<オトナゲーム>『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』は、史上もっとも美しく、容赦のないゲームだ


※この記事には18歳以上のみが対象のゲーム情報が含まれています。対象年齢に満たない方には、プレイをお控えいただく表現が含まれたゲームであることをご理解いただき、記事閲覧の可否を決定ください。
 

史上最高レベルの映像美

ゲームにおける表現の美しさには、いろいろなパターンがあると思う。
 
流れるようなアニメーションの美しさに目を惹かれるタイトルもあれば、精緻に描き込まれたドット絵を見て「美しい!」と思うことも少なくはない。そのゲームのコンセプトに沿って映像を極めて行くことは、初代プレイステーションの時代から追い求められていたクリエイターの“業”みたいなもので、ハードの進化とともに「上に、上に……!」と極められてきたと感じる。
 
なかでも、写実的な表現については、近年のトリプルAクラスのプレイステーション4用ソフトにより、ついに限界点にまで達したと思っていた。
 
現行の家庭用ゲーム機の映像表現で、掘れる鉱脈は残されていないな
 
そう確信できるほどに。
 
ところが……。
 
レビュー用のソフトを借り、そのゲームを数時間遊んだところで、俺はとんでもない勘違いをしていたことに気付く。その圧倒的な映像美を前にたたずみ、半ば唖然とした表情でつぶやいてしまったのだ。
 
掘り尽くされてなかったのか……! プレイステーション4の映像表現って……まだまだ先があったのかよ!!
 
断言する。
 
7月17日にソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売予定のプレイステーション4用ソフト『Ghost of Tsushima(ゴーストオブ ツシマ)』は、俺が知る限り、家庭用ゲーム機用ソフトとして“史上最高の映像美”を実現したタイトルであると。
 

そして--。
 
圧倒的に凄惨かつ容赦のない“リアル”を描いた作品としても、間違いなくプレイステーションの歴史に残るタイトルであることも明言しておきたい。
 

グラフィックだけじゃない!

『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』は、その成り立ちも非常にユニークなタイトルである。
 
日本の対馬、そして“元寇”(日本の教科書では必ず明記されている、鎌倉時代中期に起こったモンゴル帝国における日本侵攻)がテーマのオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー……なのだが、開発は『inFAMOUS(インファマス)』シリーズで知られるアメリカの“サッカーパンチスタジオ”で、要するに“日本が舞台でありながら、日本の開発会社が手掛けた作品ではない”のである。
 
でありながら、この究極に美しい映像から迸る日本の雰囲気……いや空気感はどうしたことだ。いやもちろん、その国の人間でなければその国の風景は描けない……なんて言うつもりはないが、広大な世界に置かれた草木の1本1本に至るまで“”のイメージがしみ込んでいて、どの景色を切り取っても、
 
ここは……うん、間違いなく日本だな
 
と確信してしまう自分に驚く。木漏れ日が射し込む森や豪華な神社仏閣、さびれた漁村、瀟洒な温泉など、そこかしこで見かける風景もすべて“彼の日の日本”を絶妙に描き切ったもので、
 
この開発者たちは……どれだけ熱心に、日本の歴史と風景をリサーチしたんだろう……!
 
と感動させられるレベルなのだ。
 

と、あまりにもグラフィックがすばらしいのでそのことにばかり言及してしまうけど、“プレイ”のほうも『Ghost of Tsushima(ゴーストオブ ツシマ)』は極まっている
 
日本の時代劇の大ファンという開発陣が突き詰めた、“侍+日本刀”による一撃必殺の緊張感
 

ガチャプレイでもなんとかならなくはないけど、相手の攻撃をかわし、受け流し、少ない体捌きで致命傷を与えることに重きを置いたアクションは、プレイヤーに、
 
もっとうまくなりたい! もっと華麗に立ち回りたい!
 
という欲求を喚起する。
 

 
そして、最初は凄惨な映像表現に目を奪われがちになるが、ゲームではなかなか実現できなかった“やられずに、やる”という真剣勝負の現実を、ここまで見事に描き切っていることに感動すら覚えてしまう
 

ただ残酷なだけではなく、“生きる手段としての戦い”を究極に表現したゲームとして、『Ghost of Tsushima(ゴーストオブ ツシマ)』は長く語り継がれるに違いない。それくらい、このゲームのアクションは際立っているのだ。
 

風の表現に脱帽

そしてもうひとつ、特筆しておきたいのが、“自然との調和”を完璧に表現していることだ。
 
なかでも瞠目してしまったのが“風”の使い方。
 
こういったオープンワールドのゲームは、未到達の場所を散策したり、クエストの目的地を目指したり……という“移動”が頻繁に行われることになる。その際、多くのゲームが目的地に向けた導きとして、ミニマップを表示したり、もっとわかりやすく道にマーカーが引かれたりするけど、それら“ゲーム的な表現”を見て現実世界に引き戻された経験がある人は……少なくないと思う。
 
この点においても、『Ghost of Tsushima(ゴーストオブ ツシマ)』の処理は感動的だ。
 
目的地がわからなくなったら、DUALSHOCK 4のアナログパッド部をそっとなぞるのである。すると……!
 

主人公・境井仁(さかいじん)の周囲を一陣の風が吹き抜け、目指すべき場所を教えてくれるのだ。シラケる要素になりがちなデジタルな見せ方を極力排除し、自然との調和、環境との融合を追及したこの仕様……! 風の表現の美しさも相まって、シミジミと、
 
やっぱこのゲーム、史上最高に美しいわ……
 
そう確信した次第だ。
 

テーマがテーマだけあって、『Ghost of Tsushima(ゴーストオブ ツシマ)』には、同じオープンワールドの『龍が如く』や『レッド・デッド・リデンプション』に見るような、どこかコミカルな“おかしみ”といったものは、いっさい持ち合わせていない(風呂に入るときに、主人公が尻を出すときくらいか)。
 
どこまでも硬派に、頑ななまでに仁を貫く侍の生き様を、プレイステーション4の集大成として堪能してほしい。

商品概要
『Ghost of Tsushima』
 

・ジャンル:オープンワールド時代劇アクションアドベンチャー
・対応機種:PlayStation 4、PlayStation 4 Pro
・発売予定日:2020年7月17日(金)
・価格:
■通常版
パッケージ希望小売価格: 6,900円+税
ダウンロード販売価格: 7,590円(税込)
 
■デジタルデラックスエディション
販売価格: 8,690 円(税込)
 
・CERO:Z (18才以上のみ対象)
 
・公式サイト:
https://www.playstation.com/ja-jp/games/ghost-of-tsushima-ps4/
 
・公式ハッシュタグ:
#GhostofTsushima

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