異世界転生宣言 デュエル・マスターズ「覇」 9-EX ~番外編:各話あとがき的なもの~

By 神結

 こんにちは、神結です。

 ありがたいことに、この異世界デュエマも次回で第10話になります。正直ここまで続けられるとは思ってなかったです(私のキャパシティ的な問題で)。
 担当していただいてる編集さん、そして読んでいただいてる読者の皆様には重ねて御礼申し上げます。

 今回は特別編ということで、各話のあとがきのようなものを書いておこうと思います。
 

0. 森燃イオナと大地マナ、バトルについて


 イオナは特に個別のモデルはありません。
 私の中にある「強いプレイヤー」という抽象的な概念を人の形にしたような存在です。そういう意味では、これまでに出会ったトッププレイヤーの皆様はモデルと言えばモデルなのかもしれません。デッキ構築、メタゲームの理解、プレイングのどれかに特化しているというよりはハイスタンダードなオールラウンダー、といった類いでしょうか。元の世界でも環境トップのデッキを自分なりに解釈してチューニング・使用していると思われますが、天才か天才しか使わないような突拍子もないデッキは彼には作れないでしょう。
 
 大地マナも優秀なプレイヤーではありますが、トッププレイヤーと比べると一歩劣っているかな、という実力です。そういうプレイヤーも多いと思いますので、彼女の今後の成長も見守って欲しいなと思います。
 
 ちなみに名前は大地マナの方が先に決まりました。森燃イオナは完全に閃きです。反応がよかったのでホッとしていました。
 
 本編中のデュエル描写は手札枚数やマナの整合性などは、かなり意識して作っています。その上で見せ場を作る……というのは考えていてかなり面白さを感じています。やっぱり、どういうルールであれ切り札を繰り出して勝つというのは、やっぱり盛り上がりますよね。

1. ロジカル・デュエマ


 異世界デュエマの拡張性、もっと言えばデュエマそのものの拡張性を示したいという意図から、(実質的に)最初に生まれたのがロジカル・デュエマでした。高校時代にちょっとだけ勉強したディベートの話と、古代ギリシャの話、それとこれまで議論した中でムカついた話を思いだしながら書いていました。

 初回としてはかなりアクの強いデュエマだったとは思いますが、作品の方向性はご理解いただけたのではないでしょうか。

 ゲームの流れは漫画版デュエル・マスターズの白鳳vs勝舞から《浄化の精霊ウルス》の活躍を軸に描写しています。

▲デュエル・マスターズ第1弾収録、《浄化の精霊ウルス》
▲デュエル・マスターズ第1弾収録、《カオス・ストライク》

 
 記念すべき本作最初の大勝負……ということで「最初のデュエル・マスターズの試合」を持ってきた、という話です。あのカードを倒せるの、《カオス・ストライク》しかないですからね。
 
 なお帝王さんも特定のモデルはありませんが、”カリスマ”でありつつも、なんかイカれている……そんな概念を文字にしてみたのがあの形になります。

2. 1コストデュエマ


 1コストデュエマはロジカル・デュエマとは逆に「実際に遊べそう」なスケールのゲームになっています。
 ストーリー自体もルールのスケールに合わせたくらいの規模で組んでいます。「世界が~」とか「デュエマの大きな大会が~」とかではなく、あくまで個人の願望に基づいた話です。
 
 で、それはそれとして石柱マリアもしっかり癖のある人にはなっているかな、と思っています。
 出てくるカードたちも、ミルクボーイ。癖のあるカードですね。もっとも、本編で使用されなかったカードこそがキーではあるのですが……。

▲革命ファイナル 最終章「ドギラゴールデン vs. ドルマゲドンX」収録、《ベイB ジャック》

 
「1コストデュエマ ミルクボーイ」

枚数
カード名
4 《ツクっちょ》
4
《D2B バブール》
4 《Dの揺籠 メリーボーイラウンド》
4
《トレジャー・ナスカ》
4 《トレジャー・マップ》
4 《ドンドン打つべしナウ》
4 《自己暗示の儀式》
4 《ベイB ソーター》
4 《ベイB ポレポレ》
4 《ベイB アカリンヒオリン》

 

「1コストデュエマ 闇自然クエイク・スタッフ」

枚数
カード名
4 《犠牲の影オンリー・ウォーカー》
3
《死神術士デスマーチ》
4 《ねじれる者ボーン・スライム》
4
《クエイク・スタッフ》
3 《ジャリ <デスマ.Star>》
3 《堕魔 ザンバリー》
3 《ヤモリ変怪》
4 《冒険妖精ポレコ》
4 《ツクっちょ》
4 《トレジャー・ナスカ》
4 《ドンドン打つべしナウ》

 

 
 このルールを考えたときはミルクボーイのカードパワーに困っていたんですけど、意外と回答があって「デュエマの歴史ってすげ~~~」と感心していたのもよく覚えています。

3. メンタル・デュエマ


 ゲームのモデルとなっているのは、ご存じの方もいると思いますが「メンタル・マジック」というMTGのいわゆるハウスルールになります。ルール上は基本的にそれを当てはめただけなのですが、演出的な映えが欲しくて筐体要素を追加しています。一回やってみたいですよね、ゲーセンでデュエマ。でもその世界線は小学生が学校で「ゲーセン禁止」みたいなこと言われるだろうからな……。
 
 雷のリュウくんは、こっちはこっちで一応モデルとなったキャラクターは存在しますが原型は留めてないです。ただ彼に関しては意図的に登場させた人物ではあるので、今後の異世界デュエマも楽しみにしていただければと思います。

▲王来篇第1弾「王星伝説超動」収録、《龍風混成 ザーディクリカ》
▲エピソード1「ライジング・ホープ」収録、《無限王ハカイ・デストロイヤー》

 
 そのリュウくんとの決着は、「ハズレカード」であるところの《龍風混成 ザーディクリカ》をどう上手く料理するか、と考えていました。そこで思いついたのが、私の出身大学の山作り大学……もとい、山札を固定して確定未来のトップからゲームを決める、って流れですね。《無限王ハカイ・デストロイヤー》は個人的にそこそこ思い入れのあるカードなので、活躍させたかった、みたいなところもあります。

4. クリスマス・ミラクル・バトル


 クリスマス・ミラクル・バトルは、これは完全に”そういう話”としてデザインしています。せっかくのクリスマスですし。読んでいてニヤニヤできるものをご提供できればな~とあれこれ考えていました。
 
 ですので、普段とはちょっと構成が異なっていますね。特別仕様です。
 
 ただ「ここだけ読んでもしょうがない」話にはなっていますので、ぜひ前後と合わせて楽しんでいただけると嬉しい限りです。

▲「弩闘×十王超ファイナルウォーズ!!!」収録、《樹食の超人》

 
 余談ですが、これを書いていたときは《樹食の超人》ってカードが流行ってなくて……本編掲載されたときにちょうど「樹食墓地ソース」が活躍を始めたんですよ。え、これで一発で解決してるじゃん、ってなったのは内緒です。内緒ですよ。

5. ダンジョン・デュエマ


 なんかフィールドレクリエーション的なのやりたいな~~~、と思って書いた作品になります。ダンジョンクリア→ボス戦みたいなRPGゲームのクリア条件を付けましたが、文章で表現するのはなかなか難しいんですね、コレ。

 高森麗子も用意して出した人物ですが、キャラクターの性格や特徴などは最初かなり迷走しています。最終的にこの形に落ち着きましたが、着地点としては中々気に入ってます。再登場ももともと予定していた通りでした。

 ボス戦のギミックというのは、ドギラゴン・ガチャから着想を得ています。《リュウセイ・ジ・アース》などが収録されているシリーズ(「DXデュエガチャデッキ 銀刃の勇者 ドギラゴン」)ですね。ちなみにボス戦は自分で作っているときも「んー? これ勝てるんか?」って思いながら作っていました。

 
「ダンジョン・デュエマ ラスボス用」

枚数
カード名
4 《フェアリー・ミラクル》
1
《ホーガン・ブラスター》
1 《ポジトロン・サイン》
4
《ミステリー・キューブ》
1 《目的不明の作戦》
4 《龍風混成 ザーディクリカ》
1 《獰猛なる大地》
4 《神歌と繚嵐の扉》
4 《聖魔連結王 ドルファディロム》
4 《禁断竜王 Vol-Val-8》
4 《偽槍縫合 ヴィルジャベリン》
4 《零獄接続王 ロマノグリラ0世》

 

「ダンジョン・デュエマ レクスターズ」

枚数
カード名
4 《Re:奪取 トップギア》
4
《フェアリー・Re:ライフ》
2 《禁断英雄 モモキングダムX》
4
《モエル・モヒッチ》
4 《モモスター・モンキッド》
4 《魂の絆 ヘモグロ&ハナコ》
4 《モモキング -旅丸-》
3 《キャンベロ <レッゾ.Star>》
4 《王来英雄 モモキングRX》
3 《ボルシャック・モモキングNEX》
4 《モモダチパワー!!!》

 

▲王来篇第3弾「禁断龍VS禁断竜」収録、《禁断英雄 モモキングダムX》

 これも執筆しているときは《禁断英雄 モモキングダムX》は流行ってなかったから「結構珍しいカードでいい回答を用意できたな……」と自負していたんですけどね。掲載されたときは「JO退化」が流行していたんですよね。

6. イニシャル・デュエマ


 こちらゲームとしてはかなり面白いデザインだと思っていますが、盤上に現れない「読み合い」がこのゲームの本懐なんですよね。だから実際の盤面で起こってるゲーム自体が、地味で映えないという。
 ただストーリーとゲームとの兼ね合いという部分では面白いものをお見せできたのではないか、とも思っています。
 
 実はこの話、取り扱ってるのが『自由からの逃走』と民主主義という、結構社会的なテーマだったりします。
 
 その中で生徒会長天本ツバサが《「無情」の極 シャングリラ》を使うというシチュエーションと、その解決方法については結構お気に入りのストーリーだったりもしています。

▲「ファイナル・メモリアル・パック ~E1・E2・E3編~」収録、《「無情」の極 シャングリラ》

 
 あとはvs生徒会というシチュエーションとかバカップルとかも書いてみたい部分だったので、書いていて全体的にかなり楽しい回でした。

7. グルメ・デュエマ


 実はこの回が一番演出に困っています。ご存じ料理回なのですが、「特に料理を頑張ってきたわけではなさそうなイオナ」が料理にチャレンジするのはいいとしても、職人と戦うのは流石に違和感あるよな……って。もちろんデュエマ的なアドバンテージはあるわけですが、それでは試合にはならなそうだし……。

 題材が面白いのは確定してるから、絶対中身も面白くしなきゃいけない~~~と思いながらあれこれ試行錯誤していました。
 
 というわけで、結果生まれたストーリーがこんな感じでした。流石に色々考えただけあって、満足できる作品にはなりましたね。

▲「謎のブラックボックスパック」収録、《異端流し オニカマス》

 ちなみに友人とその後グルメ・デュエマについて話すことがあったんですが、「デュエマって結構食えそうなクリーチャー多いね」とのことでした。可食部っぽいところが少しでもあればいけるらしいです。

8. ヒストリー・デュエマ


 これはルール的に当たり回でした。ちゃんと面白いです。実際に私もデッキを5つくらい組んでしまったし、このルールのためにカード探してたりしていましたからね……。
 大会のサブイベントなどでも楽しんでいただけるルールだと思っていますが、個人的には通常の殿堂に加えて《次元の嵐 スコーラー》と《逆転のオーロラ》だけは殿堂扱いとして遊ぶことをオススメします。

▲双極篇第3弾「†ギラギラ†煌世主と終葬のQX!!」収録、《次元の嵐 スコーラー》
▲革命 第4章「正体判明のギュウジン丸!!」収録、《逆転のオーロラ》

 
「ヒストリー・デュエマ 準自然単」

枚数
カード名
3 《ベイB セガーレ》
3
《樹界の守護車 アイオン・ユピテル》
1 《クローン・ファクトリー》
2
《原始 サンナップ》
3 《天災 デドダム》
1 《サイバー・ブレイン》
4 《運命の選択》
3 《霊騎ラグマール》
4 《鳴動するギガ・ホーン》
4 《アルティメット・フォース》
3 《逆転のオーロラ》
2 《斬隠蒼頭龍バイケン》
2 《革命目 ギョギョウ》
1 《革命類侵略目 パラスキング》
4 《SSS級天災 デッドダムド》

 

 
 ハンデスとバイケンが……という展開は古の全国大会(レギュラーの部)の決勝がモチーフになっています。戦国編だったので2008年だったでしょうか? それをこのルール独特の読み合いに持ち込んで再構成しています。
 
 ミヤくんはまぁ、いい性格はしていますよね。見た目はたぶん、そこそこ可愛い子なんだと思います。

9. 火之国デュエマ


 というわけで最新話の火之国編。
 イオナの過去にちょっと言及する回でしたが、イオナのデュエマに対するスタンスなども感じ取っていただける回だったのではないでしょうか。

 紅クルミと轟コウは、我ながらいいネーミングですね。この人は書いていて楽しかったです。
 彼女がキャラクターとして出てくることは当然ないのですが……イオナの中には存在する人ということで、それなりに言及されるシーンはあるかもしれません。
 
 ちなみに「火単アグロを火単のモルト王がしばく」というのは以前のフリー対戦かなんかで実際にあった話で、それをもとに試合を組んでいました。

「火之国モルト王」

枚数
カード名
4 《龍世界 ~龍の降臨する地~》
1
《スクランブル・チェンジ》
2 《ネクスト・チャージャー》
4
《爆龍覇 ヒビキ》
4 《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》
3 《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》
2 《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》
4 《ボルシャック・ドギラゴン》
4 《紅に染まりし者「王牙」/クリムゾン・ビクトリー》
4 《希望の絆 鬼修羅》
3 《龍世界 ドラゴ大王》
4 《二刀龍覇 グレンモルト 「王」》
1 《勝利宣言 鬼丸「覇」》
枚数
超次元ゾーン
1 《無敵剣 プロト・ギガハート》
1 《爆熱剣 バトライ刃》
1 《銀河剣 プロトハート》
1 《銀河大剣 ガイハート》
1 《将龍剣 ガイアール》
1 《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》
1 《爆銀王剣 バトガイ刃斗》
1 《無敵王剣 ギガハート》

 

▲ドラゴン・サーガ 第3章「双剣オウギンガ」収録、《二刀龍覇 グレンモルト 「王」》

 
 《二刀龍覇 グレンモルト 「王」》の構築を考えたのは数年ぶりなんですが、あのカードやっぱりいいですね。ただ現代だとG・ストライクが強すぎて、「これモルト王出しても勝たないやんけ!」となってしまい……。向かい風なのはちょっと悲しいですね……。


 というわけでざっくりこれまでの振り返りをさせていただきました。

 ぜひ第10回以降もお楽しみいただけますと何よりですし、紹介している特殊ルールなんかは友人と遊んでいただければ作者冥利に尽きます。

 それでは。

(火之国デュエマ EX完。次回、10-1に続く)

神結(かみゆい)
Twitter:@kamiyuilemon

フリーライター。デュエル・マスターズのカバレージや環境分析記事、ネタ記事など幅広いジャンルで活躍するオールラウンダー。ちなみに異世界転生の経験はない。

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