「ゼータヘッド2」発売! ガシャポン「エクシードモデルシリーズ」開発者の長谷川(元指導員)さんに開発秘話を聞いてきた!!

取材・文=石川裕二

みんなー! バンダイから発売しているガシャポン「エクシードモデルシリーズ」を知っているか!? ザクヘッド、ガンダムヘッドなど、国内累計約220万個を出荷している、大人気シリーズなんだ!! しかも、11月第3週には「機動戦士Zガンダム EXCEED MODEL ZETA HEAD 2」が発売!! そこで、開発者である、バンダイの長谷川淳さんに同シリーズのこだわりや開発秘話などを聞いてきた!!

「エクシードモデル」はこう組み立てる!

ガシャポン「エクシードモデル」を知らないキミのために、同商品が、いかにすごいのかを解説しよう! バンダイ公式の動画を見てくれ!!

というわけで、「エクシードモデルシリーズ」の説明は終わり! 次は、みんながお待ちかねの長谷川さんのインタビューだ!!

“カプセルレス”がガシャポンの可能性を広げた

▲「エクシードモデルシリーズ」開発者の長谷川淳さん

――長谷川さんと言えば、もともとはプラモデルの部署で「SDガンダムBB戦士」や、リアルスケールのガンプラの開発をしていました。また、1990年代には、児童向け雑誌で“長谷川指導員”として登場していたので、親しみを持っている方も多いかと思います。現在のベンダー(※ガシャポン)事業部には2017年に異動したとのことですが、「エクシードモデルシリーズ」の開発には、いつ頃から参加したのでしょうか!?

ザクヘッド第2弾のラインアップが決まった頃です。ガンダムヘッドも出ることが決まっていて、前任者が試作まで仕込んでいました。現在は「いきもの大図鑑」を手掛けている、天才的な方です。その方から、「長谷川さん、これで」と。

――おぉ〜〜〜! 試作品を重ねて完成品を組み上げた時は、どのようなお気持ちでしたか!?

「あ、いい感じのものになったな」と思いました。実は、渡された試作品の状態から、口元を少し変えているんです。それは、自分がガンダムシリーズのファンということもありますし、前の部署で散々ガンダムをつくってきたから、というこだわりもあります。

――そうだったんですね! 消費者側としては、球体の物体がガンダムやザクの頭部になるのは衝撃的でしたが、長谷川さん自身は、どのように感じましたか!?

カプセルレスにすることで、ボリュームのあるものがつくれるのは、おもしろいなと。でも、ザクヘッドのほかに「カプキャラ」というシリーズが出ていたんですよ。カプセルそのものがフィギュアの一部になったカプセルレス商品で。以前は、いかにカプセルの中に商品を収めるかを考えていましたが、可能性が広がったな、という感想でした。

――無彩色のSDフィギュアが2個入っていた頃からは、考えられないガシャポンの進化ですよね……! しかし、ザクヘッドとガンダムヘッドが前任者からの引き継ぎとなると、長谷川さんが新規で開発したのは、どの商品からになりますか!?

ドムヘッドとゼータヘッド、あとはSDズゴックとSDザクです。ザクヘッドもガンダムヘッドも、消費者の方から、とても好意的な反応がありました。そこで、上司から「次にどのモビルスーツ?」と聞かれた時には、自分でドムヘッドの試作品をつくっていたという。ドムが好きなもので。

――私もドムが大好きなので、ドムヘッドが発表された時には小躍りしました! 11月第3週に発売される「機動戦士Zガンダム EXCEED MODEL ZETA HEAD 2」の、こだわりポイントを教えてください。

いよいよ、ゼータプラスC1がラインアップできたのが、うれしいですね。あとは、ゼータガンダムについては「Ver.2」としています。

――あ、違いに気づきましたよ! 目と鼻の間の形状が変わっていますよね!

よくお気づきで! そうなんです。前回は、コスト的にゼータプラス(ユニコーン版)との共通点を見つけて形状を同じにしていましたが、鼻の部分は黒いよな、と。今回は、よりアニメに寄せたゼータガンダムになっています。

プラモデル開発の経験が生きている

▲真剣な眼差しで商品開発について話す、長谷川さん

――長谷川さんが新規で立ち上げた商品で、なにか試行錯誤はありましたか?

話的にはあまりおもしろくないんですけど、そんなにないんですよね。と言うのも、自分は最初の試作品をかっちりとつくり込むタイプなんです。なので、工場でいかにつくりやすいようにできるかの配慮くらいではないでしょうか。あとは、ちゃんと球状になって、筐体から出てくるか。

プラモデルを20年以上開発してきたので、その経験が生きている部分はあると思います。ザクヘッドは現在、9弾まで出ていて、微妙な成形色の違いなどのバリエーションもありますが、「プラモデルは塗装しなくても、組んだだけで“いいもの”であるべきだ」という進化の歴史を前の部署で体感してきたので、特別、苦労した点はないんです。

――プラモデル開発で培ってきた経験が、現在の商品づくりにも生きているんですね! その点で言えば、「SDガンダムBB戦士」などの商品を開発してきた長谷川さんが、「エクシードモデルシリーズ」で、SDのズゴックとザクを発売していますが、「SD」という名を冠するに当たって、意識したことはありますか!?

僕のなかでは、リアルな頭身じゃなくなった時点でSDだと思っています。トレンド的には、SDガンダムも脚が長くなっていますが、昔の“かわいかったSD”があっても、いいんじゃないかなと。とは言え、かっこよさもしっかり魅せたいので、造形にはこだわりました。

――SDザクのモノアイが動くのには、おどろきました!

ちょっと遊びを入れたいなと思った部分です。もともと、分割パーツだったので、動かせるよね、と。

――SDザクの“黒い三連星”の成形色も、“黒い三連星”好きにはたまりませんでした!

僕、設定画が第一主義のタイプなんですよ。黒い三連星好きとしては、この色だろう、とドンズバで決めました。

――「エクシードモデル」とは話が逸れますが、アニメ『ガンダムビルドダイバーズ』の放送時には、同アニメのガンプラと連動した、「ガシャプラ SDガンダムビルドダイバーズ」を発売しています。かつて、長谷川さんが手掛けていたBB戦士ファンにはたまらない商品内容となっており、組み立て紹介動画では、“長谷川指導員”として出演していましたよね。「“長谷川指導員”として求められるもの」を意識することはありますか?

僕の名前を出すと、よろこんでくれる人がいるのは認識しています。なので、求められれば、“長谷川指導員”として出ます、という感じでしょうか。ありがたいことです。

ガシャポンのワクワク感を楽しんで


――長谷川さんは、実際に消費者の方がご自身の商品を購入しているところを見る機会はありますか?

あります。「ありがとう」と心のなかで思っています。あとは、「同じのが続いちゃったね、ごめんね」とか(笑)。と言うのも、僕自身が、よくガシャポンを回すんですよね。ただのおもちゃ好きがバンダイに入っちゃった、みたいなところがあります。もらおうとすれば、会社にサンプルがあるんですけど、消費者目線でいたいという思いもあって、欲しいものは自分で買うようにしています。

――そうなんですね、長谷川さんの人柄を感じられるエピソードです。ガシャポンという商品の魅力って、なんでしょうか!?

ドキドキ感とワクワク感じゃないでしょうか。お目当てのものが1回で出ればうれしいし、そうじゃなくても、「これもいいじゃん」となるものをつくっているつもりです。ドキドキ・ワクワク感を味わえるのがガシャポンの醍醐味(だいごみ)かと思います。

――わかります! 今はフリマアプリなどでお目当てのものだけ買えてしまう時代ですが、ガシャポンの魅力を考えるなら、やっぱり自分で引き当てたいですよね。ところで、ガンダム、ゼータガンダムと来たら、次はダブルゼータガンダムを並べたくなるのがファン心だと思いますが……。

ダブルゼータですか? ガシャポンという商品の特性上、何種類かバリエーションがつくれればなんですがね……。

――なるほど……。では、あんなモビルスーツや、こんなモビルスーツも可能性が……(※深読み)。では、最後に、今後の「エクシードモデルシリーズ」の展望について、教えてください! お話しいただける範囲で結構なので!!

いろいろと準備はしています。モビルスーツをいっぱい集めて、楽しんでもらえるようにと考えています。

――くぅ〜〜〜! 楽しみに待っています! 本日はありがとうございました!!

こちらこそ、ありがとうございました!


■「エクシードモデルシリーズ」公式ページ
https://gashapon.jp/exceedmodel/