【スプラトゥーン】トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!! しぇるたんが語るチームとしての『3』の戦い方~2~

トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×しぇるたん 第2
回】

あとばる選手としぇるたん選手による対談の第2回目!

今回は甲子園を目指す上でのチーム作りについてふたりに聞いてみたぞ。

甲子園という一発勝負の大舞台で勝つには、どんな練習や準備が必要なのか? さっそく対談スタートだ。

あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チーム・よしもとゲーミング カラマリ所属。
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YouTube:https://www.youtube.com/channel/UChczP5QLI27iCB-pEfz2eYA
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しぇるたん
前衛から後衛まで、さまざまなブキを使いこなすマルチウェポナー。世界トップクラスの実力者で、『スプラトゥーン2』では.52ガロンベッチューでXパワー3000を達成。また、『スプラトゥーン3』でも世界最速でS+50に到達したほか、公式大会である「スタートダッシュ杯」ではベスト4入りを果たす。高いゲーム理解度に基づいた的確な指示出しができる司令塔としての役割も得意で、そのクレバーな立ち回りは非常に参考になる。DetonatioN Gaming所属。
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シャープマーカーを使う際のポイントは?

――環境で言うと、いまはシャープマーカーがすごく使われていますよね。シャープマーカーが強い理由はどういうところにあるんですか?

あとばる:シャープマーカーは『2』では近距離戦と中距離戦が強かったんですよ。近距離は言わずもがなで、中距離も射程は短いんですけど、ジャンプ撃ちの射程伸ばしで弾がぶれない上に、クイックボムによる追い打ちやカバーもできるので対応できた。
 強いて欠点を挙げるなら、遠距離攻撃というところだったんですけど、『3』ではそれをカニタンクで補えるようになったので、シャープマーカーひとつで前中後とすべてに圧力をかけることができる。これが非常に強い点ですね。

 

――前回のフェスでもシャープマーカーを使う人がかなり多かったですよね。

あとばる:そうですね。シャープマーカーはメインの扱いもそんなにクセがない上に、サブがクイックボムというのが安定感に拍車をかけていますよね。スペシャルがカニタンクのブキはほかにもあるんですけど、メインとサブも合わせて考えると、シャープマーカーが一番整った組み合わせかなと思いますね。

 

 

――シャープマーカーはポジション的には前衛ブキという感じなんですか?

あとばる:前中衛って感じですかね。前衛だとは思いますけど、後ろで控えて塗って、カニタンクを溜めてという動きも大事になってくるので。『2』よりもさらにポジション取りが大事になった印象です。
 具体的には相手の打開に合わせてスペシャルを溜めておいて、高台といったカニタンクを効果的に使うためのポジションを取っておくだとか、溜まらないから前に出てセンプクして、クイックボムと合わせて相手を倒すとか、その辺のスイッチングが大事になったなと。

 

――なるほど。ほかに「このルールだとこれが強い」と思うスペシャルはあったりしますか?

あとばる:ルールに沿ってピンポイントで強いみたいなのはあまりないかなあ。ヤグラだったら、わかばシューターを積極的に持ってもいいかなくらいですかね。カンモンでスペシャルのグレートバリアを使って突破するとかは戦略としてけっこう強いと思いますけど、それくらいですかね。

 

――ヤグラで言うと、キューインキはどうですか?

あとばる:キューインキも悪くはないですけど、ちょっと扱いが難しいところがあるので、おすすめとなるとグレートバリアの方が簡単でわかりやすいかなとは思いますね。
しぇるたん:キューインキはチームで使うと強いんですけどね。キューインキ単独だと相手に圧がかからないというか、こちらが弾を一方的に吸える状態で味方に攻撃してもらうこで強みが出るスペシャルなので、意思疎通が図れない野良だとキューインキを使っても味方が合わせてくれなかったりとかもあって、ちょっと扱いにくいところはありますね。

 

▲前方からの相手の攻撃を吸い込むことができるキューインキ。吸い込み中はこちらの攻撃手段がないためひとりで使ってもあまり効果がない。

 

甲子園で勝つためにはどんな準備が必要?

――来年には『スプラトゥーン甲子園2023』の開催も決定していますが、チームとしてナワバリバトルの練習をする上ではどんなことが大事になりますか?
あとばる:ある程度、各々の役割を決めていくのと、チームとしての勝ちパターンと負けパターンを把握しておくといいと思いますね。この編成だから相手を倒し切らなきゃいけないのか、倒さなくても塗り切って勝てるのかを見極めた上で、チームとしてどう動けば勝ちやすいのか、反対にどういう編成でどういう動きをされたら自分達は弱いかを把握しておくことが大事かなと。
 あと、ナワバリって基本的には塗りの勝負なので、対面力に特化したブキはあまり出てこないんですけど、そういうときにパッとブラスターとかを出されて対応できずに壊滅とかも全然あるので。兎にも角にもいろんなチームとたくさん試合をして経験を積むことが重要になりますね。

 

――積極的に対抗戦をして実践の中で学んでいく。

あとばる:そうですね。それと、甲子園はヘッドセットでの通話がない大会なので、それに合わせた練習も必要ですね。ただ、まずはチームとしての共通認識を図ることが大事なので、最初は通話ありでやって、ある程度の意思統一をしてから通話なしの練習を始めるのがいいと思います。

 

――しぇるたん選手はいかがですか?

しぇるたん:本気で勝ちに行くのは大切なんですけど、そこで喧嘩にならないことも大事ですね。雰囲気を悪くしてもいいことってひとつもないので。
 もちろん、負けたときはその原因があるんですけど、「お前、そこで倒されたらダメだろ」って一方的に言うのではなく、「このタイミングでやられるとチームが崩れちゃうから、この辺にいて俯瞰で後ろから見ていてほしい」といった、理屈の通った具体的な意見を言ってメンバー同士の考え方をまとめていくことが、チーム全体をレベルアップさせる上ではすごく重要だと思います。

 

――確かに「ダメだ」だけだと、「じゃ、どうすればいいの?」ってなっちゃいますもんね。

しぇるたん:そうですね。まあ、チームとして思うように勝てないとどうしても雰囲気は悪くなったりもするんですけど、そういうときでも言い方は考えないとダメですね。

 

――まだ10代なのにそういう考え方ができるのはすごいですね。

しぇるたん:ありがとうございます。たまに他の人の対抗戦の配信とかを見ていると、「そこでそれを言うのはダメなんじゃないかな」と思ったりとか、知り合いのプレイヤーさんからも「その言い方はあかんやろ」みたいな感じの話を聞いたりしていたので、自分も気を付けなきゃなと思って。

 

――チームプレイだからこそ、そういう配慮は大切ですよね。あと、甲子園は観客の前での試合となります。しぇるたん選手は、「スタートダッシュ杯」にも出場されていましたけど、ああいったステージ上での試合となると普段よりも緊張しますか? 

しぇるたん:めちゃくちゃ緊張しますね。自分、緊張するとめっちゃトイレが近くなって、「スタートダッシュ杯」のときも緊張しすぎて何度もトイレに行ってました(笑)。甲子園は中学生のときから出ているので、昔よりは雰囲気にも慣れてはきているんと思うんですけど、まだまだ緊張はめちゃしているみたいな。

 

 

――プレイに関してはどうですか? 大会だといつもと違う感じですか?

しぇるたん:甲子園だとコントローラが有線で普段とは違う環境だったりするので、そこでちょっと「なんか、いつもとエイムの感覚が違うな」って感じたりとかはありますね。

 

――甲子園に向けて、あとばる選手は普段からコードありでやっているんですか?

あとばる:そうですね。『1』の甲子園のときからコントローラにコードがついているのはわかっていたので、普段からコードを繋いでやっているんですけど、甲子園で使うコントローラってコードが外れないように本体と一体化しているタイプで、市販されているプロコンとは微妙に違うんですよ。それで、コードも長くて、持ったときに普段よりも重く感じるというか。
しぇるたん:気のせいかもしれないですけど、持ったときの感覚も普段のプロコンよりも大きく感じるんですよね。
あとばる:確かにそれは感じる。
しぇるたん:それもあって、特にエイムでゴリ押しして前線で暴れるプレイヤーは、エイムの感覚のズレが響いて普段通りに相手を倒せなかったりしがちなんですよねなので、もしちょっとエイムが悪くても試合には勝てるようなチーム練度をつけていくことは、甲子園で勝つためには必須かなと思います。

 

――たとえ下振れしても勝ち切れるだけの練度をつけていくことが求められるわけですね。

あとばる:そうですね。まあ、そもそも練習段階で上振れて勝つのがそんなに好ましくないですよね。「危なかったけど、最後に味方が3人連続で倒して勝った」というのはたまたま運がよかっただけの話でしかなくて、本来は最後に3人を倒さないと勝てないような状況にしないことが大切ですから。

 

――そういう一か八かにかけていたら一発勝負の甲子園だと……。

あとばる:安定はしないですね。やっぱり、1本先取ってのがポイントで、誰かがボムを踏んでひとり人数差ができただけでガラッと状況が変わったりすることもありますし、そこが甲子園の難しいところではありますね。

 

【今回のまとめ】
・チームとしての勝ちと負けパターンを把握すべし!
・理屈の通った意見を述べてチーム全体の意思統一を図ろう!
・たとえエイムの調子が悪くても勝てるだけのチーム練度をつけることが大事!

 

次回も引き続きふたりの対談をお届け。

お互いに気になることを相手に質問してもらったぞ。その気になる質問の内容は……!?

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次回は12/9(金)ごろ更新!!