ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.109 ~今なお強いジェスカイサイクリング~

By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。

先週、Wizards of the Coast社よりMPLとライバルズ・リーグが2021-2022シーズンをもって終了されることが発表されました(詳細はこちら)。

MPLは世界最高峰のマジックプレイヤーたちによるリーグ戦と銘打たれてスタートし、後にその下位リーグであるライバルズ・リーグも発足しましたが、いかんせん新型コロナの影響でオフラインイベントが軒並み中止になってしまったことで露出も減り、肝心のリーグ戦もコアなマジックファン向けのコンテンツだったので、初心者プレイヤーなどにはとっつきにくいものとなっていました。

今後はプロリーグが解体される分、セット・チャンピオンシップの賞金額が見直されたり、より多くのプレイヤーに向けたイベントを打ち出してくれる(明言はされていないので、現状は「そうなるかも?」くらいに思っておいた方がよさそうですが)ようです。

また、『モダンホライゾン2』のカード情報も少しずつ出てきています。本連載でも、新カード情報などが出てきたら取り上げさせていただこうと思います。楽しみですね!

さて、それでは今週も最新のスタンダード環境のデッキを見ていきましょう!

STANDARD CHALLENGE on May 9, 2021

Magic Onlineで毎週末に開催されているSTANDARD CHALLENGE。本連載でもよく取り上げているおなじみのトーナメントですが、現在オンラインで開催されている公式のトーナメントの中では比較的競技性が高いものなので、ここでの結果を見ていくことはメタゲームの理解を深めることにも繋がります。

そんなSTANDARD CHALLENGEから、前回は「白単」、前々回は「青赤ドラゴン」をご紹介していきましたが、今週は前環境からのメタデッキである「ジェスカイサイクリング」をご紹介していきます。

ジェスカイサイクリング(使用者:Lord_Beerus選手)
枚数 カード名(メインボード)
4 《連門の小道》
1 《島》
1 《山》
4 《針縁の小道》
1 《平地》
4 《ラウグリンのトライオーム》
4 《河川滑りの小道》
4 《ドラニスの刺突者》
4 《繁栄の狐》
4 《アイレンクラッグの紅蓮術師》
4 《雄々しい救出者》
4 《願い与えの加護》
4 《血の希求》
3 《霜帳の奇襲》
2 《プリズマリの命令》
4 《驚くべき発育》
4 《天頂の閃光》
4 《型破りな協力》
枚数 カード名(サイドボード)
1 《プリズマリの命令》
4 《軽蔑的な一撃》
1 《ガラスの棺》
1 《神秘の論争》
3 《否認》
3 《レッドキャップの乱闘》
2 《常智のリエール》

 
「ジェスカイサイクリング」は『イコリア:巨獣の棲処』でフィーチャーされた再録キーワード能力の「サイクリング」によるシナジーで戦うデッキです。特定のキーワード能力に寄せた構築になっているため、新規カードを取り入れにくいデッキではありますが、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ではそんな「ジェスカイサイクリング」と相性のいい《プリズマリの命令》が登場しました。

▲《プリズマリの命令》
▲《アイレンクラッグの紅蓮術師》
▲《型破りな協力》

《プリズマリの命令》は3マナと比較的軽い上に2ドローすることができるため、相手ターンに《アイレンクラッグの紅蓮術師》や《型破りな協力》を誘発させやすくなったり、デッキと非常に噛み合っています。元々「ジェスカイサイクリング」ではサイドボードに《切り裂かれた帆》が採用されることも在りましたが、《プリズマリの命令》はメインボードから採用できる性能な上にアーティファクト破壊のモードもあり、《エンバレスの宝剣》や《グレートヘンジ》のような強力なアーティファクトや、《守護者の盾、ヴァルクミラ》のようなこのデッキに対するメタカードにも対応できます。

『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のリリースはスタンダード環境を激変させるまでには至らなかったようで、現在のスタンダード環境は「スゥルタイ根本原理」や「ディミーアローグ」など、前環境の強力なデッキがそのままメタゲームの上位に君臨しています。しかしながら、逆に言えば前環境でそれらのデッキに対して立ち位置を持つことができていた「ジェスカイサイクリング」は現環境でも引き続き強力なデッキであると言えるでしょう。

▲《天頂の閃光》

《天頂の閃光》は、現在も変わらず現環境最強の火力呪文の一つです。《アイレンクラッグの紅蓮術師》や《型破りな協力》による「サイクリング」シナジーを活かした戦略に、一撃必殺の《天頂の閃光》の組み合わせはおそらくスタンダードがローテーションするまで活躍することでしょう。プレイングは難しいですが、うまくプレイできたときの爽快感は随一。みなさんもぜひこの「ジェスカイサイクリング」を回してみてはいかがでしょうか?

ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

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