【いつまでもおもちゃが好きでいいんだ!】おもちゃコレクター・邪道さんに聞く、おもちゃの魅力! そしておもちゃの保管術とは!?

取材・文=石川裕二

コロコロオンラインを読んでいるみんなは、きっと、おもちゃが大好きだよな! 遊んでいると楽しい気持ちになれるし、飾っていると、その空間が満たされるような気さえする。大人のなかには、“おもちゃコレクター”と呼ばれる人たちがいて、それはそれは、おもちゃを大切にしているんだ。そこで、今回は、おもちゃコレクターの邪道さんという方におもちゃの魅力を聞くと共に、大切なおもちゃの保存術を聞いてきたぞ!

大人がおもちゃを買っても許される時代になった

ーーおもちゃコレクターの邪道さんは、やっぱり、昔からおもちゃが好きだったのでしょうか!?

はい、子どもの頃からおもちゃが好きでした。ただ、なんでもかんでも買ってもらえるような家庭ではなかったので、おもちゃへの渇望がどこか残ったまま大人になったんだと思います。そんな時に出会ったのが、1990年代中盤に発売された、「ガシャポンHGシリーズ」でした。ウルトラマンやゴジラの彩色フィギュアで、自分が子どもの頃に買っていたガシャポンシリーズよりも格段にクオリティが上がっていたんです。

自分は中学生になっても、隠れながらガシャポンを回していました。高校生・社会人になるにつれ、自分の世界が広がっておもちゃに目を向ける余裕がだんだんなくなっていったのですが、HGシリーズを初めて目にした時に「あれ、200円になっている! 昔は100円だったのに。しかも彩色されているぞ」と。ガシャポンって、こんなに進化したのかと。それで「全部集めたい!」という欲望が出てきたんですね。

ーーおお〜! 邪道さんは今40代ですよね。私も30代後半なのでわかるのですが、ガシャポンの進化は本当に目まぐるしいものがありますよね。

僕が子どもの頃は『キン肉マン』と「SDガンダム」のガシャポンが流行っていました。100円で1回回せるので、お手伝いをしたり、買い物のついでに買ってもらったりして集めていました。それこそ、お小遣いの全てをガン消し(※ガンダムの消しゴム)に注ぎ込んでいたくらいです。ご多分にもれず、年を重ねるに連れて卒業していくのですが。

ただ、HGシリーズをコレクションするようになってから、子どもの頃の思い出を追い求めるようになっていったんです。それこそ、捨ててしまった思い出のおもちゃであるとか。それで、ガシャポンHGのような現行シリーズだけではなく、過去のおもちゃも集めるようになっていきました。

▲邪道さんと言えばガン消しのコレクターとしても有名

ーーああ〜。その気持ち、なんだか、とってもわかるような気がします……!

ガン消しに関しては、大人になってから調べてみると「あんなに好きだったのに、こんなものもあっただなんて知らなかった!」という発見がさまざまあって、特にハマっていきました。ガン消しを発端に、SDガンダムについては食玩やBB戦士、元祖SDガンダム、カードダスなど、いろいろ集めるようになりました。

あとは、自分はビックリマンシール第1世代なので、それなりに集めています。今でも好きですけど、集め始めるとキリがないので、全部集めようというほどの気概はありませんが……。

ーー邪道さんが「自分はコレクターだ」と自認するようになったのは、いつ頃からですか?

やっぱり、ガシャポンHGシリーズを集め始めてからですね。ガシャポンって、基本的に何が出るかわからないじゃないですか。だから、お目当てのものが出るまで、ムキになって回し続けるんですよね。子どもの頃はお小遣いに限りがあったのでできませんでしたけど、大人になって子どもの頃より財力ができたので、「コレが出るまで回し続けてやるぞ」と! そうすると、次のシリーズも集めちゃうんですよね(笑)。

ーーわかり味が深すぎる……!

次のシリーズだけじゃありませんよ。自分が知る前のHGシリーズはどんなものがあったのかとか調べるようになりました。HGシリーズは今でも全部取っていて、大切に保管しています。

ーー子どもの頃から収集癖はあったのでしょうか。

あるにはあった、という程度ですかね。子どもの頃のおもちゃも、割と残っていますよ。それを許してくれる家庭環境でもありました。

ーーありがたいですね。HGシリーズはどこで買っていたんですか?

ヨドバシカメラのような家電量販店のおもちゃコーナーです。お目当てはガシャポンなのですが、フロアを巡っていると、今度は「超合金魂」というシリーズが目に入ってきました。僕が子どもの頃のロボットを大人向けにリメイクしたものです。それを買うようになりました。

すると、「超合金魂」とは別に、僕が子どもの頃に出ていた現物も欲しくなってくるんですよ、不思議なもので。昔のほうがクオリティが低いのはわかっているのに、欲しくなる。可動域も低いし、映像のそれとは似ていなかったりもするのですが、子どもの頃の思い出って、何物にも変えられないんですよ。

ーーわかるなあ〜。自分も大人になってから、「高速戦隊ターボレンジャー」のターボロボをヤフオクで買い直したりしましたよ。でも、大人になってから、おもちゃを買うのって勇気がいりませんでしたか?

いりませんでした。大人がおもちゃを買うのは一般的でなかったにしろ、許される雰囲気はあったんですよね。抵抗がなかった、と言えば嘘にはなりますが。でも、そんな気持ちよりも「欲しい!」が上回ったんです。それに、「超合金魂」やガシャポンHGシリーズ自体が、大人向けにつくっているような部分もあったと思います。

ーーああ〜! では、大人になってから、おもちゃを買うことに対して揶揄(やゆ)されたような経験もなく。

あまりないですね。気にしない性格というのもあります。それと、今のおもちゃコレクターの方はみんな言うと思いますけど、僕がガシャポンHGシリーズを買っていた20年前と現在では、全然雰囲気が違うんですよ。当時は「何か趣味はありますか?」と聞かれて、おもちゃを集めていますと言うと「おもちゃ?」と聞き返されることがありましたが、今だと「へー」という感じで受け止めてもらえることも増えました。

それに、おもちゃを集めることは、犯罪のような恥じるようなことではないので。一緒に住んでいる家族には、若干の迷惑を掛けているかもしれませんが(笑)。でも、現在は、明確に大人向けのおもちゃが存在しているので、大人がおもちゃを買っても許される時代だと思います。だって、ウン万円の商品とかがあるんですよ。大人しか買えないじゃないですか。それは、大人向けという純然たる事実で。

ーーそれは間違いないですね。

お昼ご飯を一品削って、おもちゃ代に回したりしています(笑)。

おもちゃに触れる度に思い出が蘇る

ーー邪道さんは、今おもちゃをどれくらい持っているんですか?

ガン消しなどのいわゆる塩ビ人形は4000個まで数えて、それ以降は数えるのを諦めました。でも、大きめの衣装ケース2つくらいで済みますから、優秀なコレクターアイテムですよ。おもちゃ全体で言うと、8畳の部屋は埋まるかもしれませんね。

ーー8畳の部屋ですか。

はい、床から天井まで。

ーーええ!? そういう意味ですか!? それはすごい!! でも、それだけ、おもちゃが邪道さんに与えてくれるものが大きい、ということでもありますよね。

懐かしさ、とでも言うんですかね。子どもの頃に大切にしていたけれど、壊れたり、なくなってしまったものを完全な状態で手元に置いておけるよろこびというか。おもちゃを触る度に、昔のことを思い出しますよ。家庭のこと、学校のこと、友だちのこと。それがおもちゃの魅力の一つですね。

あとは、単純に触っていて楽しいんですよ。現実逃避と言うと言い方が悪いですけど、無心で遊べるんです。人によっては、それがキャンプの焚き火だったり、サウナだったりするかもしれませんが、僕にとっては、それがおもちゃなんです。心が安らぐんですよね。あと、やっぱりかっこいい!

ーーおもちゃ、かっこいいですよね! いやあ、この話、楽しいなあ〜。今日は、いくつかコレクションアイテムを持ってきていただいていますが……?

まず、子どもの頃に持っていたもの。あとは、子どもの頃にめちゃくちゃ好きだったのに壊れたか捨てられてしまったもの。そして、大人になってから「これは!」と思って買ったもの。その3つです。

ガン消しは子どもの頃から、ずっと持っているものですね。サンバルカンロボは、自分のストライク世代で買い直したものです。最後は「METAL BUILD」シリーズと言って、これをおもちゃと呼んでいいのかわかりませんが、完成品フィギュアのなかでも最高峰のものをお持ちしました。

▲邪道さん思い出の一品・サンバルカンロボ
▲「METAL BUILD」シリーズ

ーーあれ、ガシャポンHGシリーズは……?

すみません、押入れの奥底にあって出すのが大変なので持ってこられませんでした(笑)。

ーーああー、それは仕方ないですね! なんたって、8畳の部屋が天井まで埋まるくらいのおもちゃをお持ちですから。でも、話を聞いていて、コレクターの方って、つまり、おもちゃを愛している方なんだなと思いました。

おもちゃのすばらしいところって、コミュニケーションツールでもあるんですよ。親御さんもね、一緒に楽しんでほしいなと思いますね。自分だって、戦隊シリーズとかウルトラマンとかガンダムとか見ていたでしょう、と。お外でキャッチボールももちろんいいんですが、おもちゃで一緒に遊ぶのも立派なコミュニケーションですよ。お母さんと娘さんの場合でも、プリキュアのような魔法少女シリーズが健在なわけで。

――それこそ、自分なんかは息子たちとポケモンカードで遊んでいますよ! ポケカは自分が小学校高学年の時に発売されたのかな。ところで、邪道さんは昔のおもちゃも集めているとのことですが、買う際の判断基準って何かあるんでしょうか? 保存状態というか。

人それぞれだと思いますけど、古物の玩具で20年、30年前のものを新品で欲しいとは思わないんですよ。このサンバルカンロボ然り。とても状態がいいのはありがたいけど、劣化して壊れやすくなっているものもあるので、箱がなくても本体の見栄えが良ければいい、とか、まあ、物によってさまざまでしょうか。

僕の場合は、ジャンク品をあえて買って、パーツ取りをするのも楽しいんですよ。たとえば、ゾイドなら、パーツが欠品しているジャンク品を2個買って、一つの完全体にするのが楽しい、とか。自分はおもちゃを直したりもしますので、そういう楽しみ方もあります。

ーー自分もバイオティラノは中古品2つを買ってニコイチ(※ジャンク品を2つ買って1つの完全体にすることなど)にしました!

「このパーツ探しています!」という意味では、今はSNSで簡単に同好の士とつながれるのもいいですよね。パーツ単位で譲ってもらったり交換したりすることもあります。かつてはおもちゃを1人で集めていると孤独感のようなものもありましたけど、今はおもちゃを通じて、人とのつながりもできて、とても有益な趣味になっています。お金には代えがたいものですね。

日焼けなどからおもちゃを守る保管術

ーー邪道さんがビックリマンシールも集められているということで言えば、6月15日発売のコロコロコミック本誌で、ビックリマンシールの付録が付くんです。いい保存の仕方など、あるでしょうか。

シールには粘着性があります。つまりは、ノリですね。それって、劣化すると剥がれてくるんです。また、日光のあたるところに数ヶ月も置いておけば、確実に変色してしまいます。それらの劣化を防ぐためには、なるべく日光に当てないことです。保存という観点で言えば、スリーブに入れて暗所に保管するのが一番です。

でもなあ、子どもなら、やっぱり、見たいところに飾っておくのが一番なんじゃないですか。ただ、スリーブに入れておくだけで、普通に放置しているよりは断然長持ちする、とお伝えしておきます。

ーーああ〜、邪道さんの温かいモノの見方ですね。やっぱり、子どもは保存うんぬんって考えませんから。

そうでしょうね。でも、日焼けという点で言えば、ゾイドのようなプラ素材も同じで、紫外線が当たることによって変色したり、直射日光にさらされることで黄ばんだりもするので、やっぱり、暗所に保管するのがいいと思います。ただ、おもちゃが劣化するのは自然の摂理ですから。いつかは状態が悪くなるので、いつまで楽しむかという諦めと妥協が必要です。

湿気を完全に管理した、一切、光の入らない部屋に置いておくことが一番の長持ちのコツなんですけど、それじゃ、おもちゃの意味がないですよね。常に見ていたいし、遊びたいじゃないですか。それがおもちゃの醍醐味ですよ。

ーーコレクターの方が言う相反したこと、説得力がありますね。

でも、せっかく好きなら、大切に残してほしいとは思います。遊んだら箱に戻すとか、押し入れにしまうとか。だって、すぐにパーツがなくなって、思い通りに遊べなくなるのは悲しいじゃないですか。自分はおもちゃコレクターですけど、本来、おもちゃというのは子どものものなので、おもちゃはいっぱい触って遊んでほしいと思っています。なんなら、壊れるまで遊んでほしい!

それこそ、コレクターという意味では相反したことを言っていますが。でも、おもちゃは、壊れるまで遊ばれてこそ本望だと思います。特に子ども向けホビーは。その時の子どもを楽しませるものを、20年、30年残そうと考えること自体がおかしいですよ。最初からコレクションするつもりなら、話は変わりますが。

ーーすげーいい話だ……!

僕が子どもの頃って、スーパー戦隊とかがで始めた頃で、親と一緒におもちゃで遊んだ経験ってないんですよ。でも、今の親御さんは違うじゃないですか。だから、一緒に子どもと遊ぶくらいがちょうどいいと思うんですよね。なので、おもちゃでたくさん遊んでほしいと思います。

お父さん、お母さんは、なるべくおもちゃを買ってあげてください。その代わり、大切にしろよと言えば情操教育にもなると思います。

ーー本日は貴重なお話をありがとうございました!!

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