【カブトクワガタ日記】第28回 グルメな虫ども、食事を拒否する

黙って食ってくれ……w

 秘境の谷のよろず屋で究極の虫エサ、“ばんのう!でんせつのようちゅうのえさ”(平仮名は読みにくいので、以後“伝説のエサ”と表記する)が買えることが判明し、

 「は、はぁはぁ!! つつつ、ついに最大最強のカブトクワガタを生産することができるぞ!!!」

 ってんで、いきなり世界最大の甲虫であるヘルクレスオオカブトの交配に入った……ってところまで前回の記事で書いた。

 虫のオスとメスを交尾させると卵を産むわけだけど、そこから成虫になるまでに必ず4回、フンとエサが入り混じってしまった土を交換することになる。これがいわゆる“給餌”になるわけで、ここでいかに栄養価の高い土(=エサ)を与えられるかが、屈強な戦士を生み出せるかどうかの分水嶺になるわけなのである。

 となれば当然ながら、4回すべてにおいて伝説のエサを与えたくなるのが人の子というものだ。一度でもショボいエサにしてしまったら、MAXで100まで成長するってのに90とか95で抑えられてしまうかもしれない……って考えるに決まっているんだからな。

 で、俺は良かれと思って高価でセレブな伝説のエサ(シツコイけど1個5000円な)を与え続けたわけだけど、あろうことかヘルクレスオオカブトのサナギ野郎は……ッ!!

 まさかのハンガーストライキきたぁぁぁあああ!!!(驚)

 いやいくら食い飽きたからって、ひと粒も口にしねぇとはいい根性してるじゃねえかよ!!ww

 本来、ここでもキチンとエサを食べてくれたなら、

 うんうん。成長具合は〇程度だけど、完全に止まるよりはよっぽどマシだな。

 もっとうまくいけば……!

 おお!! ◎か!! 大したエサをあげたわけじゃないけど、これでぜんぜん御の字だよなーーー!!ww

 それなのに……まさかのハンスト!!ww ここで与えた1個5000円の伝説のエサ(シツコイ)、無駄になっちまったじゃねえか!!!>< しかし、この段階で栄養価の高いエサがNGになるなんて予想だにしていないわけで、これぞまさしく……初見殺しと言っていいのではなかろうか!!?!?

 それでも、ここに至るまではエサを食ってくれていたので、最終的に誕生したヘルクレスオオカブトのオスは……!

 おお!!! 最大の体格だって!!! 具体的なスペックはというと……!!

 うっは!!! でっか!!!

 体格は夢の“伝説”級!! 強さはおそらくカンストとなる“500”で、こだわりの全長に至っては……443cm!!?ww

 これ、どれくらい大きいかと言うと、伝説のエサが手に入る前に育成した個体がだな……!

 体格は“巨大”で強さは“420”、そして全長に至っては408cmだったのだよww これでもかな~~~り大きいなと喜んでいたんだけど、それよりも……35cmもデカいオスを育てることができたってわけだな!!!

 いや~~~!! さすが伝説のエサだわ!!

 1回分の給餌をすっ飛ばしてしまっているというのに、その効果は絶大もいいところ! これでもしも、サナギになる段階でもエサを食わせることができたら……全長はどこまで伸びるのやら!!ww

 この日から俺が、ヘルクレスオオカブト専門ブリーダーになったのは言うまでもないww どのタイミングでどのエサをあげればいいのかを真剣に考えつつ……!

 ゆっさゆっさwww

 交配に交配を重ねる。果たして、その成果は!?

 続く!

 

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『カブトクワガタ』公式ツイッター:
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