【角満のエルデンリングプレイ日記15】マルギットを超えるために

トライ&エラーしかない……!

 男も50歳ともなると、あからさまに敵意をムキ出しにした、敵というかライバルというか目の上のたん瘤というか……とにかく、明らかに敵対する存在ってのがまわりから消えていくものでしてね。まあ、人によるとは思うけど。

 俺はあまり興味がなかったけど、サラリーマン社会においては“出世争い”がいい例だろうな。なかには、自分がのし上がりたいがためにライバルとなる人物のあることないことを役員に吹き込んで、蹴落とそうとするヤツもいる……という話を聞いたことがある。まあそういう小ズルイ奴は馬脚を出すのも早いので、気が付いたときには立場を失くして消えていったりしたけど……って、俺は何の話をしているんでしょうかwww

 そういう意味では(どういう意味だ)、このストームヴィル城で立ち塞がった“忌み鬼 マルギット”は、俺にとってはひさびさに現れた“敵対者”であった。

 「絶対にここで蹴落とすッ!! ふるいに掛けて、退場させちゃる!!!

 というギラギラの殺意をもって通せんぼする様は、ある種すがすがしさを感じさせるほどわかりやすいものであった。

 そう、マルギットは『エルデンリング』の序盤における“選別者”なのだ。

 その後に待ち受けるあまたの苦難に立ち向かえる人材を、ここで選び抜こうとしているのであるよ。

 しかし、前回の日記で書いた通り、

 俺は最初の挑戦でものの見事に玉砕し、出直しを余儀なくされてしまう。

 それも、

 「お、惜しい!!! あとちょっと……! ほんのちょっと運気がこっちに傾いていれば、倒すことができたのに!!!><

 と、悔し涙に暮れる……には遠く及ばず

 「うはwww またちんだwwww こりゃアカンwwww 自分が弱すぎて笑えてきたwwww

 なんて、あきれ果てて笑いが止まらなくなるレベル……w

 怒りや悲しみは、ある程度肉薄できたからこそ感じられる特権みたいな感情だと、俺はこのときに気付かされたのであります(苦笑)。

 というわけで、出直しだ。

 マルギットを倒すには明らかに“何か”が足らないので、それを求めてリムグレイブのアチコチを旅してみようではないか。

 そんなことを考えていたとき、俺は↓この場所に招待される。

 そう、“円卓”だ。

 不戦の約定により“基本的に”(意味深)戦いからは切り離された場所で、ここではパワーアップに直結する買い物や、鍛冶屋で武器のチューニングなんかもできてしまう。

 「なるほど……! そういうことか……!!

 選ばれし者がたどり着ける円卓に招待されたことで、消えかけていた俺の矜持に再び火が入った。

 おそらく……この場所に、マルギットを倒すための“何か”があるのだろう!! それをもってすれば、あんな序盤のボスキャラなんて、瞬時に消滅させられるに違いないぞ!!!

 「くくく……!!ww そうかそうか!! ここだったんだな!!!www

 ぜんぜんここじゃないし、そもそもどこかに行けたからって強くなれるわけじゃないんだけど、円卓が持つ一種独特な雰囲気は心を鼓舞するのに十分だったし、何より……!

 このフィアっていう美女が、“帳の恩寵”とかいういいものをくれたんだけど!!!www

 「何に使うのかよくわからんけど、とにかく恩寵きたぁぁぁあああ!!!www

 すごくもったいぶった感じで授けてくれたので、使用したらとてつもない力をもたらしてくれるに違いない。

 「よし!!! 足りない何かを手に入れることができたぞ!!ww 帳の恩寵を使って、マルギットのおっさんを屠り去ってくれるわ!!!www」

 じっくりと旅をして強くなろう……という当初の方針を1秒で忘れて、俺はレベル14のヘロヘロ勇者のまま再びマルギットの前に立ってしまった(苦笑)。帳の恩寵を使いさえすれば、とてつもない超人に変身できることを夢想して……。

 しかし……((゚Д゚;))

 「と、とば……」

 「り、の……((゚Д゚;))」

 「おんちょぉぉおおおおお!!?!? ( ̄[] ̄;)!! ぜんぜん前と変わんねぇぇぇええええ!!!!><

 まあ、そりゃそうだわな……w

 この敗北を受けてようやく、俺はマジメに各地を放浪して“自分磨き”をしていくことを決めるのである^^;

 何度も書いてきた通り、『エルデンリング』というゲームは本当に自由に、好きな場所から調査・冒険することができるので、強くなる手段も完全にプレイヤーの裁量に任せられていると言っていい。人によっては、序盤にめちゃくちゃ強い武器を発見するかもしれないし、もしかしたら戦局を支配するような“戦灰”を手に入れるかもしれない。そこで得られた“何か”を使用するためにビルドを決めて、それをベースにキャラの育成に拍車が掛っていくことも十分考えられる。

 各地の放浪は、キャラを育てるためのきっかけを見つける旅と言っても過言ではなく、徐々に充実していくプレイ環境を頼もしく眺めながら、

 さらなる“何か”を求めて、俺は荒野を彷徨い続けた。

 ……その結果、最終的にたどり着いたマルギット攻略法は、とっくの昔に手に入れていた“アレ”を活用しての立ち回りになるんだけど……w

 続く!

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『ELDEN RING』公式サイト:
https://www.eldenring.jp/

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