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ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.2 〜世界を制した青単テンポ〜

ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.2 〜世界を制した青単テンポ〜


By ドブフクロウ

みなさんこんにちは、MtGライターのドブフクロウです。

先週末にはついにアメリカのオハイオ州クリーブランドにてミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019が開催されました。かつてはプロツアーと呼ばれたこの大会は、世界各地で開催される厳しい予選を勝ち抜いた一握りの強豪たちやトッププロと呼ばれるプレイヤーが集まる最高峰の大会です。

そんな中でトップ8に進出したプレイヤーたちはいずれも名だたる猛者ばかり。世界でも五指に入るであろう強豪プレイヤーのレイド・デューク選手や、かの有名デッキ調整集団「チャネル・ファイアーボール/Channel Fireball」の”総帥”ルイス・スコット=ヴァーガス選手、南米における最強プレイヤーの一角と言われるマルシオ・カルバリョ選手など、まさに至高の戦いに相応しい豪傑たちが覇を競いました。マジックに詳しくない方向けにポケモンで例えると、グリーンやシロナ、ゲーチス、アイリスたちが最強決定戦してるような感じです。

▲井川 良彦選手

もちろん我らが日本人からもプレイオフに進出したプレイヤーはおり、東京のプロプレイヤーである井川 良彦選手が獅子奮迅の大活躍。誰もが目を覆うほどの相性差を覆して準々決勝を勝ち上がると、そのまま準決勝でルイス選手と対決。なんとここでも快勝し、決勝へと駒を進めました。

いよいよ優勝を懸けた最後の戦いでは、イギリスのプロプレイヤーであるオータム・バーチェット選手/Autumn Burchettと激突。井川選手はゲームカウント2-3という形で悔しくも敗退してしまいましたが、準優勝という素晴らしい成績を残しました。やはり世界の舞台で日本人が活躍していると嬉しいですよね。個人的な話にはなりますが、僕自身も井川選手とは親交があるので喜びもひとしお。この場を借りて、井川選手本当におめでとうございます!

実は日本はマジック:ザ・ギャザリング先進国の一つで、井川選手のように世界の舞台で活躍しているプレイヤーがたくさんいるんですよ。マジックに興味があるという方は、この機会にぜひマジックをプレイしてみてはいかがでしょうか? 3月22日(水)〜3月24日()には京都パルスプラザにてマジックフェストと呼ばれる大規模なイベントが開催されるので、お近くの方はぜひ足を運んでみてくださいね(※詳細はこちら)

さて、今回はミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019の結果から、活躍していたデッキを見ていきましょう。

ミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019

上述の通り、ミシックチャンピオンシップは世界のトップクラスの実力者たちがしのぎを削る大会で、そこに参加するプレイヤーたちが持ち込むデッキはいずれも珠玉のものばかり。さらにその中でも上位に入賞したデッキとなれば、今後の環境にも大いに関わってきます。TCGに慣れているプレイヤーであれば「環境」や「メタゲーム」という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、マジックにおいてのそれらの変化の推移はざっくりと以下のようなものになります。

  1. 新セットが発売される
  2. 世界各地でデッキが研究される
  3. ミシックチャンピオンシップが開催される
  4. プロたちのデッキを参考に環境が熟成される

つまりこれからの環境は(4)の「プロたちのデッキを参考に環境が熟成される」段階。もちろんこの例に漏れることもありますが、今はミシックチャンピオンシップのデッキリストを研究することが我々マジックプレイヤーにとっての最重要課題でしょう。

そして今回優勝したオータム選手のデッキはといえば「青単テンポ」。実は今回のトップ8に進出したプレイヤーのうち3名がこのデッキを選択しています。単純に考えて上位進出したプレイヤーが持ち込んだデッキ=強いデッキと言えますし、ましてや8名中3名が選択したとなれば現環境のベストデッキと呼んで差し支えないでしょう。

青単テンポ(使用者:オータム・バーチェット選手)
枚数 カード名(メインボード)
19 《島》
4 《プテラマンダー》
4 《セイレーンの嵐鎮め》
1 《霧まといの川守り》
4 《マーフォークのペテン師》
4 《大嵐のジン》
4 《執着的探訪》
4 《潜水》
4 《選択》
3 《呪文貫き》
2 《本質の把握》
1 《航路の作成》
1 《否認》
4 《魔術師の反駁》
1 《幻惑の旋律》
枚数 カード名(サイドボード)
3 《波濤牝馬》
3 《否認》
3 《幻惑の旋律》
2 《氷結》
1 《島》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《本質の把握》
1 《狡猾な漂流者、ジェイス》

 

青単テンポというデッキ自体、以前より一部のプレイヤーによって愛好されていましたが、『ラヴニカの献身』によって《プテラマンダー》という新たな戦力を得たことで安定感と爆発力を同時に手に入れ、デッキの強さが底上げされました。もちろん従来このデッキのフィニッシャーを務めていた《大嵐のジン》も健在です。

そもそも青単テンポというデッキの目的は「対戦相手よりも早くライフを削る」という非常にシンプルなものです。そもそもマジックというゲーム自体、基本的には自分のライフがゼロになる前に対戦相手のライフをゼロにするというのがゴールとなっているので当然と言えば当然ですね(※もちろん例外はありますが)。しかしそのための手段として、青単テンポは自分自身が最速でゴールに向かいながら、同時に対戦相手を足止めするという攻撃と妨害を並行して行います。

もちろんマジックというゲームの性質上、基本的にはクリーチャーを呼び出したり呪文を唱えるのには「マナ」と呼ばれるリソースが必要になります。通常の場合マナは各ターンに1つずつしか増えないので、せいぜい〜3マナ程度のマナしか使えないような序盤は攻撃か妨害のどちらかにリソースを割くことになるでしょう。しかし、青単というデッキは攻撃に使うクリーチャーも妨害に使う呪文も非常にマナコストが低いものを使用しているため、序盤から攻防一体のプレイが可能になっているのです。たとえば2マナ使える状態なら、1マナでクリーチャーを呼び出し、もう1マナで対戦相手を妨害するといったような感じですね。テンポよく攻撃と妨害をスイッチするこの戦略がデッキ名の由来にもなっています。断じて〇ンポではないのです。

これだけ言うとテンポ戦略というのは必勝の戦略にも思えますが、もちろん弱点もあり、攻撃に使うカードと妨害に使うカードをそれぞれ都合よく手札に持っていなくてはなりません。クリーチャーばかり引いてしまって対戦相手の動きを足止めすることができなかったり、妨害ばかり引いてしまって攻撃できなかったり……この手のデッキを使う場合には、そんな不運ともうまく付き合っていかなくてはなりません。

しかし、現環境は幸いにも《執着的探訪》や《選択》のようなドロー呪文に恵まれており、「ドロー運が悪いならそもそもドロー回数自体を増やせばいい」と言わんばかりに手札を調整することができます。特に《執着的探訪》はクリーチャーのパワーとタフネスを上昇させるため、攻撃面でも非常に優秀。

しかもデッキを構成しているカードのほとんどがコモンやアンコモンなので非常にデッキが組みやすいというのもポイントで、カード資産がない初心者にもうってつけです。といっても攻撃と妨害の状況判断を同時に行わねばならず、わずかなミスが命取りにもなりやすいため若干扱いづらいデッキではあるのですが……逆に言えばとても練習しがいのあるデッキで、上達していくにつれ対戦相手に何もさせることなく勝利するといった完封勝利を目指すこともできます。そういう意味では初心者から上級者まで様々な方にオススメですね。

というわけで今回はここまで。次回はアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるマジックフェスト・ロサンゼルス2019のお話をしていこうかなと思います。モダンフォーマットでは最近《クラーク族の鉄工所》が禁止されて環境が変わったばかりなので、どういったデッキが活躍するのか注目したいところですね。

 

ライター:ドブフクロウ

青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

次回は3/6(水)更新!!

※画像はマジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイトより引用しました。引用元URL:https://magic.wizards.com/en/events/coverage/2019MC1

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