【ヘキサギア】優雅に舞う妖獣「ウィアード・テイルズ」レビュー!

ホビーメーカー壽屋(コトブキヤ)が手掛けるスクラップ&ビルドをコンセプトとしたプラモデルシリーズ『ヘキサギア』の2月に発売された「ウィアード・テイルズ」! 価格は7,150円(税込)。

コロコロオンラインでは、初の紹介となる第三世代ヘキサギア。シリーズの特徴である獣性を宿したAIと機体に合わせた本能的戦闘パターンを可能とした「ゾアテックスモード」は第二世代ヘキサギアとは異なる、生物をモチーフとした造形となっている。

今回はこちらのキットの魅力を紹介するぞ。

雅にして奇怪な機械仕掛けの妖獣、現る

「ウィアード・テイルズ」は前述した通り、第三世代ヘキサギアであり、獣のようなデザインの「ゾアテックスモード」とシステムコンバートによる「エアロバイクモード」の2種類の形態にできる。

「ゾアテックスモード」では、妖狐を彷彿とさせるシャープなデザインとなっている。爪先立ちのような立ち姿やスマートな頭部など優雅な雰囲気を醸し出している。爪先は近接戦用武器「強化型グラップルブレード」となっている。

胴体はガバナーを乗せるスペースを備えつつ、運動性を重視した装甲が覆っている。そして、目を引く機体後部、尻尾のようにある自律飛行型兵器「スペードロワー」は、無人攻撃機として脱着可能。備わっている武器の展開のバリエーションによって、攻防一体の武装として機能する。

第二世代ヘキサギアの「ミリタリーテイスト」とは異なる「生物的な運動性・機動性」を重視したデザインは、一見すると「全く別の技術体系」に感じられる。しかし、世代の違いで大きくヘキサギアの技術躍進がありつつも、キットを組んでいくとその流れが失われているとは思わないだろう。

ヘキサグラムによるパーツの流用はもちろんだが、システムコンバートによる「エアロバイクモード」からもその体系が受け継がれているのがわかる。

「エアロバイクモード」は卵型に近い形態で、近未来的な意匠となっている。タイヤのない重力制御によるスタイリッシュなデザインは、別売りの「ニューフライングベース」と合わせてディスプレイすることで、様々な戦況が思い浮かばせる。

組み立て時間はやすりがけを含めて、約6〜7時間ほど。ランナーの数もこれまで紹介してきたヘキサギアに比べると少なく感じられ、組み立てもスムーズだった。

ウィアード・テイルズ(素組)

素組の状態。白の外装とガンメタルの内部フレーム、爪先や頭部の装飾などの赤色で構成され、目元はクリアブルーとなっている。カラーリングから和風なテイストがうかがえ、御神体を思わせる神秘的な雰囲気が伝わってくる。

爪先立ちの脚部は、しっかりと立脚して保持力も抜群。すらっとした印象の脚部は少し角度を変えるだけで、優雅な立ち姿ができる。また、動物がふっと足を踏み出す手前で止まるような“生きた感じ”は第三世代ヘキサギアだからこそできる演出だ。

▲前脚部
▲後脚部

背部のコックピットブロックも、細かいメカニック描写で再現されている。コンソールのレバーはガバナーに合わせて持ち手の角度調整はもちろん、左右へのスライトによってリアリティあるライディングフォームにすることができる。

「ウィアード・テイルズ」最大の武器である自律飛行型兵器「スペードロワー」は、取り外してディスプレイすることで設定でのグラビティ・コントローラーと機体制御スラスターによる幅広いアクションを再現することができる。中距離用の射撃武装「レーザーライフル」と近接戦用のブレード「ヴォーパルソード」が一体なった箇所はフレキシブルに可動し、攻撃、防御の展開再現が可能となっている。

エアロバイクモード(素組)

「エアロバイクモード」へのシステムコンバートは、機体下部に「スペードロワー」との接続パーツを1つ加えて再現することができる。未来的なエアロバイクの形状は、「ゾアテックスモード」のシャープな印象を残しながら、メカニカルな機能性を感じさせるデザインとなっている。

半密閉型のコックピットブロックは、「ゾアテックスモード」の時よりも脚部や「スペードロワー」に保護される形となっており濃密な空間になっている。

次のページでは塗装したものを紹介。