ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.47 ~真実を覆す神託者コンボ~


 
By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
 
いよいよ今週末には2020年最初の国内大型イベントであるマジックフェスト・名古屋2020が開催されますね。今回のマジックフェストでは、昨シーズンまでのミシックチャンピオンシップに相当する招待制イベントのプレイヤーズツアー#1(名古屋)も同時開催されるようになっています。
 


 
これらのトーナメントでプレイされるフォーマットこそ、現在人気沸騰中の新フォーマット「パイオニア」です。なんと公式生放送では『コロコロオンライン』でも記事を連載中まつがんさんが解説として出演するそうな。全国10万人のマジックファン、そして100万人のまつがんファンにとって視聴必至の超プレミアムな放送となりそうです。
 
また、私事ではありますが、僕もカバレージチームとして参加します。当日は現地からマッチカバレージやインタビューなどの記事をお届けして参りますので、ぜひそちらもお楽しみに!
 
そんなわけで現在スタンダード以上の盛り上がりを見せているパイオニア。このフォーマットで、『テーロス還魂記』発売後の現在どのようなデッキが活躍しているのか、さっそく見ていきましょう!

MTGO Pioneer Showcase Challenge 1/27

先日Magic Online上で開催されたトーナメント、「MTGO Pioneer Showcase Challenge」(※リンク先は外部サイト・英語)では、プレイヤーズツアーやグランプリを控える世界中のプレイヤーがしのぎを削っていました。
 
上位には依然として黒単アグロや白青コントロールといったデッキが食い込んでいますが、『テーロス還魂記』リリースによって新たに生まれたアーキタイプや強化されたデッキもあります。特に青黒コントロールは、新カード《タッサの神託者》という手軽な価値手段を得たことで強化されているようです。
 

青黒コントロール(使用者:Daniel_Garcia選手)
枚数 カード名(メインボード)
2 《欺瞞の神殿》
4 《湿った墓》
4 《島》
4 《異臭の池》
4 《水没した地下墓地》
3 《廃墟の地》
2 《沼》
1 《ロークスワイン城》
1 《ヴァントレス城》
4 《真実を覆すもの》
4 《タッサの神託者》
4 《選択》
4 《致命的な一押し》
4 《思考囲い》
4 《発見 // 発散》
3 《神秘を操る者、ジェイス》
3 《時を越えた探索》
2 《集団的蛮行》
2 《残忍な切断》
1 《バントゥ最後の算段》
枚数 カード名(サイドボード)
2 《夢を引き裂く者、アショク》
1 《龍王シルムガル》
2 《強迫》
2 《否認》
2 《害悪な掌握》
2 《漂流自我》
2 《冷気の疾風》
2 《バントゥ最後の算段》

こちらは7位に入賞していたデッキリスト。除去と手札破壊によって相手の歩みを遅らせながら、一撃必殺のコンボを決めるデッキです。

▲《真実を覆すもの》
▲《タッサの神託者》

《真実を覆す者》+《タッサの神託者》は『テーロス還魂記』のカードプレビュー時期から話題になっていたコンボです。《真実を覆す者》の能力は分かりやすく言うと「ライブラリーが(ほとんど)なくなる」というもので、《タッサの神託者》は「墓地の枚数がX枚以下なら勝利する」というもの。このXの値は可変の値ですが、このデッキでは概ね2。つまり、《真実を覆す者》でライブラリーを2枚以下にすることで勝利することができるというわけです。

▲《時を超えた探索》
▲《残忍な切断》

そのためのアプローチとして、このデッキでは「探査」を持った呪文が複数枚採用されています。ただ強カードであり、コンボパーツを揃えるための潤滑油としても機能する《時を超えた探索》はもちろん、《残忍な切断》は素撃ちも現実的なマナコストで、かつ墓地の枚数を減らせるため《真実を覆す者》が戦場に出たときのインパクトを高めることができます。
 
また、《タッサの神託者》は能力が誘発した際にスタックで除去されてしまうと(信心が0になってしまうため)弱いという弱点を持っていますが、《神秘を操る者、ジェイス》は追加の価値手段としてその弱点をカバーすることができます。プレインズウォーカーなので除去されにくいのもポイントで、《真実を覆す者》が出た後ならお手軽に勝てるというのも《タッサの神託者》と同様の性質と言えます。

▲《神秘を操る者、ジェイス》

これまで残念レアだった《真実を覆す者》が、『テーロス還魂記』で新カードが登場したことで日の目を浴びるようになるというのはマジックのおもしろいところの一つです。まだ発見されていないだけで、もしかすると他にも『テーロス還魂記』のカードを使った新シナジーが眠っているかもしれませんね。
 

 

ライター:ドブフクロウ

青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

次回更新は2020年2/5(水)更新!!

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