【大塚角満のゲームを語る】第59回 あえてのSteam! 『LOOP HERO』の中毒性がヤバい!

たまにはPCゲームも

 60回にも及ぶこの連載ではこれまで、家庭用ゲーム機用ソフトの紹介を中心に、ゲームにまつわる思い出話や与太話など、わりと自由に綴ってきた。

 Nintendo Switchやプレイステーション関連ハードに対応したソフトがレビューのメインになっていたのは、ひとえに、

 「コロコロオンラインの読者層を考えると……アプリやPCゲームよりも、家庭用ゲーム機のソフトのほうが喜ばれるだろうな」

 と思い込んでいたからだ。

 ……なんて言いつつ、先週は思いっきり超話題のアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』のことを書いているんだけど(苦笑)、いまや低年齢層の子たちも持つようになったスマホのアプリは、ハードルの低さ的には家庭用ゲーム機のソレと比べても大差ないんだよな。いやむしろ、どこにでも持ち歩いている関係上、いまもっとも“手軽なゲーム機”はスマホやタブレットになったような気がする。

 一方で、まったくと言っていいほど取り扱ってこなかったのがPCゲームだ。

 もちろん、俺がまったくPCゲームをプレイしていないかと言ったらそんなことはなく、むしろ、

 「ぼちぼち、新しいゲームで遊びたいなぁ……」

 なんて思ったら、真っ先にSteam(PCゲームのダウンロード販売をメインとしたプラットフォーム)にログインして検索に入る。大手のゲームメーカーだけでなく、インディーズのタイトルも無数に配信されているので、宝探しをしている気分で思いつく限りの検索ワードを入力しているのだ。

 でもさすがに、コロコロオンラインでSteamのソフトを紹介するのは抵抗があった。家庭用ゲーム機やスマホと比べて、敷居の高さが段違いだと思っていたからな。

 そんなある日、同僚のたっちー先生がこんなことを言ったのである。

 「でもさ、いまどきの小中学生って、ゲーミングPCでゴリゴリのPCゲームをプレイしているんじゃないの?w eスポーツの大会とかを見るに……。なのでSteamのゲームであっても、オトナが考えるほどハードルは高くないのではwww」

 俺は天啓を得たような気分になった。「ななな、なるほどッ!! それはもっともかもしれん!!!」

 というわけで長くなったが、今回はこのコラムで初めてとなる(た、たぶんな)、Steamで配信されたばかりのゲームを紹介したい。それは……!!

 『LOOP HERO』という、ご覧の通り見た目は地味極まりないゲーム!!w

 でもこれ、めちゃくちゃ掘り出し物だったわ……!

 忙しくてゲームしてる場合じゃないのに、プレイが止まらねえ!!w

ボードゲーム好きに、絶対刺さるゲーム

 『LOOP HERO』は、Devolver Digitalというメーカーから3月5日に配信されたばかりのゲームで、ジャンルは……。

 ……これ、なんて説明したらいいんだろう?

 ローグライクであり、ダンジョンクリエイトであり、ハクスラっぽくもあり、オートで進行するボードゲーム風でもあるし……。

 いやでも、

 「お! ハクスラですか!! 俺、大好きなんすよ!!w」

 と、純粋なハック&スラッシュを期待してプレイしたら、

 「なんか……想像とぜんぜん違うんですけど!!

 ってことに絶対なるし、だからと言って、

 「じゃ、ローグライク命なボクの出番だね!」

 なんて、『風来のシレン』のようなローグ系のゲームを求めてプレイすると……、

 「え?? このゲーム……なんなの???

 と、戸惑いしか生まないと思う。

 そうこれ、新しいのだ。

 前述の要素を少しずつ取り入れてゲームの形を構築し、アレコレとこねくり回した結果……これまでにないまったく新規の作品が誕生してしまった!!

 こんな感じなのである。

 では、ちょっとでもわかりやすくするために、スクショを載せつつ説明する。……理解してもらえる自信、1ミリもないけど(苦笑)。

 ゲームの大まかな説明は、Steam上に↓こんな文言がある。

 “死神が無限のループへと世界を投げ入れ、命あったものは終わることのない混沌へと落ちていった。敵や建造物、環境を配置する不思議なカードデッキを手にして、勇敢なヒーローと共にループ世界を冒険しよう。ヒーロークラスごとの強力なアイテムを回収・装備しながら、いくつものループを通して生存者のキャンプ地を再建する必要がある。新たなクラス、カード、能力、邪悪なガーディアンをアンロックして、終わりのない絶望の循環を破壊しよう”

 ここで、キーワードとして覚えてほしいのは“ループ”だ。ゲーム開始時の初期画面を見ると、その意味するところがわかる。

 ……水道管のような灰色の管が輪になってるでしょう?

 じつはこれが、ゲームの舞台のダンジョン。右側に白いオバケみたいなアイコンがあるけど、これがプレイヤーキャラとなっている。

 プレイヤーは自動で、ループ状になったダンジョンをグルグルと歩いて巡る。

 ダンジョン内に、やっつけで描かれたような丸い物体が確認できると思うけど、これが敵だ。ぶつかると、バトル画面になる。

 ↑これがバトル画面。ここでもプレイヤーはいっさい操作できず、戦闘はオートで進行する。

 敵を倒すと、中から武器や防具、そして“ダンジョンに配置するためのカード”などがドロップする。

 ↑こちらのスクショの左下に、“忘却”、“灯台”、“宝物庫”、“山”、“ランタン”、“バンパイアの屋敷”と書かれた札状のものがあるでしょ? これがカードで、ダンジョン内の任意の場所に配置することで、それぞれが持つ効果が発揮される。

 たとえば“山”というカードは、山や“岩”というカードを隣接させて並べていくと、プレイヤーキャラのHP上限がアップする……という効力がある。“バンパイアの屋敷”ってのはその名の通り吸血鬼が住む家で、このカードに隣接したマスで戦闘が発生すると強敵のバンパイアが敵として乱入してくる……なんていう恐ろしい現象が起こる。

 グルグルグルグル……とループのダンジョンを周回しているとカードは増えてゆき、マイナス効果のカードも並べなきゃいけないので配置していくと……いつしかその風景は↓こんなことにw

 ここまで来ると、なんとなくわかるでしょう?

 このゲームは、ダンジョンパーツであるカードを配置しながら冒険世界そのものを構築し、そこをグルグルと周回しながら装備を整えていって、そのミッションのボスを倒すことが目的……といった感じの作りになっているのだよ。

 このアナログ的なゲーム性……めちゃくちゃクセになる!!

 くり返しくり返し遊ぶことで“資源”を入手し、プレイヤーの拠点となる“キャンプ”を強化していくのも楽しいしさ。

 見た目は地味だし、何が行われているのかパッと見ではさっぱりわからないんだけど、一度プレイして、

 「あ、そういうことか……」

 と腑に落ちた瞬間、きっと多くの人が恋に落ちると思う。とくに、ボードゲームが好きな人はなおさら。値段も安いので(3月17日時点で1520円)、ぜひとも触ってみてほしい!! 新しすぎて説明が難しく、きっとほとんど伝わっていないと思うけどさ!!w