【大塚角満のゲームを語る】第51回 けっきょく、アストロシティミニで遊ぶ1月w

こんなに楽しいミニゲーム機があるとは

 この“大塚角満のゲームを語る”というコラムのテーマは、

 “角満が気になっているゲームにまつわる事象について好き勝手に語る”

 というもので、いわゆる“新作ソフトレビュー”の体は成していない。ゲームに関することだったら、たとえばボードゲームとかリアル脱出ゲームとか花札なんかでもよく、さらに言えばファミ通時代の思い出話やゲームクリエイターとの飲み会で飛び出した深いい話……なんてのも書いていいんじゃないかと思っている。

 つまり、「これ、ゲームっぽいな」とこじつけられれば素材はなんでもよく、がんばれば“ネコのトイレ事情”とか“自転車でドブに落ちた話”なんてのもここで綴れるかもしれない。……まあ、ホントに書いたら翌週から別の人がコラムを担当しているかもしれんが(苦笑)。

 そういう意味では、今回扱うアイテムはどっからどう見てもゲームそのものである。そのコンセプトは、

 「セガグループ設立60周年プロジェクトがまたひとつ始動! 90年代にゲームセンターを風靡した伝説のセガ・アーケード筐体が復活します。当時のゲームセンターの興奮を手のひらサイズでお楽しみいただけます!」

 というもので、まさにここで書く素材として打ってつけなんですよ!!

 この商品が発売されたのは2020年12月17日で、いまから1ヵ月以上も前のこと。当然のように発売日に手に入れた俺は(9月には予約済みだったw)、年末年始もこの筐体を遊び倒している。

 ……そう、ずっと待っていたのだ。

 こういうコンセプトのミニゲーム機が発売されることを!!

 これまで発売されたミニゲーム機も片っ端から購入して遊んでいるけど、筐体の出来、収録ラインナップなどなど、もっとも俺の琴線に触れているのは……間違いなく↓こいつである!!!

 セガトイズから発売中の“アストロシティミニ”ですよ皆さん!!

 遊び始めてから1ヵ月が経過したので、改めてこのゲーム機のすばらしさを啓蒙したいと思いますッ!!

思い出のゲームセンター

 前述の通りアストロシティミニは、セガが誇る往年のアーケードタイトルが37本も収録されたミニゲーム機だ。

 そのデザインは……1990年代にどこのゲームセンターにも置かれていた名機・アストロシティそのもので、俺と同じアラフィフ世代にとっては、見ただけで涙がにじんでくるくらい懐かしのルックスをしている。

 思い出すなぁ、当時のゲーセンの風景を……。

 まだファミ通に入ったばかりの20代前半のころ、仕事終わりに学生時代の仲間と高田馬場にフラリと流れる時間が好きだった。青春時代を過ごした勝手知ったる高田馬場で俺たちは、

 ボウリング→ビリヤード→居酒屋→カラオケ→ゲーセン

 と渡り歩くことを“夜のゴールデンコース”と呼び、数ヵ月に一度の楽しみにしていたんだけど、少しの酔いに気分を良くして座った筐体が、まさしくアストロシティだったのである。そこではいつも『バーチャファイター』や『ぷよぷよ通』、『コットン』など、一世を風靡したセガのアーケードゲームが目まぐるしく躍動していた。仕事はキツくてツラかったけど、気の置けない仲間とアストロシティ越しに向き合うその時間は、尊く、輝いていて、いま考えても、

 「もっとも楽しかった時代かもなぁ……」

 なんて思ってしまう。

 そう、俺が思い浮かべるゲームセンターの景色には、つねにアストロシティが置かれている。そんな“青春の遺物”が小さくなって登場したとなったら、手元に置いておかないわけにはいかないではないか!!

 ぶっちゃけ、アストロシティミニに収録されているゲームはほとんどやり込んだ記憶があるので、できることなら“全タイトルレビュー”なんてものを書きたいなと考えた。しかし、それはあまりにもカロリーの高い作業になってしまうし、おっさん・おばちゃんしか喜ばない記事になりそうだったので早々に断念w ここでは俺がとくに好きな数タイトルを紹介させてもらおう。

 ちなみに、スクショについてはセガの公式サイトにあるものを拝借させてもらっている。

 まずは、何を置いても『バーチャファイター』だな!

 1993年に登場した世界初の3D格闘ゲームにして、“格闘ゲーム”というジャンルそのものを作り変えてしまった伝説のタイトル。

 この筐体に入っている『バーチャファイター』、やたらとキレイで滑らかだなぁ……と不思議に思っていたら、なんと“720P-HD版”ってのになっているらしく、キチンと現代に合わせて最適化されたものだった。正直、『バーチャファイター』を遊ぶためだけにアストロシティミニを買ってもいいレベルだと思うわ。

 続いて、大迫力の3Dシューティング『スペースハリアー』!

 俺の“心のゲームベスト10”に必ず入るシューティングゲームの大傑作! 動きに合わせてグリングリンに動きまくる専用大型筐体がかっこよすぎた!!

 さらに、個人的に当時もっとも“連コイン”して対戦しまくっていたのは、やっぱり『ぷよぷよ通』だな!

 初代『ぷよぷよ』も爪が割れるくらい遊び尽くしていたんだけど、“ボタン連打で上下のぷよが入れ替わる”というギミックや、おじゃまぷよの相殺が加わったことでゲーム性が1000%くらいアップ!! いまだ、「『ぷよぷよ』シリーズの最高傑作は、間違いなく『ぷよぷよ通』だ!」と断言できるくらい大好きです。

 そして!!!

 もう、いろんなところで書いちゃってるんだけど、俺がいちばん好きなアーケードゲームはダントツで↓この、

 『エイリアンシンドローム』なのよ!!

 導入されたのは1987年なので……俺が高校1年(!)のとき。いまでも覚えているけど、高校の最寄り駅から2駅先にあるホームセンターのゲームコーナーで初めて『エイリアンシンドローム』に触り、トップビューのわかりやすいゲーム性と、出てくるエイリアンどものあまりのグロさに心奪われたんだよなぁ。

 結果、毎日のように部活終わりで2駅歩き、『エイリアンシンドローム』を数ゲーム遊んで帰宅していたw 部活がキツすぎて何度も辞めそうになったけど、

 「これを乗り越えれば……『エイリアンシンドローム』で遊べる……!!!><」

 ってことを糧にしてがんばり、高校3年のときにインターハイでベスト8まで進めました。このゲームがなかったら、あれほどがんばれなかったかもしれない(苦笑)。

 このほかにも、

 『ファンタジーゾーン』に、

 『ゴールデンアックス』、さらに、

 『獣王記』などなど、涙なしでは遊べないいにしえの名作がゴマンと収録されている。

 そしてもちろん、

 HDMIでモニターに出力して遊べるので、迫力の映像も大画面で堪能できる!!

 これで、通常版は12800円(税別)!!!

 俺と同じアラフィフ世代の皆さん、いかがですか!!!(通販番組風)

 正月、いちばん遊んだゲームはアストロシティミニです。

 この事実だけで、いかにステキなゲーム機なのかがわかるでしょう?

 

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

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