【あつ森】『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第740回 ももことアメカジのノスタルジー(2)

記事タイトルの意味

 前回から、ルナステラ島の古株である元気タイプのももこの別荘を作り始めている。

 そのテーマは意外や意外、

 “ももこのアメリカンスタイル”

 という、なかなかハードボイルドにしてシニカル(でもないかw)なもの。

 ももこは元気タイプということで、「将来はキラキラのアイドルになるの! なのよ!」と、じつに女の子っぽい主張をしてくる住民。よって、別荘に求める要素も、

 「ピンクの花で飾ってほしいの! なのよ!」

 とか、

 「大きなぬいぐるみに囲まれた部屋がいいな! なのよ!」

 ↑このような、ガーリーなテーマが設定されるとばかり思っていたので、いい意味で期待を裏切られた感じがしたわ。

 「それにしても、アメリカンスタイルかぁ……」

 思わず、ひとりごちてしまった俺。それには、ちょっとした理由があったりする。

 今回のシリーズの記事タイトルは“ももことアメカジのノスタルジー”としたんだけど、じつはコレに紐づく“アメカジ(アメリカンカジュアルスタイル)”を題材にしたエッセイを、大昔に書いたことがある。たぶん、自著のどこかに収録されていると思うんだけど、俺の幼馴染が地元の群馬でヘアサロンを開店することになって、そのオープン記念に何か贈ろうという話を別の幼馴染と詰めていった……という内容だ。そして、そのエッセイのタイトルこそが、“焚火とアメカジのノスタルジー”だったのである。

 ももこの別荘とはまったく関係のない話なんだけど、アメカジというテーマが共通しているのと、いま読み返したら旅立ちの季節である春にピッタリな内容だったので、ここに引用(というかコピペ)したいと思う。そんなに長くないので、少々お付き合いください。

◆◆◆

【焚火とアメカジのノスタルジー】

 今日のように天気がいい日に駅のホームに立っていると、都内に向かう上り電車ではなく、田舎に向かう下りの電車に乗ってしまいたくなる。読む人が読んだら「……角満のヤツ、ダイジョブか??」と心配されるかもしれないが、こういうことってよくあると思うのよ。

 とくに俺の場合、高崎線の下りの電車に乗ると生まれ故郷の群馬に行けてしまう……というのが大きい気がする。電車に乗らなくても、この線路をひたすら辿っていけば故郷にたどり着けるという事実が、どうしても郷愁を刺激するのかもしれない。さらに、ものの本によると2011年のキーワードは”ノスタルジー”らしいので、それが刷り込まれた脳ミソはどうしても田舎回帰のモードになってしまうのかもしれぬ。なので今回は、少々ノスタルジックなことを書く。

 昨年の12月半ば、小学校から高校を卒業するまで何をするにもいっしょにいたYという親友から1通のメールが届いた。ぶっきらぼうなYらしい、非常に簡潔な内容だった。

 「おまえ、年末こっちに帰ってくんのか?」

 このメールに対し、「おう、たぶんな」とたったの7文字で返す。ヤツとのメールでのやりとりは、いつもこんなものなのだ。すると数分後に、Yからもう1通のメールが。そこにはこんなことが書かれていた。

 「この10月にAのヤツが理容師として独立して、店を持ったんだわ。なので何か贈ろうかなと。それに、おまえも乗らん?」

 Aというのは、Yと並ぶ俺の幼馴染だ。小中学校時代、俺たち3人はつねに行動をともにし、いいことも悪いことも手を携えていっしょにやっていた間柄である。

 しかし多くの人がそうであるように、高校を卒業してそれぞれがまったく違う道に歩み出して以降、共有する時間は目に見えて減っていく。とくに俺は、18歳で群馬を飛び出して以来一度も故郷に腰を落ち着けていないので(YはUターン組)、ずっと群馬にいたAとはここ20年で数えるほどしか(ホントに3、4回ではないだろうか)会ったことがない。Yとは、バイクという共通の趣味があったのでたまにツーリングに行ったりもしたが、それでも昔ほど気安く、「何をするのもいっしょ!」ってわけにはいかない。そもそもこんなことを考えるのも、たまに届くメールを見たときか、実家に帰って噂好きのお袋から同級生連中の近況を聞かされたときくらいのもの。大人になるってことは、少年時代の美しい思い出をつぎつぎと塩漬けにしていくようなものだ……なんて誰も言っていないが(しかも意味不明)、ひーこら言いながら齷齪する日常をどうにか乗り越えている田舎出身のおっさんは、故郷のことや幼馴染のことをそうそう簡単には思い出せないのである。

 そんな俺の元に届いたYからのメールは、塩漬けの思い出を引っ張り出すための格好のスイッチとなる。

 (そうか……。Aのやつ、念願の独立を果たしたのか)

 いがぐり坊主の頭でニカニカと笑う、中学時代のAの顔が脳裏に閃く。床屋さんのせがれであるAは当時から将来が約束されていたようなものだったが、彼の口から「将来は家を継ぎたい」なんて台詞は聞いた覚えがない。なのできっと、理容師になり、独立にこぎつけるまでにはさまざまな紆余曲折があったと思うが、中学卒業以降のAのことを俺はほどんど知らないので、そのカケラすら想像することができない。それはそれで寂しいことではあったが、これもきっと、歳を取って前へ進んできた代償のひとつなのだろう。

 Yのメールには、オープンしたばかりのAの店の外観と、店内の写真が添えられていた。外も中もレトロなアメカジ風のデザインに統一された、なかなかオシャレな床屋さんである。

 「いかにも、Aの店っぽいだろ(笑)」

 とY。俺も、その写真を見て小さく笑った。小学校のときから、ちょっとスカした大人びた趣味をしていたAらしいデザインだと思ったからだ。「歳を食っても、変わらないところは変わらないモンだな」。俺は小さくつぶやいた。

 そしてYには、「その話、乗った! しかし何を贈ればいいんだ?」と返事。するとYから速攻で、つぎのようなメールが届いた。

 「それも考えてもらおうかと。あと、調達も。なにしろ群馬には、ロクなものがない」

 人を小バカにしたようなこいつの言いようも、ガキのころから少しも変わらねえな……(苦笑)。

 少年時代と同じようにこいつらと焚き火を囲んで、ゆっくりと酒でも酌み交わしたいものだ。

◆◆◆

 これを読んだらますます、ももこの別荘を完璧なアメカジ風スタイルに仕上げたくなってきた。よ~~~し、気合を入れてレイアウトを始めるかな!!

 さて、まずは初期配置だ。

 彼女のマストアイテムは(最初のスクショ参照w)、大きなネオン看板とジュークボックス、そして……これはミートパイかな? ペーターのときと違って、ネオン看板とジュークボックスが格好のランドマークになってくれると思うので、かなり早くデザインがまとまるかもしれないぞ^^

 ……と、思ったのも束の間。

 先の3つのアイテムを設置しつつ、初期配置を行っていったんだけど……!

 ぬう……。

 雰囲気は悪くないんだけど……なんか妙に雑然としていて、落ち着きがない感じ……w

 まあ、質実剛健にピシッとまとまっていたら、それはそれで違うと感じると思うんだけど、“雑然”と“美”を共存させようとすると、めちゃくちゃハードルが上がるかもしれんな……。

 自由なレイアウトを楽しめそうだな……なんて、軽い気持ちで始めたアメカジスタイルだが、ここから思わぬ苦戦を強いられることになる。

 第2段階のスクショが↓こちらなんだけど……。

 この中で許せるの……フローリングの床とネオン看板だけって気が……(((( ;゚Д゚)))

 いやでも!! まだ小物が置かれていないので、それらを配置していけば……!!

 がら~~~ん……w

 な、なんか違う……。これはいったい、何が足らないんだ……??

 ……あ!!w わかった!! これは明らかに、ゴチャゴチャ感が足りないんだな!!!ww 理路整然とさせず、もっといろんなモノをバラ撒いてしまえばええんや!!!

 そう確信して、

 「シッチャカメッチャカにしようwww いまの俺の書斎みたいにさwww

 なんてほざきながら、バラバラに家具を置いていったつもりが……!

 せいぜ~~~ん……www

 自分の部屋とか机は極めつけに汚いくせに、別荘作りだと四角四面なキッチリレイアウトしか作れねぇぇええええ!!!www

 はたして、俺が理想とするアメカジスタイルは完成するのでしょうか……??w

 続く。

1年前の今日は?

 せっかく丸1年、1日たりとも欠かさずにプレイしているので新企画“1年前の今日は?”と題して、“昨年の今日のスクショ”を1枚掲載していこうと思います!

 ちょうど1年前、2021年3月30日の様子は↓こちらです。

 「ちょーオトナっぽくない?」と言いながら、ブーブークッションに座ってくれたももこさんw

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html

※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo