サウンド担当の『UNDERTALE』TobyFox氏との出会いが明らかに! ゲームフリークが贈る完全新作RPG『リトルタウンヒーロー』SPインタビュー(後編)!!


『ポケモン』シリーズのゲームフリークが贈る完全新作RPG『リトルタウンヒーロー』が、2019年10月17日(木)発売!
 
本作のディレクターは『ソリティ馬』シリーズの田谷正夫氏! さらに音楽を『ポケモン』シリーズの佐藤仁美氏『UNDERTALE』のTobyFox氏が担当するという、超豪華スタッフが集結した期待の作品となっている。
 

<リトルタウンヒーロー/STORY>
 
物語の舞台は小さな村。
危険な外の世界に通じる道は「お城」が守っているため、村人が外の世界に出ることは出来ません。
 
ほとんどの村人は、そのことを不満にも思わずに暮らしていますが、主人公の少年は、それでも何とか「外の世界」を見てみたいと思う変わり者です。
 
そんなある日、おとぎ話の中にしか存在しないと思われていた「マモノ」が村に現れます。
村の炭鉱で拾った不思議な「赤い石」のおかげで並外れた力を手に入れた少年は、「マモノ」を退治しているうちに、「石」や「マモノ」の秘密を解き明かしていくことになります。
 
果たして少年の願いは叶うのでしょうか?
 

 
コロコロオンラインでは、本作の魅力や発売に至るまでの経緯、開発の苦労話などをディレクターの田谷氏に独占インタビュー!
 
後編では、こだわりのサウンド、さらに戦闘システムについて語って頂いた!!

■人物紹介
株式会社ゲームフリーク
開発本部 プログラマー
 
田谷正夫氏
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TobyFox氏のBGMが
世界観をさらに形作る!

――本作は音楽にかなり力を入れていますよね。
ずっとひとつの村の中で物語が展開するわけですから、ビジュアルと同じく愛着を感じて、好きになってもらうことが一番だと思っています。今作では、BGMを『UNDERTALE』で有名なクリエイター・TobyFoxさんにお願いさせて頂きました。
 
TobyFoxさんはお忙しい方なので、引き受けてくださるのか不安でしたが、快く引き受けて頂いてほっとしています。そのあと、事前に僕が書いたプロットを英訳して送ったり、何度か弊社に足を運んで頂き、開発中のゲーム画面やアートワークなどを見てもらってイメージを膨らませて頂きました。
 

たしか最初にゲームフリークに来て頂いたときですが、打ち合わせのあとスタッフと一緒にお酒を飲み交わして、そのままお互い帰宅したんです。
 
結構夜遅くまで飲んでいたはずなんですが、次の日の朝、出勤したらTobyFoxさんからメールが来ていたんです。「こんな感じでどう?」って曲付きで。飲んだ翌日の朝ですよ? しかも、それが「これしかねぇ!」ってくらい完璧で。本当にドンピシャだったので、スタッフみんな曲を聞いた瞬間にニコニコしていました(笑)。
 
――すごいエピソードですね! その曲は実際にどこの部分で使われていますか?
オープニングで主人公たちが登場するところですね。プレイし始めるとすぐ聞けると思うので、ぜひ注目してほしいです。ほかにも、フィールド曲など多数お願いしていて、詳しくは言えませんがアレンジ曲の使い所など色々とギミックがあるので、そちらもぜひ期待してください!
 


▲実際にプレイする際、ぜひ注目を!

 
――そもそもTobyFoxさんに依頼しようとしたキッカケとは?
弊社の一之瀬剛という『ポケモン』シリーズのサウンドを担当している方が、同じサウンドクリエイターとしてTwitterでTobyFoxさんと交流していたんです。
 
一之瀬さんも僕も以前から『UNDERTALE』のファンだったので、TobyFoxさんが『UNDERTALE』の日本語版発売記念パーティーで来日されたとき、僕も呼んでもらって初めて挨拶させて頂いたんです。その後、一之瀬さん経由で「TobyFoxさんが、ゲームフリークが新作を作るなら曲作るよって言ってくれている」と聞き、ダメ元で本作の依頼をしたところ、あっさりOKを頂きました。
 
本当にゲームの世界観にマッチする曲を沢山作って頂きましたので、期待してほしいです!
 

 
――『ポケモン』シリーズで有名な佐藤仁美さんも参加されていますよね?
はい。メインはTobyFoxさんですが、すべての曲を完成させるのはかなり時間がかかります。そのため、印象的なフレーズ作成を含むアイディアをTobyさんには沢山、出して頂き、別の方がひとつの完成された曲へと昇華させるという形を取りました。
 
TobyFoxさんの曲に合いそうな方を探したとき、最初に思い浮かんだのが佐藤仁美さんで、そのままお願いする形となったんです。
 

駆け引きを楽しむ
新たな戦闘システム

――本作は「ヒラメキを力に変えるRPG」と銘打っていますが、戦闘システムの特徴を教えてください。
分かりやすく言うと『ハースストーン』や『シャドウバース』のような”デジタルTCG”をベースにしてたシステムになっています。僕もそうなんですが、開発スタッフ全員あの戦闘システムにハマっていまして。
 
戦略性があり、ボスごとに特徴あるバトルが楽しめるシステムを考えたときに、デジタルTCGのようなお互いの手札で戦うものがマッチするんじゃないかなと考え、それをベースに開発を進めました。なので、デジタルTCGに慣れてる方はもちろん、TCGに馴染みがある方はすぐに理解して楽しんで頂けると思います。
 

 
――そのシステムは最初から決め打ちで進めたのですか?
いえ、プロトタイプ開発のときは全然違うシステムでした。カードゲームチックなのは似ていますが、同じ色や数字の連番になっているカードを使うと強烈な技を放てるという、もっとポーカーみたいな内容だったんです。それはそれで面白かったんですが、ちょっとカードゲーム過ぎるよねと経営陣から物言いが入りまして、見直すことになりました。
 
そこから結構悩みまして、何も出てこない時期もありました。ですが、最終的にデジタルTCGの良さを含みつつも、色々なアイデアを付け足したり引いたりチューニングして、独自の物を作り上げた感じです。
 

――戦闘の勝利条件は?
相手の体力を3回削れば勝利です。開発当初は互いの30、40点ある体力を削り合うという形だった時期もありましたが、途中でどうにも面白くならないなと思ったんです。それは互いに手札をぶつけ合って有利になれさえすれば、自然と相手にダメージを与えられるからです。
 
つまり、そこが30点だろうが、40点だろうがあまり差はなく、相手の体力を削ることに爽快感がなかったんです。そこで、3回攻撃すれば勝利という形にしたところ、攻撃の1発1発の重要性が増し、なるべく攻撃されないように気を付けながら、相手を倒す戦略を真剣に考えるゲームになったかなと思います。
 

――1戦にかかる時間はどれくらいでしょう。
平均的には10分~20分くらいですね。慣れてない方だと、もう少しかかることがあるかもしれません。
 
――『ポケモン』のバトルシステムを担当された経験が活きたという部分はありますか?
『ポケモン』のバトルシステムは、本当に複雑なんですよね。これから新規で作られるタイトルがあっても、あそこまでの仕組みにすることはないと思います。ただ、その複雑化されたなかに、技やポケモンを組み合わせることで予想もしない結果が生まれるという面白さがあるんです。そういった機転とヒラメキで味わえる戦闘の面白さは共通しているかなって思います。
 
――現状の手応えはいかがでしょうか?
間違いなく新しいRPGになったと思います!
 
ただ、デジタルに限らずTCGに馴染みが無い方の中には、とっつきづらいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、未経験の方でも楽しめるように、序盤の敵を弱くしたり、分かりやすい説明を入れたつもりですので、がんばって挑戦してみてほしいです。
 

――最後に、田谷さんが目指す『リトルタウンヒーロー』の展望、今後の意気込みをお願い致します。
まずはリリース後、どれくらいのユーザーに遊んでもらって、喜んでもらえるだろうかとドキドキしています。繰り返しになりますが、昔RPGが好きだったけどがっつりプレイする時間がなくなった人にこそ遊んでもらいたいです。
 
戦闘は1戦1戦が面白く、考えて遊べるシステムになっているので、ちゃんとやりごたえもあります。”RPGを短い時間で楽しみたい”と思っていらっしゃる方に、ぜひ手に取ってもらいたいですね。
 
また、コロコロの読者さんにもオススメです。とくにカードゲームが好きなお子さんは、絶対に面白がってプレイしてくれると思います。小学校高学年ほどなら理解して納得できるようなストーリーになっていますので。若い世代にどれだけ適切に、このゲームの面白さを届けられるか、これが今の自分のなかで大きなミッションですね。
 
――少し気が早いですが、続編の構想などは……!?
やりたいことはまだまだあるので、もちろんやりたいですが、今のところ作る余裕がございませんという感じです(笑)。『リトルタウンヒーロー』『ソリティ馬』ともに、”2が出るとしたらこんな感じにしたい”という構想自体はありますよ。
 
――ありがとうございました!
 


 
ついに配信が開始された『リトルタウンヒーロー』
 
ゲームフリークが放つ新進気鋭のRPGを今すぐ体感せよ!!
 

作品概要
『リトルタウンヒーロー』
 

■ハード:Nintendo Switch
■発売日:2019年10月17日
■価格:2500円+税
■ジャンル:RPG
■プレイ人数:1人
■公式HP:https://www.gamefreak.co.jp/town/