立てました。コミックス表紙の裏カバー外すとネタがいっぱいだし、漫画のコマの端っこに重要な情報が書かれていたりで見つけるのが楽しい♪
 

寺本:やはりアニメは止め絵じゃなくて動かさなきゃいけないので、初めは絵を描く現場の方から「線が多い」という声もあり、大変そうでした。ですが、続けていくうちに現場サイドも作品に惹かれてファンが増え、逆に「描かせてください!」って向こうから来てくれて。みんな愛を持って描いてくれました。
 
相原:それはすごく感じます。アニメを拝見していて。
 
寺本:こちらとしても、現場が盛り上がっていくのは本当に嬉しかったですね。ちなみに、好きが高じてたかはし先生のサイン会に参加したアニメーターの方もいますよ。
 
――たかはし先生はどういった関わり方をされていたのですか?
寺本:たかはし先生は本当に懐の広いお方で、自由にやらせて下さいました。もちろん原作はとても面白いですが、その面白さをこちらも活かそうと「ここはちょっとこうしてもいいですか?」みたいな相談をしても「全然OKです」と言ってくださるんです。本当に作り手としてはありがたかったですし、やはり私たちが”こうしたい”と思うことをやらせて頂けると、現場のテンションが上がります。だからこそ、すごくみんながノッて作っていたという部分がありますね。
 
――きっと、その愛が先生にも伝わっているからこそOKした部分ありそうですね。
寺本:そうですね。こちらはもうリスペクトと愛はたっぷりと作品に込めましたので!
 
――アニメを見る側としては、作品を見てどう感じましたか?
相原:キャラクターの良さが根底にあるうえで、アニメはテンポがすごく良くて、次から次へと場面が移っていく感じが凄いなと思っていました。
 
寺本:ありがとうございます。
 
相原:よく30分に収められているな、という感じるくらい、面白さてんこ盛りで。
 
寺本:じつは収まりきらなくて、エンディングをごめんなさい(カット)した回もありました。
 
相原:ありましたね。エンディングなしで作画を作る場合、90秒くらい長くアニメを作ることになるので大変ですよね。それでも物語を犠牲にしないというか、作品の質を優先していたと……凄いです。あと、思い出深いのがシーズン4の最終話。本当にキャラクターも演出も格好良くて、内容もぎゅうぎゅうに詰まっていました。寺本さんが監督以外の部分を担当されていましたよね?
 
寺本:そうですね。コンテも演出もやりつつ、「ああ、間に合わない。でも質は落としたくない」ってすごく頑張って作った覚えがあります。
 
相原:すごく格好良い回でした!
 
――女性ファンも多い作品ですが、その理由はどうお考えでしょうか?
寺本:原作を読んだあと、ファンはどういう方たちなんだろうと思って周りに聞いたんです。すると女性ファンもいることを知って、なるほど、と。それで女性ファンの皆さんが「ジョーカーのこういうところが好き」という部分を意識しつつ、なおかつ少年漫画の良さは殺さないよう、みなさんに喜んでもらえるように作りました。また、女性ファンに受けたのは、しもがささんの絵がすごく可愛いからだと思います。
 

次のページへ!!(1/3)