ZweiLanceのDMゼミナール vol.10 ~轟炎の竜皇編~

By ZweiLance

 コロコロオンライン読者の皆さん、こんにちは!最強の2本槍ことZweiLance (ツヴァイランス) だ。

 さて今回のDMゼミでは、GoA第2弾で登場した様々な新カードについて、注目すべきポイントや使い方を解説していく。

 特にアビスロイヤルの大躍進が半分以上を占めており、使用者も入賞も非常に多い新デッキなので、新カードについては確実におさえておいて欲しい。

 それでは早速1枚目のカードから見ていこう。

《邪龍 ジャブラッド》


▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《邪龍 ジャブラッド》

 これまでアビスデッキの除去耐性といえば、《アビスベル=ジャシン帝》の「手札を2枚捨てる能力」と、《深淵の三咆哮 バウワウジャ》の「自分のターン中破壊以外されない能力」がメインだったが、信じられないことにこの《邪龍 ジャブラッド》は、自身含む味方全てに複数回の除去耐性を与えてしまった。

 《邪龍 ジャブラッド》自身が1体で最大4枚墓地を増やすことができ、さらに他の《邪龍 ジャブラッド》も並べれば攻撃時の墓地肥やし効果は重複するため、まだ使ったことがない人は信じ難いと思うが、4ターン目にして平気で山札を残り数枚まで掘りきってしまう

 そうなれば除去耐性は実質無限。仮に全体除去を食らってもまた攻撃時に墓地を肥やし直せば良いだけなので、シンプルな除去シールド・トリガーはものともしない。

 3ターン目にタマシードとして場においても優秀で、続くターンの《アビスベル=ジャシン帝》をより強力なものにしてくれる。

▲ゴッド・オブ・アビス 第1弾「伝説の邪神」収録、《アビスベル=ジャシン帝》

 また、アビスデッキは特にコストが重要なデッキで、《アビスベル=ジャシン帝》が場にいれば3は1、4は2というように読み替えることができる。

 そうすると《邪龍 ジャブラッド》は1コストのカードで、かつ追加のアビスラッシュ先を探しに行けるカードになり、アタッカーとしてもエース級だ。

《ブルーム=プルーフ》


▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《ブルーム=プルーフ》

 アビスデッキでは待望の対策クリーチャーも登場だ。

 特に環境で活躍する《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》や《有象夢造》のほか、《蒼狼の王妃 イザナミテラス》や《神羅ケンジ・キングダム》、《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》など、ありとあらゆるデッキのコンボを封殺、あるいはワンテンポ遅らせることができる。

 このクリーチャー単体であれば意外と簡単に対処できるのだが、前述した《邪龍 ジャブラッド》による除去耐性との相性が本当に良く、なかなか場を離れてはくない。

 加えて、アビスデッキは”倒されても何度も蘇る”が売りの闇文明。相手のリソースを奪いつつ、何度でも場に出てきて制圧していく。

《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》


▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》

 決して無駄にならない確実な手札破壊能力を持っているが、特に注目すべきは非常に珍しい「シビルカウント」能力だろう。

 アビスデッキでは簡単に条件を達成することができるわけだが、コピーする能力次第ではゲームを終わらせかねない。

▲ゴッド・オブ・アビス 第1弾「伝説の邪神」収録、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》
▲王来MAX 最終弾「切札! マスターCRYMAX!!」収録、《CRYMAX ジャオウガ》

 例えば《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ /「未来から来る、だからミラクル」》の能力をコピーすると、《百鬼の邪王門》のような強力なコンセプトカードも無効化することができるし、《CRYMAX ジャオウガ》の能力をコピーすれば、相手のシールドを一気に減らし、奇襲を仕掛けることもできる。

 その他にも、相手の墓地のカードを山札の一番下に送る能力は、強力な「出た時」効果を持つクリーチャーに限られるわけではない。

 それこそ、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》などを山札下に送れば相手は「無月の門99」を起動しにくくなるだろうし、魔導具呪文を1枚山札に下に送るだけでも、《ガル・ラガンザーク》着地のリスクは一気に軽減される。

 こういった使い方も覚えておくと、特に《アビスベル=ジャシン帝》から「アビスラッシュ」した際、様々なカウンターをケアできるので色々なシチュエーションを経験しておくと良い。

 あと、何気ないスレイヤーが強い。本当に。

《環嵐!ホールインワン・ヘラクレス》


▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」《環嵐!ホールインワン・ヘラクレス》

 《十番龍 オービーメイカー Par100》のデッキや、水闇自然軸の《CRYMAX ジャオウガ》デッキでの活躍が見られる強力な新規スーパーレアがこちら。

 出た瞬間に物凄い仕事をするタイプではないのだが、タマシードである特性を生かし、継続的にマナからアドバンテージを稼ぎ続け、理想的な盤面を形成していくのが主な使い方になる。

 また、不意に飛んでくる墓地リセット能力も強力で、それこそ先ほど紹介したアビスデッキなどはかなりのダメージを受けるし、《龍素記号wD サイクルペディア》や《絶望と反魂と滅殺の決断》などを使うデッキも計算が狂いがちだ。

 最終的にはクリーチャー化し、かなりの火力を持ったフィニッシャーまで担ってくれるので、文句の付け所がない、超注目カードとして覚えておいて欲しい。

《コッコ・武・ルピア》


▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」《コッコ・武・ルピア》

 特に火闇軸の《百鬼の邪王門》デッキで活躍しており、アビスデッキ相手の墓地対策として、《邪龍 ジャブラッド》のような除去耐性を超える役割を担っている。

 さらには自身の山札回復も行え、《百鬼の邪王門》を連打しても山札切れの恐れがない。

▲十王篇 第3弾「幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!」収録、《百鬼の邪王門》

 ……そもそも山札切れするほど《百鬼の邪王門》撃つか?という問いに対して、こちらのカードも併せて紹介しよう。

《悪縁 ガクブッチ=リッチーモア》


▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《悪縁 ガクブッチ=リッチーモア》

 《百鬼の邪王門》からこのクリーチャーを踏み倒すことで、唱えた《百鬼の邪王門》をすぐさま回収できるようになったのだ。

 これら2種の新カードにより、火闇軸の《百鬼の邪王門》デッキは飛躍的な進化をし、現在は大会シーンで見かける機会も増えている。

 カウンターで出すにしてもブロッカー、これまたスレイヤーということで、ガッチガチの受け性能を持つ。

 アビスデッキでももちろん強力なのだが、回収効果を一番上手く使えているのが《百鬼の邪王門》とのコンボだろう。このデッキに対して攻める際には、《若き大長老 アプル》や《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》のような、何かしらの対策カードが必須となる。

《イデア・パラドックス》


▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《イデア・パラドックス》

 今後も長く使われていくであろう超汎用的な軽量除去呪文が新登場だ。

 《「無月」の頂 $スザーク$》の登場でますます強化を得た《卍 新世壊 卍》の破壊はもちろん、GoA第1弾で登場した《十番龍 オービーメイカー Par100》に対しての強力な対策も担っている。

 主にアドバンス・フォーマットでの活躍が見受けられていたが、最近ではオリジナル・フォーマットでも使われる機会が増え、《十番龍 オービーメイカー Par100》・《卍 新世壊 卍》の対策としておさえておこう。


 アビスロイヤルの大躍進が特に注目だったが、実はまだ第2弾なので、ここからさらにさらに強化されるのを思うと恐ろしい。

 今のうちから基本の動きを理解しておくことで、新カードが登場してもきっとすぐに対応できるだろう。ぜひ、この記事を参考にデッキを組んでみて欲しい。

 また、ここには書ききれなかった他にも沢山の注目カードがあるので、皆さんのデッキでその強さを確かめてみよう。

 本記事の内容を講義形式でお送りした動画はデュエチューブにて公開中だ。

 それではまた次回のDMゼミでお会いしよう。


ZweiLance:
デュエル・マスターズの超強豪プレイヤーにして、YouTubeの「ZweiLance Channel」でデュエル・マスターズに関するコンテンツを主に配信するYouTuber。『モルトNEXT』『デ・スザーク』『アナカラーデッドダムド』『オカルトアンダケイン』などの名手として知られ、競技デュエマにかける情熱は誰よりも熱い。主な戦績はグランプリ-7th3位入賞、日本一決定戦2018トップ8入賞、日本一決定戦2019出場権をDMPランキング上位枠で獲得など。
 
YouTube「ZweiLance Channel」:
https://www.youtube.com/channel/UCgo6OjaW8C8kghG0SHwMsJA

「ZweiLanceの新カード風林火山」のバックナンバーはこちら

「ZweiLanceのDMゼミナール」のバックナンバーはこちら