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コロコロにラブコメ漫画はいらない!?

——横田さんが掲げた「漫画回帰」の背景には、コロコロコミックの対象年齢である男子小学生を強く意識してのことだとわかりました。誌面のバランス感覚は、学年誌時代に身に付いたものですか?
 
『小学二年生』の時もそうだし、そのあと異動した『ちゃお』などの少女漫画誌時代の経験が大きかったです。
 
と言うのは、僕が知る頃の『りぼん』(集英社)と『なかよし』(講談社)は、女子小学生を対象にした漫画雑誌であるにも関わらず、平均読者年齢が高校生くらいになっていた。これは、小学4・5年生の子どもには「難しすぎて、私たちの読む雑誌じゃない」と思われてしまんじゃないか、と他社の雑誌ながら心配になったほどです。
 
でもね、これって実は、どんな雑誌にも言えることなんですよ。放っておくと、年齢層って上がっていっちゃうんだな。どこかのタイミングで「えいや!」と戻さないといけないんです。編集者が一緒になって、中学生・高校生になってしまってはダメなんですよ。
 

▲前のページの“学年誌顔“とは打って変わって、マジメな表情!

——横田さんが覚える危機感は、区分けがはっきりしている学年誌(=学年別学習雑誌)をやっていた影響が大きいのでしょうか。
 
そうだと思います。学年誌をよく知らない人から「最初は『小学一年生』の編集部で、次は『二年生』『三年生』と異動していくんですか?」と聞かれることがあったけど、違うんだよね。私は7年間『二年生』、2年間『五年生』にいました。
 
誌面内容をリセットするということで言うと、『小学二年生』では、4月号を読んでいる時と、翌年の3月号を読んでいる時って、ほぼ1年生とほぼ3年生っていうくらい別物なんだよね。子どもの成長スピードっていうのは、ものすごく早いんです。だから、翌年の3月号の内容のまま4月号に突入してしまうと、新しく雑誌を手に取った新2年生はピンとこない。そりゃそうだよね。だから、学年誌の場合、自分たちの頭をビシッとスタート地点に戻した上で、4月号をつくるわけ。
 
一方で、コロコロには明確に意識を戻さないといけない号っていうのがないから、大変だよね。言い方を変えれば、年齢層が上がっていくリスクが高い。だから、一人ひとりの編集者が、メイン読者である3〜5年生が読めるものに戻す意識を持つ必要がある。
 
——肝に銘じておきます!
 
もう一つ言うと、コロコロってさ、 “男子小学生の集まる場”じゃない? だから、中学進学を控えて、女の子のこととかさ、いろいろなことに興味が出てきた読者を追い掛けていくのは危険なことなんだよね。読者層を引き上げてしまうから。だから、「ラブコメの連載を始めるから、まだコロコロを読んでよ」はやっちゃダメなんだ。「お。キミはもう卒業か。今までありがとうな!」と背中を見送ってあげるのも、コロコロ編集部員の仕事の一つなんだな。
 

イベントはお金で買えないよろこびを編集者に与えてくれる

——学年誌時代の横田さんが、『スーパーマリオくん』の沢田ユキオ先生、『つるピカハゲ丸』ののむらしんぼ先生らと、全国の小学校を回っている写真が編集部のアルバムにあるのですが、あれは何の企画なんでしょうか?
 
それは、学年誌の読者投稿ページですね。マリオくんの沢田ユキオ先生やハゲ丸ののむらしんぼ先生はコロコロだけではなくて、学年誌でも連載していたから。
 
僕ね、9年間、後輩が配属されなかったんですよ。つまり、ずっと下っ端なわけ(笑)。でも、それのいいところは、出張企画を任せてもらえるところです。読者企画はさ、「キミの小学校自慢を教えて!」というテーマがものすごい人気だった。当時はハガキに手書きでさ。もう、一生懸命書いてくれるわけ。「僕たちの学校はリレーが早いです!」なんてハガキが届いたら、「よし、ならオレたち編集部と勝負だ!」と(笑)。
 
で、せっかくだから、その様子を写真に撮って載せちゃおう! なんなら、漫画家さんと一緒に行って、マンガ教室の授業もサプライズでやっちゃおう!! という発想でさ。いやー、楽しかったね(笑)。
 
北海道から沖縄まで、さまざまな地域の子どもたちに会いに行きましたよ。もうね、しんぼちゃんなんて、ノリがいいからすぐに子どもの大人気。
 

 
——子どもにとっても忘れられないでしょうね。当時の読者がこのインタビューを読んでいたら、ぜひ「コロコロ500号カウントダウン企画のハッシュタグ(#コロコロ500号)」で、その時の思い出をつぶやいてほしいものです。
 
そうか、今はSNSがあるよね。当時はハガキだったからさ。ハガキを応募してから、紙面で紹介されたりするまでに1ヵ月近いタイムラグがあるんだけど、ものすごい量のハガキが毎月届いていたなぁ。
 
余談だけど、僕が『小学五年生』をつくっていた頃の編集長は、初代コロコロ編集長の千葉和治さんなんです。千葉さんは、当時、ラジオ世代が自分のハガキをオールナイトニッポンなんかに投稿してさ、自分のハガキは読まれるだろうかと、ドキドキしながら深夜3時頃まで起きているっていう若者の情熱を理解してたわけ。あの勢いやエネルギーを読者と編集部の間にもたらそうと考えていたのが、読者ページの存在なんだよね。
 
モノクロページでたくさんお金の掛かる出張企画なんて、本当なら昔でも許されなかったんだろうけど、読者との交流を大切にした千葉さんならではの判断だったと思っています。
 

▲コロコロ初代編集長・千葉和治さんの活躍は『コロコロ創刊伝説』(のむらしんぼ先生)で読めるぞ!

——コロコロオンラインでの沢田先生とのむら先生の対談でも、読者ページのことが話題に出ていました。
 
ああ、覚えてくれているんだね。うれしいなあ。当時の子どもたちとの出会いが、今も2人の原動力になっているんじゃないかな。
 
この読者投稿ページにしろ、イベントにしろ、コロコロは編集者がステージに立って参加したりするでしょ? 僕の時代には、それを「効率的じゃないからやめろ」と言ってきた人もいるわけ。でもさ、それって違うんだよね。大勢の子どもたちと会って、「おれたちは、こういう子どもたちのために記事や漫画をつくってるんだ」と思わされたもん。
 
それは、決して無駄なお金や時間ではないと思う。1922年に創立した小学館っていうのはさ、学年誌から、その歴史が始まったんだよね。小学生のために何十年も雑誌をつくり続けてきた小学館だからこそできる、お金の使い方なんだと思う。千葉さんのお金の使い方一つに、小学館の哲学というのを感じた瞬間でしたよ。
 
コロコロにとって読者との交流は、お金では代えられないものを、僕たち編集者にもたらしてくれるもの。これからも、ずっと続くといいなと思っています。
 

 

コロコロ500号フェスティバル特集記事はこちら!!

商品概要
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