ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.98 ~クソデカマナコストで対戦相手を破滅させよう~

By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。

さて、先週末には『カルドハイム』チャンピオンシップ予選が開催され、『カルドハイム』環境の競技シーンも盛り上がってきています。誰でも参加できるトーナメントとして、株式会社Sekappyが主催する『セカコロ(Sekappy CLOSSEUM)』といったトーナメントの開催も告知されているほか、日本選手権なども開催を控えているので、我々プレイヤーにとっては楽しみな日々が待っています。

『カルドハイム』のカードは強力なカードや変わったカードも多く、まだまだ環境初期のこの段階では正確なカードパワーは測ることができそうにありません。今後も新しいデッキがいくつか登場しそうな予感があります!

もしかするとあなたのデッキアイディアが世界を変えるかも!? ぜひみんなでスタンダードを楽しみながら攻略していきましょう!

『カルドハイム』チャンピオンシップ予選

上述の通り、先週末には『カルドハイム』チャンピオンシップ予選が開催されました。こちらは3月26~28日にかけて開催されるトーナメントとなっており、MPLやMRLに所属する各国のトッププレイヤーや、厳しい予選を勝ち抜いた猛者たちが、栄冠と総額250,000ドル(約2600万円/2月10日現在)の賞金を懸けて戦い世界最高峰の舞台です。

そんな本大会で見事に優勝を収めたのは、日本人プレイヤーの加藤 健介選手でした。大手カードショップのBIGMAGICとユニフォーム契約を結んでいるプレイヤーで、過去にはグランプリでのトップ8入賞経験も複数回あります。

そんな加藤選手が持ち込んだのはオリジナルの「スゥルタイ根本原理」デッキです。さっそくリストを見ていきいましょう!

スゥルタイ根本原理(使用者:加藤 健介選手)
枚数 カード名(メインボード)
4 《ゼイゴスのトライオーム》
4 《樹皮路の小道》
4 《闇孔の小道》
4 《清水の小道》
4 《沼》
4 《森》
3 《寓話の小道》
2 《島》
1 《ケトリアのトライオーム》
2 《嘘の神、ヴァルキー》
2 《絡みつく花面晶体》
1 《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》
2 《精神迷わせの秘本》
2 《エシカの戦車名》
4 《海の神のお告げ》
4 《古き神々への拘束》
3 《エルズペスの悪夢》
2 《サメ台風》
1 《キオーラ、海神を打ち倒す》
4 《耕作》
4 《出現の根本原理》
3 《影の評決》
2 《アールンドの天啓》
2 《絶滅の契機》
2 《海門修復》
1 《バーラ・ゲドの復活》
4 《無情な行動》
3 《取り除き》
2 《ジュワー島の撹乱》
枚数 カード名(サイドボード)
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
3 《否認》
2 《強迫》
2 《神秘の論争》
2 《星界の大蛇、コーマ》
2 《秘密を知るもの、トスキ》
1 《影の評決》
1 《取り除き》
1 《塵へのしがみつき》

こちらはスゥルタイカラーで構築されたコントロールデッキです。前回もスゥルタイカラーのデッキをご紹介させていただいたので、2週続く形にはなってしまいましたが、このデッキはキーカードとしてデッキ名にその名を冠する《出現の根本原理》が採用されているのが最も大きな違いです。

▲《出現の根本原理》

7マナのソーサリーという壮絶な重さのカードですが、その分テキストも凶悪。ライブラリーからカードを3枚探し出し、相手が選んだ1枚を除き、2枚の呪文をマナ・コストを踏み倒して唱えることができるのです。デッキには《出現の根本原理》以外にも大量の激重カードが採用されており、《出現の根本原理》が解決されれば8/8呪禁のクラーケンが出てきたり追加ターンを得たりと好き放題のお祭り状態になることでしょう。

▲《キオーラ、海神を打ち倒す》
▲《アールンドの天啓》

ただし、《出現の根本原理》で探せるカードは単色のカードのみという制限が付きます。が、ここで非常に胡散臭いテクニックも使えます。《嘘の神、ヴァルキー》はその第1面が単色のカードであるため《出現の根本原理》で探すことができるのですが、そのマナ・コストを支払わずに唱える際、第2面の《星界の騙し屋、ティボルト》として唱えることができるのです。

▲《嘘の神、ヴァルキー》
▲《星界の騙し屋、ティボルト》

さらに、《ティボルト》を唱えるとき《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》がセットになっていれば、《ヴォリンクレックス》の能力によって《ティボルト》の忠誠値が倍になった状態で戦場に出てきます。つまり即奥義を起動することができるというわけですね。もちろん対戦相手はその危険から逃れるために、《ティボルト》と《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》がセットにならないようにカードを選ぶことになるでしょうが、いずれにせよ莫大なアドバンテージを得られてしまうことは間違いなく、対戦相手に不自由な選択を迫る厄介なコンボと言えるでしょう。

ただし、そうしたデッキの強みも《出現の根本原理》を唱えるところまでゲームが続けられればこそです。そのため、フィニッシャーを除けばデッキのほとんどが妨害札で構成されている他、《耕作》のようなマナランプカードも採用されており、1ターンでも早くフィニッシュターンを迎えられるように構築されています。

圧倒的なカードパワーで対戦相手を握りつぶすような、大味なゲームができるのがこの「スゥルタイ根本原理」の魅力! まだ『カルドハイム』環境のデッキが見つかっていないという方は、こちらのデッキを調整していくのも楽しいかも知れませんよ。

  ライター:ドブフクロウ    

青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

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