原作:福徳秀介/絵:北村絵理の絵本『なかよしっぱな』発売記念!ジャルジャル福徳さんスペシャルインタビュー!(前編)


独特の世界観のコントや漫才で、テレビだけにとどまらずYouTubeなど様々な場所で活躍するお笑い芸人・ジャルジャルの福徳秀介さんが絵本の原作としてメジャーデビュー!
 
今回福徳さんが、いとこである絵本作家・北村絵理さんと共作した絵本の名前は『なかよしっぱな』。
 
北村絵理さんが描く心温まるイラストと、福徳さんが書く「ジャルジャルっぽさ」を感じる文が化学反応を起こした『なかよしっぱな』の物語は、ひょんな事がきっかけで始まる。
 

右の鼻の穴は「みぎっぱな」。左の鼻の穴は「ひだりっぱな」。
でも、他の人から見たら「みぎっぱな」は「ひだりっぱな」で、「ひだりっぱな」は「みぎっぱな」なのだ!と、すごいことに気がついたケンタくんの「ひだりっぱな」と「みぎっぱな」は、ケンタくんの鼻をにゅーっと飛び出して、ホントかどうかを確かめに行くことに……。

 
日常にも転がっている様な些細な出来事がきっかけに物語が始まるのは、まさにジャルジャルのコントの世界観を思わせる、引き込む力を感じる内容だ。
 
『なかよしっぱな』のあらすじはこちらへ!
 
左右の鼻の穴のちょっとした冒険を、福徳さんはどの様なきっかけで描いたのだろうか?
 

 

いとこ同士の合作となった絵本『なかよしっぱな』

―――今回、絵本作家としてメジャーデビューという事になりましたが、絵本を書くことになった経緯を教えてください!
 元々はいとこ(北村絵理さん)がめちゃめちゃ絵が上手いって事がきっかけでした。
「1回一緒に絵本を作らへん?」って僕の方から絵理を誘って、実際に作ってみたんです。
 その作品を絵本コンテストに応募したところ、偶然にも大賞を受賞したんです。その時の絵本の名前が『まくらのまーくん』というタイトルで。その流れもあったので、もう1回二人でやってみようかって話になり、今回の『なかよしっぱな』を書くことになりました。
(編集部注:2017年4月、絵本コンテスト「第14回タリーズ ピクチャーズブックアワード」の絵本大賞を受賞。同作品の名義は「ふくとくしゅうすけ」、「きたむらえり」。その後タリーズコーヒージャパンから出版)
 
―――今回もですが、福徳さんが絵本を書くという事に関して、相方の後藤さんはどのように仰っていましたか?
 何も言ってないですね。僕も絵本を書くわ、とも言わず(笑)
 
―――じゃあ後藤さんはまだ知らない……!?
 流石にもう知ってはいるんですけど、特に何も言われてはいないですね。直接コンビの仕事に影響するようなことではないので、これといって話してはいませんね。
 

 
―――今回の『なかよしっぱな』の制作方法についてお聞きします。ジャルジャルさんは普段のネタ作りで、台本作りをされないという事ですが、今回絵本を書かれるにあたって、作画の北村さんとはどんな打合せをされましたか?
 ん~~……打合せ、って言う打合せはあまりしていないんですよ。まず大体のテーマのリクエストを出版社の方からいただいたんです。今回のテーマは「二人組の仲良い感じのお話」というテーマのリクエストだったので、鼻の穴という形で話を書きました。
 あとはこの話を絵理に投げて、絵にしてくださいという感じでした。
 
―――なるほど。お二人は共著者という関係性の前に、いとこ同士でもありますが、どういう会話をされたんですか?
 皆さんのいとこ同士の関係性ってどういう感じかわからないんですけど、男女のいとこ同士って事もあって、中学生、高校生ぐらいからはあんまり喋らなくなっていって。親戚同士の集まりでもあまり喋る訳でもなく、妙な距離感というが恥ずかしさがあるんですよね。
 なので、基本的にはLINEで連絡をとってます。ちょっと照れるような距離感というか、いざ喋るってなっても何喋っていいかわからない(笑)
 
―――作品を読ませていただいて、鼻の穴をコンビとして見立てた着眼点はすごいキャッチーで素晴らしいと思いました。一方で、本当はどちらが右でどちらが左で、みたいなある種哲学的なテーマも感じられ、勝手ながらジャルジャルさんのネタの雰囲気が出てるように感じました。
 そうですね。自然と出ていましたね。書いている時に特に意識していた訳じゃないんですけど、後から冷静になって読んでみたら、僕から見ても「ちょっと似ているな」みたいな感じはしていました。
 

 
―――今回のテーマである、「二人の左右はどっち?」というのは芸人さんの立ち位置にも繋がる話だと思います。ジャルジャルさんのコンビとしての立ち位置は、福徳さんが向かって右、後藤さんが向かって左ですが、これはどの様に決まったんですか?
 これは本当に自然現象ですね。多分、1番最初のネタ合わせの時に自然と今の立ち位置になったんです。立ち位置に関して、話し合いは1回もしていないと思います。
 あ、けど今思い出したんですが、僕たちは高校時代ラグビー部で一緒だったんですけど、思い返してみると部室での並びが隣同士だったんです。今思えばその時の部室での並びがそうだったから………
 いや、ちがうな、部室の時の並びは今と左右逆でした(笑)なのでやっぱり自然発生ですね。
 
―――結局真相は謎ですね(笑)自然発生した立ち位置という事なら、例えば左右を入れ替えて漫才しても自然に出来るんじゃないですか?
 あぁ~それはもう気持ち悪いでしょうね! やはり人の顔って左から見るのと右から見るのでは全然ちゃうと思うんです。こう見たらちょっとちゃうく見えるやろなって。
 僕らはコントもやるんで、立ち位置変わることもあるんですが、基本はやっぱり僕が左で、後藤が右なんで、気持ち悪いと思います。
 ロケで町ブラしている時に逆になると気持ち悪いから、「あれなんや?」って言いながらさりげなくスイッチするみたいなこともありますね。
 

 

活躍の場をYouTubeにも広げる中での絵本への挑戦

―――ジャルジャルさんは現在、テレビだけにとどまらずYouTubeでも勢いがありますが、活躍の場を広げようという意識は持っているんですか?
 ジャルジャルにとっては、ネタをやれる環境を整えるっていうのが最大のテーマなんです。そういう意味で言うと、YouTubeが僕らにとって今最大のパフォーマンスできる場所だと思っています。
 
――そういった中での絵本へのチャレンジは、それも新たな活躍の場所を作ろうという意識があったんですか?
 今回の絵本に関しては、あんまりチャレンジという意識はなかったですね。なんて言っていいかわかんないですけど。ネタはネタで、自分ら的には今しっかりとやれていると思っています。1個もサボってる意識もないし、本気で取り組んでるんで。ただ、ネタが出来る場所が上手く回っているからこそ、自然と新しいことも出来たと言うか。
 
―――忙しいスケジュールの中、うまく時間を作れているのがすごいと思います。絵本に関しては、芸人さんとしての仕事環境が整っている今だからこそ出来たという事でしょうか?
 そうですね。ネタできる環境が整ってなかったら絵本は書いてなかったと思います。ネタできる環境が整って、自分らの場所っていうか、ライブとYouTubeっていうのができたので、だからこそやっているのかもしれないです。
 
―――それではこれからは更にいろんなチャレンジが期待できそうですね!現在他に何かチャレンジしたり、新たな場を作ろうという構想はあるんですか?
 そうですね。ネタできる環境をどんどん整えていき、ライブもどんどんいいものにしていき、集客も増やしていき、なおかつ絵本もやったり小説書いたりが出来ていけたらな、と思っています。
 

 
―――ジャルジャルさんと言えば、海外でのライブへの挑戦なども印象深いですが、今改めてチャレンジを考えたりは?
 海外もいま視野にいれて、来年とかに出来たらっていう打ち合わせを始めています。
 7、8年前にロンドンなどで何回か単独ライブをしてたんですが、今思えばその時はただ単に単独ライブしているだけ、という感じでした。
 それが今は違う形で、ただ単にコントするんじゃなくて、コントすることによって作品が生まれるみたいな。そういうのを重ねて、今では海外の方が喜びそうなパフォーマンスに変えてやっています。
 
―――どんどん進化しているんですね。進化していく感じがスピード上がったのもYouTubeっていう場が出来た事は大きかったですか?
 YouTubeって場がまぁ大きいですし、あとは構成作家の倉本美津留さんと一緒にライブをすることも大きかったです。そこでまた視野が広がった気がします。
 
―――倉本さんが参加されるまでは、ジャルジャルのお二人だけの世界だったんですか?
 一応作家も交えてやってたんですけど、僕らが考えたことに作家さんが一緒に味付けしてもらうって感じでした。倉本さんの場合は味付けの仕方そのものが違うというか…根こそぎ変えてきたりするんで、それが僕ら的にはとても新鮮やったんです。
 
―――ジャルジャルさんはネタに対して、言葉を選ばずに言うと「尖ってらっしゃる」イメージがあったんですが、「他の人の味付けで根こそぎ変わる」みたいな事を受け入れられたんですか?
 そもそも僕ら、「このネタやれない」みたいな事を言うわけではないんです。若手の頃に誤解が生まれる事件があって。
 僕らが尖っていた頃……まぁ結局今も尖っちゃってるんですけど(笑)若手ぐらいの頃にユニットコントの作家さんが書いてくれたネタがほんまに意味が分からなかった事があったんです。おもろい・おもんないの前に、つじつまが合ってなかったんです。ただ単におもんなかったらまだ良かったんです。でも、つじつまが合ってないからそもそも訳が分からないコントだったんです。
 例えばですけど、舞台設定が最初は飲食店だったのに、途中から急に本屋になっているみたいな(笑)。流石に矛盾した内容でコントするのは難しいと、そういうこと言ったら噂が広がって「ジャルジャルは尖っているから台本通りにはやってくれへんよ」、「自分らが書いたネタしかやってくれへんよ」みたいな感じになってしまって(笑)僕らは実際そんなことは全くなくて面白かったらやるんで。
 
―――なるほど、そんなエピソードがあったんですね…!実は今日インタビューするのが少し怖かったんです。と言うのも、以前番組でジャルジャルさんが「昔インタビューに対して全て嘘で答えていた」というエピソードを聞いた事があったので。実はそんな風に尖っているというのは誤解だったんですね?
 あれは事実です。あの頃は嘘つきまくってました。けど今日のインタビューは一個も嘘ついてないです!嘘つきたい時期はもう過ぎました!昔は確かにインタビューで嘘ついてましたね。毎回インタビューの度にどんな嘘ついてやろうって思ってましたもん。
 
―――尖りまくりじゃないですか!! 今回の『なかよしっぱな』については嘘なしでお願いしますね!
 

 
次回は、『なかよしっぱな』を書く上で振り返ってもらった福徳さんの意外なルーツについて聞いて行くぞ!
 

商品概要
絵本『なかよしっぱな』
発売日:2019年11月22日(金)
価格:1,100円+税
詳細:https://www.shogakukan.co.jp/books/09725306
【著者紹介】
福徳秀介(フクトク/シュウスケ) 文
1983年生まれ。同じ高校のラグビー部だった後藤と、2003 年にお笑いコンビ「ジャルジャル」を 結成。独特の世界観で人気を博し、TV・ラジオ・舞台等で活躍。M-1 グランプリやキングオブコント の常連。YouTubeではコント動画を毎日配信している。2016 年から福徳単独の活動として、絵本 の文筆も始める。独特のワードセンスで紡ぐストーリーは、リズミカルでユーモアたっぷり。北村絵 理氏との共作『まくらのまーくん』は第14回タリーズピクチャーブックアワード大賞を受賞した。
北村絵理(キタムラ/エリ) 絵
1982年生まれ。梅花女子大学児童文学科卒業。絵本作家・イラストレーター。子どものころから 絵を描くのが好きで、大学でも絵本作りを学ぶ。いとこの福徳と「一緒に絵本を作ろう」と盛り 上がり、2017年、共作「まくらのまーくん」で、第14回タリーズピクチャーブックアワード大賞受 賞。関西在住、お笑い好きで、親しみのあるイラストの中に、どこかユーモラスなセンスが光る。