【BLIZZCONLINE】『Diablo IV』の“ローグ”はどんなクラス? 開発者インタビュー!

新クラスの秘密が明らかに!?

 『Diablo』シリーズや『オーバーウォッチ』シリーズでおなじみのゲームメーカー、Blizzard Entertainmentが、毎年恒例の発表会“blizcon”を開催。今回は新型コロナウイルスの影響で初のオンライン開催“BLIZZCONLINE”となったが、例年以上に多くの情報、サプライズが飛び出しているぞ。

 コロコロオンラインでは、世界中に多くのファンを抱える元祖ハック&スラッシュ、『Diablo』シリーズに注目!! 今後も新情報を追いかけて行く決意とともに、BLIZZCONLINEで飛び出した『Diablo』関連情報をピックアップして記事にしていくぞ!

 ここでは、『Diablo』シリーズのナンバリング最新作『Diablo IV』の開発者インタビューをお届けする。日本メディアの合同質問に答えてくれたのは、アートディレクターのジョン・ミューラーさんと、リードデザイナーのジョー・シェリー さんだ。

▲ジョー・シェリー氏

▲ジョン・ミューラー氏

セットアイテムはどうなるのか?

――まずは注目の新クラス“ローグ”についてお聞かせください。ソーサレスのエンチャントシステムのような、ローグのオリジナルシステムにはどのようなものがあるのでしょうか?

ジョー・シェリー:ローグはとても多様性に長けているというか、使いみちのあるクラスと言えます。それを象徴するふたつの要素があるのですが、そのうちのひとつが“インビュー”というシステムです。

 インビューは、冷気や毒、または影の力を武器に宿し、一時的に武器にバフを与える効果があります。たとえば冷気をインビューした場合は、自分の手と武器から氷が「ズババババ!」と出てきて、つぎからの数回の攻撃に冷気の効果が追加されます。

 もうひとつ例を挙げると、たとえば“バラージ”というスキル。前方に何本か矢を出すバラージに冷気をインビューした場合、当たった敵に冷気を付着させ、ふつうのダメージ以上の効果をもたらしたりします。

 ひとつだけインビューしてもいいし、複数のインビューを組み合わせてもいい。もちろん、まったくインビューしないという選択肢もある。戦闘中に一時的なバフをつける感じなので、自分のプレイスタイルと、自分のプレイ中の状況にあったいろいろな組み合わせが可能になります。

ジョン・ミューラー:空から矢を降らす“レイン・オブ・アロー”に毒を付けるというのも、開発陣の中ではかなり人気の高いコンボだったりします。また、素早く駆け抜けるダッシュにつけてもいいね。
ジョー・シェリー:COOPモードで複数の人と遊ぶときにも、選び方にも幅が出ます。例えば、ソーサレスといっしょに遊んでる場合は、冷気のヒット数を増やして敵をとっとと凍らせちゃおう……なんて、戦略をいろいろと変えて楽しむことができます。

 もうひとつ、全体的なスキルシステムにおいて、ローグは近接武器と遠隔武器を両方とも装備しているので、スキルを選ぶときの選択肢が多いと思います。たとえば、全部遠隔系にしてもいいし、その逆もしかり。もちろん、どちらも織り交ぜた万能タイプにしてもいい。自分でインビューする要素を決めることによって、幅が出てくるんです。そういう意味では、カスタマイズが多様なクラスと言えるでしょう。

--もうひとつの要素についてはいかがですか?

ジョン・ミューラー:ふたつ目のスぺシャリゼーションというのが、“ローグとはなんぞや?”という質問の答えになると思います。フィールドにおいて、クラス用のクエストをこなすことによりスぺシャリゼーションが使えるようになります。

 スペシャリゼーションは、“コンボポイント”、“シャドウレルム”、“エクスプロイト・ウィックネス”の3種類。コンボポイントは、連続攻撃。シャドウレルムは、闇の領域に入るステルス的な動き。そしてエクスプロイト・ウィックネスは、敵の弱点を浮き彫りにする……という感じの効果でしょうか。どれかに特化させることにより、自分のプレイスタイルが確立されていくでしょう。もちろん、その日の気分でいつでも変更できますけどね。

ジョン・ミューラー:ゲームをプレイしながら、いろいろな組み合わせを模索するのも楽しいと思いますよ。たとえば、敵の群れの中から1体だけ引っ張ってきて、集中攻撃を加えて倒す……なんてこともできますし、先ほど言った矢の雨に毒をつけて敵全体を毒にしてしまってもいい。

--ローグが耳を集めている映像が流れましたが、それを見ると昔のPvPを思い出します。

ジョー・シェリー:これはローグだけではなく、すべてのクラスで耳を集めることができます。というのも、『Diablo II』で遊んでいたとき、倒した相手の名前がついている耳をコレクションすることが印象に残っていたので、そのオマージュとして、『Diablo IV』にも導入しました。

--耳は、トロフィー的な意味合いのほかにもなにかあるのですか?

ジョー・シェリー:耳そのものはトロフィーの意味しかないのですが、オープンワールドの中にPvP専用のエリア“憎悪の平原”(Field of Hatered)があります。そこで、敵やほかのプレイヤーを倒すと専用の破片が手に入るのですが、PvPのおもな目的はこの破片を集めることになります。

ジョン・ミューラー:たとえば友だちと遊んでいて、「こいつのほうが、いっぱい破片を集めているなぁ……。よし! こいつも倒して破片を奪おう!」なんて感じに、突然PvPが始まったりもします。

ジョー・シェリー:その破片は、エリアの特定の場所に行って浄化させる必要があるのですが、その作業中は無防備になりがちなんです。なので、そこを狙って破片を横取りしようと目論む人たちも出てくるかもしれませんね。

 ちなみに浄化された破片を街に持っていくと、PvP専用のアイテムや、特別な外見を作るアイテムと交換できますよ。

--『Diablo 3』ではエンドコンテンツとして、アドベンチャーモードやネファレムリフトが用意されていますが、『Diablo IV』はオープンワールドということですけど、これはエンドコンテンツにどのようにからんでくるのでしょうか?

ジョー・シェリー:最終的なエンドゲームは、『Diablo 3』が作った基盤をベースに、やれることをより多様化していきたいと考えています。当然、『Diablo 3』同様にダンジョンは重要なので、エンドゲームのいくばくかはダンジョンで行われるでしょう。とはいえ、これまでのシリーズ作品と比べて世界が圧倒的に広いので、それをうまく使いたいとつねに思っています。たとえばPvPがそうですし、2019年にお見せした“ワールドボス”のような、たくさんのプレイヤーが必要な挑戦も楽しいでしょう。大きな世界を活用し、さまざまなエンドゲームをできるようにする……とファンと約束をしていますので、これを果たすべく、さまざまなプランを練っているところです。

--『Diablo 3』は良くも悪くもセットアイテムに依存するところが大きかったのですが、『Diablo IV』はそこから脱却するよう開発を進めている……と伺いました。セットアイテムは、本作では登場するのでしょうか?

ジョー・シェリー:セットアイテムを3つも4つも揃えないと効果が発揮されない……というシステムは『Diablo 3』ではよかったのですが、今回は装備の組み合わせに依存するよりも、選んだスキルなりを重視したいと考えていました。ですので『Diablo IV』では、“プレイヤーの果たしたい目的に応じてアイテムを選び抜いてほしい”と考えているんです。レジェンダリーだろうがレアだろうが、その目的に合致するものをとりあえず使ってみる……という選択の余地を残したいと思ったんです。

 とはいえもちろん、ユニークアイテムはサンクチュアリの一部ですので、見た目にもかっこいいものを揃えたいと考えています。

ジョン・ミューラー:装備についてもうひとつ付け加えると、すべて身に付けたときにどう見えるのか、ちぐはぐにならない見栄えにできるのか、ということを重視しました。もう1つのアイテムで考えることは、やっぱり全体的に装備を全部つけたときにどう見えるか、ちぐはぐに見えないような見栄えにできるか。たとえばローグのカットシーンでは、初代『Diablo』を彷彿させるような武具を付けることを意識しています。

 我々アートチームが、初代『Diablo』の16×16ドットの絵を凝縮して、それをもとに今回の装備を作り上げました。
 『Diablo IV』では映像が美しくなりますし、カットシーンも増えますので、装備の見栄えがいいと「俺ってかっこいい!」という気持ちが高まると思うんです。ですので、ゲーム全体を通して装備のコーディネートを意識しつつ、キチンと強さのバランスがとれるように調整を進めているところです。

ジョー・シェリー:セットアイテムに関しては、『Diablo IV』のシステムにおいてどのような役割を果たすのかが未知数なので、模索を続けているところです。

--ニュースレターなどで、「最強ビルドの検索をしたらそれで終わりというふうにはしない」とおっしゃっていましたが、現在はどのような開発になっているのかお聞かせください。

ジョー・シェリー:いつの世代でも、「このビルド作ってみたよ、ちょっと見てみて!」という人もいれば、誰かが作ってくれたビルドを使っただけで満足する……という人もいます。それはそれで、人それぞれなのでいいと思っているんです。

 ただやはり、自分でシステムを掘り下げて、そのプレイヤー特有の道を切り開いていく……という、細部までこだわる人がおもしろく感じられるシステムを作りたいと考えます。それが実現できれば、型紙をそのまま使うような味気ない感じにはならず、ゲームとしての深みが出るんじゃないかと思うんです。

 問題はそれをどうやって現実にさせるかですが、まずはレジェンダリーの効果は『Diablo 3』と似てますが、ひとつの装備の部位にこだわらないように違いを作りました。

 たとえば、ソーサレスの“フローズン・オーブ”が強化されるブーツが出たとします。でも後から、フローズン・オーブを強化するズボンが出てくることもあるでしょう。これはどちらかを持っていればいいわけなので、ここでプレイヤーに選択のチャンスが生まれるわけです。

 何が言いたいのかというと、装備が集まってくることにより、自分のキャラを作るための“組み合わせのパズル”が発生するということ。さらに、レジェンダリーの効果がひとつのクラスではなく、多様性を保つために複数のクラスが使えるようにしています。要するにこれまでのセットアイテムのように凝り固めるのではなく、自身が所有するアイテムで最善が尽くせるようなシステムにしようと努力をしているのです。

『BLIZZCONLINE』ディアブロ関連記事一覧
名作復活!『Diablo II:Resurrected』が2021年発売決定!
『Diablo IV』に新クラス“ローグ”登場! アサシンとアマゾネスが融合したようなハイブリッドなクラスに!?
『Diablo IV』の“ローグ”はどんなクラス? 開発者インタビュー!
シリーズ初のスマホアプリ『Diablo イモータル』の“いま”に迫るインタビュー!