デュエマ妄想構築録 vol.65-1 ~大量ドローから大量展開!パンドラ・アウトレイジ!!~

By まつがん

 恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック12月号はもう入手されただろうか?

 デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されている。ぜひとも手に取ってみて欲しい。


 「頂上決戦!!デュエキングMAX 2023」は様々なデッキに新カードをもたらしたが、なかでもデッキの足回りを大幅に強化したギミックが存在した。

▲「頂上決戦!!デュエキングMAX2023」収録、《パンドラの記憶》

 《パンドラの記憶》。普通に使うとちょっと強い《エナジー・ライト》というくらいだが、とあるカードと組み合わせることで3ターン目にして爆発的なムーブを行うことが可能になったのである。

▲「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」収録、《超次元の王家》

 そう、《超次元の王家》だ。

 《パンドラの記憶》で《超次元の王家》を超次元ゾーンに送ると、「パンドラ・シフト」をしていなくても2ドロー1ディスの能力は誘発するので、結果として3ターン目に5ドロー2ディスという脳汁ドビュッシー間違いなしのコンボが実現するというわけだ。

 ただ、デュエル・マスターズは別に手札をいっぱい抱えたら勝ちというゲームではない。ゲームに勝つためには、大量の手札を何らかの出力に変換する必要がある。

 では、大量の手札を出力につなげる方法といえば何だろうか?

 答えは簡単だ。

▲新3弾「気分J・O・E×2 メラ冒険!!」収録、《”必駆”蛮触礼亞》
▲双極篇 第1弾「轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」収録、《勝利龍装 クラッシュ”覇道”》

 フレア覇道のコンボを使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 手札さえあればわずか3マナで追加ターンが得られるフレア覇道のコンボはかつて一世を風靡した。「開発部セレクションデッキ『火水覇道』」としてデッキごと販売されたこともあるほどだ。

 この点、超次元ゾーンに送った《超次元の王家》は4マナ払えばSA2打点として運用できるので、追加ターンが取れるフレア覇道との相性も抜群と言える。環境の変化に伴い最近はあまり見かけなくなったデッキだが、《パンドラの記憶》+《超次元の王家》のコンボを組み込めば、再びメタゲームの第一線に立てるだけのポテンシャルを発揮できるに違いない。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『パンドラ覇道』

枚数
カード名
4 《AQvibrato》
4 《貪欲な若魔導士 ミノミー》
4 《同期の妖精/ド浮きの動悸》
4 《終止の時計 ザ・ミュート》
4 《世露詞駆 キャロル》
4 《超次元の王家》
1 《”轟轟轟”ブランド》
4 《勝利龍装 クラッシュ”覇道”》
4 《パンドラの記憶》
3 《テレポート・チャージャー》
4 《”必駆”蛮触礼亞》

 

 フレア覇道揃わなかった時の動きが弱すぎる!!!😡😡😡

 もともと覇道というデッキタイプは、《ドンドン吸い込むナウ》や《水晶の記録 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》などでコンボパーツを探しながらある程度溜める動きも前提としていた。それゆえにある種当然だが、いくら《パンドラの記憶》で上ブレ5ドローできるとはいってもそれだけでフレア覇道が確実に揃えられるわけでもなく、揃わなかった際の下ブレの動きは生まれたての子鹿を彷彿とさせる貧弱さ具合であった。

 あとそもそも致命的な欠陥として相手に《同期の妖精/ド浮きの動悸》を出されると《”必駆”蛮触礼亞》の強制バトルで覇道が光速で帰宅してただのニートどころかド級のニート、ドニートになってしまうのが終わりすぎていた。そりゃあ誰もフレア覇道してないわけだわ。

 ともあれ、フレア覇道のアイデアは挫折した。ならば《パンドラの記憶》+《超次元の王家》で確保した手札を出力に変換できる別のアイデアを考えるしかない。

 ここで私は考えた。フレア覇道の弱点はコンボパーツが4枚ずつしか積めないため、早いターンに安定して揃えるのが難しいという点にある。

 ならば、コンボパーツが8枚ずつ積める2枚コンボを使えばいいのではないだろうか?

 そう、すなわち。

▲アビス・レボリューション 第3弾「魔覇革命」収録、《武打!rAsh&ルピア》
▲「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」収録、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》

 「侵略」すればいいのでは???🤔🤔🤔

 《超次元の王家》は火のコマンドであるため、レッドゾーン系統とはもともと相性が良い。さらにそこにアビス・レボリューション第3弾「魔覇革命」で登場した《武打!rAsh&ルピア》を加えれば、下バイと上バイを安定して揃えにいけるはずだ。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『パンドラ・レッドゾーン』

枚数
カード名
4 《AQvibrato》
4 《異端流し オニカマス》
4 《同期の妖精/ド浮きの動悸》
4 《武打!rAsh&ルピア》
4 《超次元の王家》
4 《強瀾怒闘 キューブリック》
4 《龍装者 バルチュリス》
4 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
4 《轟く侵略 レッドゾーン》
4 《パンドラの記憶》

 

 パンドラ引けないとカス!!!😡😡😡

 デッキ全体を《パンドラの記憶》+《超次元の王家》コンボが決まる前提で構築してしまっているため、《パンドラの記憶》が引ければいいけれどもそうでない場合に噛み合わないカードが多く、じゃあいっそのこと《超次元の王家》だけ残してパンドラ抜いた方が良くね?という身も蓋もない結論にたどり着きそうになりこのアイデアもお蔵入りとなった。

 ここまででわかったのは、「《パンドラの記憶》+《超次元の王家》」というそれ自体2枚揃える必要があるコンボによって他の2枚コンボを揃えるような構造は、仮定の上に仮定を重ねた砂上の楼閣になりがちというものだった。

 もちろん揃って引けたときの上ブレは気持ちいいのだが、その分だけ下ブレの不協和音が増してしまうのだ。

 では、これを解消するにはどうすればいいか?

 わかりやすい解決法としては、「《パンドラの記憶》+《超次元の王家》」のセットを引いたときとそうでないときとで出力に差が出すぎない構造をとればいいというものだ。

 とはいえ、もちろん5ドローのあるなしで出力が変わらないデッキなどあるはずもない。5ドローしたら身体中のありとあらゆる器官から汁が出るし、5ドローできなければテンション爆下げに決まっている。

 しかしここで重要なのは脳汁が何リットル出るかという話ではなく、0ドローの場合でもゲームに勝てる最低限の出力さえ超えられるデッキならば、5ドローのパターンは過剰な出力として処理できるという点だ。

 つまり「《パンドラの記憶》+《超次元の王家》」のセットについては「あったらなお良いが、なくても勝てる」という構造にしてしまえばいいのである。

 そこで私が考えたのは、手札の枚数が何枚であろうと常にその時点でのリソースを吐ききって対戦相手を十分倒しにいけるデッキであれば問題ないというものだった。

 そう、すなわち。

▲エピソード3「レイジVSゴッド」収録、《無重力 ナイン》
▲「大感謝祭 ビクトリーBEST」収録、《強瀾怒闘 キューブリック》

 アウトレイジ・ビートダウンにすればいいのでは???🤔🤔🤔

 アウトレイジという種族には0マナでクリーチャーを展開できるカードが多数存在する。そしてこうしたカードを使えば、「《パンドラの記憶》+《超次元の王家》」を引けていないなら「火水ギャラクシー」のような高速オールインとして最速でジャスキルを組めばいいし、「《パンドラの記憶》+《超次元の王家》」を引けているなら、大量の手札を生かして相手のメタクリなどを越えた過剰打点の構築を目指せばいいというような、変速多段ギアのビートダウンが実現可能となるのだ。

 そう……いつ何時でも、それこそ《パンドラの記憶》を唱えた後でも、手札内容次第でマナを使わずに打点を並べるか並べないかを判断してゲームプランが決められるというアウトレイジの特殊性が、5ドローという過剰な上ブレを制御するカギだったのだ。

▲新1弾「ジョーカーズ参上!!」収録、《神出鬼没 ピットデル》
▲「大感謝祭 ビクトリーBEST」収録、《弾丸超邪 クロスファイア》

 《神出鬼没 ピットデル》は《強瀾怒闘 キューブリック》の2枠目であり、《世露詞駆 キャロル》を安定して捨てられる上に、《強瀾怒闘 キューブリック》と違って最速1ターン目からオールインを狙いにいけるという上ブレ要素もある。

 《弾丸超邪 クロスファイア》はこのコンセプトを成立させている最も重要なキーパーツで、4ターン目に《超次元の王家》を超次元ゾーンから召喚しながら出すことでスピードアタッカーの5打点を容易く用意することができる。この点で一見噛み合っていそうだが1マナを要求するゆえにデッキに入らなかった《”逆悪襲”ブランド》では不可能な役割を果たせるというわけだ。

 というわけで、できあがったのがこちらの「パンドラ・アウトレイジ」だ!

 『パンドラ・アウトレイジ』

枚数
カード名
4 《AQvibrato》
4 《同期の妖精/ド浮きの動悸》
3 《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》
4 《世露詞駆 キャロル》
4 《無重力 ナイン》
4 《神出鬼没 ピットデル》
4 《強瀾怒闘 キューブリック》
4 《超次元の王家》
4 《弾丸超邪 クロスファイア》
1 《“轟轟轟”ブランド》
4 《パンドラの記憶》

 

まつがん「よし、デッドマン!このデッキで勝負だ!!」

デッドマン「いいですよ!」

まつがん「まずは先攻2ターン目、《超次元の王家》を『パンドラ・シフト』!2枚引いて、捨てるのは《世露詞駆 キャロル》!そのままバトルゾーンに出すぜ!さらに《無重力 ナイン》を『G・ゼロ』で召喚してターンエンドだ!!」

デッドマン「ちょっと待ってください!このターンカードを3枚以上引いていますね?《ベニジシ・スパイダー》!さらに《ベニジシ・スパイダー》!!ついでに《流星のガイアッシュ・カイザー》!!

▲覚醒編 第3弾「超竜VS悪魔」収録、《ベニジシ・スパイダー》
▲「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」収録、《流星のガイアッシュ・カイザー》

 じゃあ俺はこんなゲームやってられるカイザーでテーブルを破壊してターンエンドだ!!!😡😡😡

 ではまた次回!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.64バックナンバー
デュエマ妄想構築録 vol.64-1 ~ブロッカーにしてOG!古代神殿邪王門!!~
デュエマ妄想構築録vol.65バックナンバー
デュエマ妄想構築録 vol.65-1 ~大量ドローから大量展開!パンドラ・アウトレイジ!!~

 

次回更新は11/24(金)更新!!