あれから20年……! “『甲虫王者ムシキング』20周年記念 POP UP SHOP in OIOI”が開催! 『ムシキング』の歴史を振り返る貴重な展示や物販コーナーが展開されているぞ!

メディア内覧会には“ネブ博士”も登場!

 いまから20年前の2003年、コロコロ読者のド真ん中である小学生を中心に社会現象となった、とあるコンテンツが産声を上げた。

 それは何を隠そう、セガが全国のアミューズメント施設で展開したトレーディングカードアーケードゲーム、『甲虫王者ムシキング』!! わかりやすいルール、対戦要素、カードのコレクション性と少年少女の琴線に触れる要素が満載されたエポックメイキングな作品で、その後のアーケードゲームやスマホのカードソーシャルアプリ、さらにはゲームイベントや大会運営にも多大な影響を与えた歴史的なコンテンツであった……!

 我らがコロコロコミックとの関係も深く、マンガ連載などを通じてその大ブーム形成の一翼を担ったことを覚えている読者も多いはずだ。

 そんな『甲虫王者ムシキング』が2023年1月に生誕20周年を迎えたことを記念し、神奈川県横浜市にあるマルイシティ横浜のイベントスペースにおいて、2023年4月29日~5月14日の期間、“『甲虫王者ムシキング』20周年記念 POP UP SHOP in OIOI”という展示会を開催しているのである!

 開催前日の4月28日にはメディア内見会が開かれ、なんと懐かしのネブ博士も来場するとの一報を受けて、我々コロコロオンライン取材班も急遽現地に駆け付けたのでありました!

 『甲虫王者ムシキング』20周年記念 POP UP SHOP in OIOIの場所は、マルイシティ横浜の7Fにあるイベントスペースだ。この記事が公開されるころにはオープンしているんだけど、営業時間は午前10時30分~午後7時30分となっているぞ(展示入場は午後7時まで)。

 前述の通り、取材班が訪れたのは一般公開の前日。まずはそこで撮影した物販コーナーと展示会場の一部をご覧いただこう。

 物販コーナーの様子がこちらだ。

 

 セガの関係者によると、『甲虫王者ムシキング』が大ブームとなっていた当時はなかったスマホ用のアイテムを多数用意したり、人気のアクリル系のグッズも数多く展開するなど、いまの時代に合わせた商品作りを行っているとのこと。また、『ムシキング』の象徴とも言えるカードを模した小物も取りそろえられているので、かつて夢中になった世代は懐かしくて涙を禁じ得ないかもしれない。

 そして、『甲虫王者ムシキング』の歩みを紐解くように企画された展示会場は……掛け値なしに歴史と伝説と感動が詰まった、お宝だらけスポットと化しているからタマラナイ!!!

 ぜひとも、実際に来場して実物を見てもらいたいので、ここではその一部だけを写真で紹介するけど……!!

 

 当時、小学館が刊行したムックなども展示されているので、来場された際はぜひとも探してみてね!

 そして……!

 前述の通り、このメディア内見会に合わせて『甲虫王者ムシキング』の名物キャラ“ネブ博士”が一夜限り(かどうかはわからないけど)の復活!! 囲み取材で当時の思い出を語ってくれたので、その様子をお伝えしよう。

▲ネブ博士といっしょに写っている筐体は、5周年を記念した大会を行ったときに使ったものとのこと。関係者や来場者の寄せ書きが所狭しと書かれていて、よく見るとコロコロコミックのものも……!

--その衣装を着たのは久しぶりかと思いますが、問題なく入りましたか?

ネブ博士 入りました! わりと問題なく!

--まず、20周年を迎えた感想をお聞かせください。

ネブ博士 リリース当時は、カードをスキャンして親子そろって遊ぶ……というコンテンツは存在しませんでした。そういう意味では、いまでこそキッズカードと言うジャンルができていますけど、『ムシキング』はその走り……原点だったんだなと思います。キッズカードゲームではありますけど子ども騙しのものを作っている感覚はまったくなく、親子で本気で楽しめるエンタメを目指して開発にいそしんでいました。それを、本当に皆さんに愛していただいて、社会現象と言われるほどに育てていただいて、改めてありがたいことだなと感じています。

--開発当初、社会現象と言われるほどコンテンツとして育つと思っていましたか?

ネブ博士 夢は、大きかったです。「マンガになったらいいな」、「アニメにならないかな」、「コロコロコミックに載ったらスゴいよな……!」と、開発チームで語り合っていましたから。そして実際に、それらの夢はつぎつぎと実現していくわけですけど、それはそれはうれしい体験でしたね。

--「これはくるかも!」と最初に手応えを感じた瞬間は?

ネブ博士 2003年の1月にリリースされたわけですけど、プレイヤーの皆さんがすぐにカードを集め終わってしまったと聞いたときでしょうか。でもその後、売り上げが下がってきてしまい、「これはヤバいかも!」となって夏限定カードを出したり、秋に新たなカードを出したりしたんですけど、そのころから親御さんが夢中になっている……という話を聞くようになりました。なんでも、お父さんがお子さんのために会社帰りにがんばって『ムシキング』をプレイしてカードを持って帰る……とか(笑)。そういったエピソードをちょいちょい聞くようになって、「楽しんでもらえているのかも!」と思うようになりました。

--その当時の思い出は?

ネブ博士 皆さん、カードを集めるのが本当に早かったので、「早くつぎを出さないと!」、「バージョンアップしないと!」とよく話していたことを思い出します。でも、当時はいまみたいにネットにつないでアップデート……なんてことはできなかったので、すべて手作業だったんですよ。全国に何千台も設置されている筐体を開けて、アナログにプログラムの書き換えや復旧作業を行っていました。どれくらいの数をやったのかなぁ……。最終的には全国に12000台とか設置されていたので、その筐体すべてを手作業でアップデートしていたんです。当時、2000台くらい出荷されていれば大ヒットという時代だったので、『ムシキング』の規模は非常に大きいものがありました。

--あのころは毎週のようにイベントも行われていましたけど、開発業務との両立がたいへんだったんじゃないですか?

ネブ博士 そうですねー! 平日は開発をして週末は大会に出かけ……という生活で。いまではそんな働きかたはできないと思います(笑)。

▲ネブ博士のおなじみのポーズは、じつはコロコロコミックに由来しているとのこと。「初めてコロコロコミックに『ムシキング』の記事を載せてもらったとき、いまでも覚えていますが白黒ページの小さなスペースだったんです。広告枠だったんですけどね。そこを使ってゲームの攻略法を載せていたりしたんですけど、そこでキャラを立てて“ネブ博士”とし、もっともキャッチーな“えっへん”というポーズの写真をアイコンとして採用しました」とのこと。

 『甲虫王者ムシキング』の大会はじつに10万回以上(!)も実施され、それはギネスブックにも載っている文字通り“世界一”の規模感だった。全国各地のショップから「『ムシキング』の大会をやりたい」とセガにFAXが届き、実際に大会が実施されたら優勝者の写真を送ってもらって公式サイトに掲載して……! そんな、ぬくもりたっぷりの運営には隔世の感すら覚えるが、その当時に得たノウハウはいまでも、セガのゲームイベントで確実に活かされているという。

 

 そんな、伝説のゲームの歴史がわかる展示会“『甲虫王者ムシキング』20周年記念 POP UP SHOP in OIOI”は、このマルイシティ横浜を皮切りに計4会場(マルイシティ横浜、博多マルイ、おのだサンパーク、なんばマルイ)で実施されるとのこと。ぜひ、下記のイベント特設サイトをチェックして、その歴史の一端に触れてほしいと思いました!

●イベント特設サイトはこちら https://www.0101.co.jp/405/info/index.html?contents_id=0586