11月20日、映画『STAND BY ME ドラえもん2』が公開される! コロコロオンラインでは、映画の封切りを記念した特集企画を実施するぞ! 八木・山崎両監督をはじめ、声優陣のみなさんや主題歌を歌う菅田将暉さんの独占スペシャルインタビューを掲載!! コロコロオンラインだけのインタビュー内容が盛りだくさんだぜ!!
コロナ前の当たり前だった日常が描かれた作品
――『STAND BY ME ドラえもん2』の公開、おめでとうございます! 本作は、新型コロナウイルスの影響で公開が夏から11月へと変更になりましたが、無事公開にたどり着いた現在のお気持ちを聞かせてください!
まさか夏から冬に公開が延期するとは、制作中は思っていなかったよね。
そうそう。当たり前の日常だったものが、今では日常ではなくなってしまった。電車ではみんながマスクをして、取材ではこうして間を遮るようにパーテーションが立っている。驚きですよね。そういう意味では、『STAND BY ME ドラえもん2』という作品のなかには、以前の僕らが“日常“だと思っていた世界があります。
映画って、“スクリーンのなかに憧れるメディア”だと思うんです。『STAND BY ME ドラえもん2』の未来の世界の描写を見た人たちが、「(今はコロナ禍で先が見えない状態だけれど)こういう世界になってほしいな、こういう世界を目指したいな」と思ってもらえるようなものになればいいなと感じています。
――本当にそうですね……! 劇中では、何度か手をつなぐシーンが出てきますが、これは意識的に描写したものでしょうか。
「気持ちがつながる」「思いがつながる」ということを、視覚的にわかりやすく伝えようとしたものです。
――手と手が重なる描写に、触れ合うことの大切さを感じました。考えようによっては、手をつなぐことさえも難しいご時世じゃないですか。
コロナの前に出来上がっていたシーンではありますが、コロナによって、思いのつながりが強調された感じはありますね。
▲今作に何度も登場する手をつなぐシーン
「のび太が、逃げた」その理由とは?
――今作は、原作の「おばあちゃんの思い出」など、複数のエピソードから物語を構築しています。ピックアップするエピソードはどのように選んだのでしょうか。
まずは「おばあちゃんの思い出」をやりたい、という思いが強くありました。ただ、同エピソードを核にしたプロットがなかなかできあがらなかったんです。そこで、改めて原作を読んでみると、おばあちゃんの「のびちゃんのお嫁さんが見たくなっちゃったよ」というセリフに目が留まりました。
――今作では、のび太としずかちゃんの結婚式が重要なエピソードになっていますね。
そうなんです。ただ、最初から結婚式を描こうと思っていたわけではなくて、原作のおばあちゃんのセリフから「これは広げられるぞ」と。同時に、「おれ、もっとちゃんと読めよ!」とも思いましたけど(笑)。
▲時間になっても現れないのび太に連絡を取るジャイアンとスネ夫
――予告編を見るとわかるように、のび太が結婚式から逃げるという、衝撃的というか、非常にのび太らしい展開になっていますが……!
のび太が逃げるというアイデアは、プロデューサーの一人から出たものなんです。幸せすぎて逃げちゃうっていう。すごい、のび太っぽいですよね。
僕、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』がすごく好きなんです。1作目のクライマックスの裏で、実はこんな大変なことが起きていた、っていう。前作の『STAND BY ME ドラえもん』では、のび太の結婚前夜を描きましたが、実はその裏では大変なドタバタがあって……というのが、『STAND BY ME ドラえもん2』です。
結婚前夜までは原作でも描かれていますが、大変なドタバタのなかで大人ののび太が何かを学び、本当の意味でしずかちゃんと結婚する、という話をしたいなと思いながら物語をつくりました。
F先生ファン必見の“一瞬”とは!?
――今回の物語はタイムマシンで過去・現在・未来を行き来するのですが、決して複雑になりすぎず、後で「あの場面は、そういうことだったのか」とハッとするおもしろさがありました。特にタマシイム・マシンの使い方が秀逸で! でも、多くは語れないですね、ネタバレになってしまう……!
ネタバレにならない話をしますと、僕ね、『Fライフ』っていう雑誌の取材で、「一番好きなひみつ道具はなんですか?」と聞かれて、タマシイム・マシンって答えているんですよ。それを読んで、山崎監督が入れてくれたのかなって思ったんですけど……。
そんな忖度(そんたく)はしません(笑)。ストーリー上、必要だったんですよ!
しかもね、「一番好きな話はなんですか?」と聞かれて「僕の生まれた日」って答えているんですよ。それも入ってる! でも、ただの偶然だった(笑)。
八木監督が好きだからって、無理矢理ストーリーに入れません(笑)。
まあ、それは冗談として(笑)、自分の好きな話やひみつ道具が出てくるので、とても気持ちを込めて制作できたというのはあります。
▲おちゃめな発言をする八木監督!
――制作陣の愛を随所に感じる作品になっていますよね。個人的には、藤子・F・不二雄先生の『●●●●●●●』の●●さん(※ネタバレ厳禁のため伏せ字)が出てきたシーンにビックリしました!
1カットだけ出てくる、あの方ですね!
藤子先生のファンの方は、そのシーンのラーメン店の名前にも注目してくださればと思います。あとは、前作には『パーマン』のすみれちゃんが出てきています。すみれちゃんは、今回もひっそり出ていたのに気付きましたか?
――なんと! 気付きませんでした……!
押し入れに注目です! 実は……(※ネタバレのため省略)。
――うわぁ〜〜、絶対にもう1回観に行きます!!!! 一体、何回観ればすべての小ネタに気付けるのか……!!
作品概要
映画『STAND BY ME ドラえもん2』
■公開日:2020年11月20日(金)
■公式サイト: https://doraemon-3d.com/pc.html
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