ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.117 ~フォーゴトン・レルムの世界にアドベンチャーが探訪する~

By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。

なんと、マジック界に衝撃的なニュースが入ってまいりました。8月13日(金)にMTGアリーナで実装される新たな特殊セット『Jumpstart: Historic Horizons』がリリースされるとのことです。すでにカードリストも公開されています(※公式のカードリストはこちら)。

▲《Davriel, Soul Broker》

(以下私訳)
魂の仲買人、ダブリエル?
[+1]次のあなたのターンまで、あなたの対戦相手があなたかあなたのコントロールするプレインズウォーカーを攻撃するたびに、カードを1枚捨てる。もしそれができない場合、攻撃クリーチャー1体を生け贄に捧げる。
[-2]Davriel’s Offers一つを受け入れる。その後、Davriel’s Conditionを受け入れる。
[-3]クリーチャー1体を対象とする。それは永続的に-3/-3の修正を受ける。

(※Davriel’s OfferとDavriel’s Conditionの詳細についてはこちら)

収録されるカードはMTGアリーナ独自のフォーマットである「ヒストリック」でのみ使用できる新たなカードです。そのためか、紙のマジックでは見られないランダム性の高い能力や、永続的に機能するパワー/タフネス修正など、デジタルカードゲームらしさ満点の能力が多数見られます。

他にも先週末には日本選手権2021 SEASON2が開催されたり、競技シーンも大いに盛り上がっていました。今回はさっそくそんな日本選手権の結果を振り返ってみたいと思います!

日本選手権2021 SEASON2

先週末に開催された日本選手権2021 SEASON2。『フォーゴトン・レルム探訪​』リリース後のスタンダード環境で競われた国内最初の競技イベントで、総額100万円以上の賞金を懸けて、予選を勝ち抜いた強豪プレイヤーたちが争いました。

そんな中、見事に優勝を収めたのは廣澤 遊太選手でした。廣澤選手は広島出身のプレイヤー(現在は東京)で、プロツアー殿堂顕彰者である津村 健志選手をはじめ、多くのプロプレイヤーたちと親交の厚いプレイヤーです。個人的にも知り合いなので、今回の優勝は嬉しいですね。

グルールアドベンチャー(使用者:廣澤 遊太選手)
枚数 カード名(メインボード)
9 《森》
4 《岩山被りの小道》
4 《バグベアの居住地》
2 《山》
2 《ハイドラの巣》
4 《砕骨の巨人》
4 《エッジウォールの亭主》
4 《恋煩いの野獣》
4 《厚顔の無法者、マグダ》
4 《ヤスペラの歩哨》
3 《黄金架のドラゴン》
2 《リムロックの騎士》
3 《エンバレスの宝剣》
3 《エシカの戦車》
4 《レンジャー・クラス》
4 《髑髏砕きの一撃》
枚数 カード名(サイドボード)
3 《バーニング・ハンズ》
2 《レッドキャップの乱闘》
2 《運命の神、クローティス》
2 《乱動する渦》
2 《轟く叱責》
2 《アクロス戦争》
2 《アゴナスの雄牛》

こちらは前環境でも活躍していたグルール・アドベンチャーです。赤緑系のデッキの強みである《エッジウォールの亭主》+出来事クリーチャーのパッケージが強力なアドバンテージ戦略を支持してくれます。

▲《エッジウォールの亭主》
▲《砕骨の巨人》

また、このデッキには『フォーゴトン・レルム探訪​』の新カードも複数枚採用されています。特に目を引くのは『フォーゴトン・レルム探訪​』の中でも一番のパワーカードと呼び声の高い《レンジャー・クラス》でしょう。2マナのエンチャントで、戦場に出たときに2/2のトークンを出してくれるため最低でもマナ・コスト分の仕事はしてくれる上に、レベル2の能力は攻撃的なこのデッキに非常にマッチしており、レベル3の能力は莫大なアドバンテージを稼いでくれる可能性を秘めています。

▲《レンジャー・クラス》

レベルアップのためにテンポ損してしまうカードではありますが、実際に使用してみると見かけ以上に非常に使い勝手のいいカードで、盤面の強化とアドバンテージの獲得を行える能力はさながら《グレートヘンジ》のよう……は言いすぎかもしれませんが、《レンジャー・クラス》には更地でもプレイしやすいという長所もあるため、あながち《グレートヘンジ》の枠を埋めるカードとして運用するイメージも間違ってはいないかもしれません。

また、このデッキは《バグベアの居住地》と《ハイドラの巣》というミシュラランド(クリーチャー化する能力を持った土地)を得ています。このデッキは元々アグレッシブな戦略を取るデッキの中ではマナフラッドに対する受け皿もあるデッキでしたが、ミシュラランドの存在によって、止めの一撃や長期戦の安定化が図れるようになりました。

▲《バグベアの居住地》
▲《ハイドラの巣》

おそらくアドベンチャー系統のデッキは『エルドレインの王権』のローテーションまで最前線で活躍を続けることでしょう。果たしてこのデッキに対する対抗馬、特に新メカニズムを使ったデッキなどは出てくるのでしょうか?今後に期待が高まります。

ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

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