【プロセカ】進級記念ユニットソングインタビュー! “halyosy”さんが語る“バーチャル・シンガー”と、オリジナル楽曲『アイムマイン』について!

バーチャル・シンガーのユニットソング誕生秘話

 2023年9月30日にサービス開始3周年を迎えた、セガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』。コロコロオンラインがこのコンテンツに寄り添い続け、ボカロPインタビュー連載を始めとするさまざまな記事を発信しているのは、読者の皆さんはご存じのことかと思う。

 そんな、プロセカ大好きな担当記者がつぎに向かったのは……! 3周年を記念して作られた“ユニットソング”!!

 Leo/need、MORE MORE JUMP!、Vivid BAD SQUAD、ワンダーランズ×ショウタイム、25時、ナイトコードで。、そしてバーチャル・シンガーの6つのユニットに、それぞれ進級記念となるオリジナル楽曲が制作されるとのことで大いに話題になったけど……!
 そのうちの数組のボカロPの方々に、楽曲誕生までのエピソードを語っていただく機会に恵まれた。

 今回ご登場いただくのは、バーチャル・シンガー(バチャシン)に提供された楽曲『アイムマイン』を作られた“halyosy”さんだ。

 halyosyさんは、Leo/needにオリジナル楽曲『Flyway』も提供されているボカロPさん。よって、『プロセカ』に曲を書き下ろすのは『アイムマイン』で2曲目となるのだ!

 そんなhalyosyさんに、『アイムマイン』の誕生秘話と、そこに込められた想いを存分に語ってもらったぞ!

※本インタビューはメールで行い、いただいた回答を元に構成したものです。

サビの歌詞は……甥っ子を注意したときのセリフ!?

――halyosyさんはコロコロ初登場! そこで、まずは簡単に自己紹介をお願いしたいのですが……!

halyosy はじめましておひさしぶりhalyosy(ハルヨシ)と申します! えーと、ふだんは自宅に篭りながら、ボカロPをやっています。2007年から歌い手としても活動していましたが、いまは楽曲制作がメインですね。あと最近は、肩こりがヤバくて筋トレを始めました。そんな感じで、よろしくお願いします。

――今回、『プロジェクトセカイ』で書き下ろしユニットソング『アイムマイン』を提供されましたが、この依頼を受けたときの率直な心境をお聞かせください! またhalyosyさんはLeo/needに『Flyway』を提供されていますが、そのときとは違ったプレッシャーや喜びなどもあれば、あわせてご回答をお願いします!

halyosy うれしさと同時に、「僕でいいんですか?」って思ったのが正直な気持ちでした。まだたくさんのボカロPが控えている中で、2曲目の書き下ろしを担当させてもらえるなんて……。こんな機会は滅多にいただけるものじゃないと思いました。SNSやイベントを通じての印象ですが、ユーザーの皆さんの声に推されての大抜擢だな……と、個人的に強く感じています。と言うのも、ありがたいことに『Blessing』(2014年に公開したhalyosyの代表曲)などの影響で、「ボカロの6人合唱といえばhalyosy」と言っていただける機会がとても多かったので。その期待に、しっかり応えたいと思いました。あと、いまの技術や環境で6人曲を書いてみたいと思っていたので、そういう意味でも念願が叶いました。

――楽曲を担当したユニットはバーチャル・シンガーですが、彼らはセカイごとに姿を変え、他のユニットの20人をサポートしてきました。ゲーム内でのミクたちには、どのような印象をお持ちですか?

halyosy ストーリーや性格も大切ですけど、僕はビジュアル要素をかなり強めに優先してゲームをするタイプなので、バチャシンの新たな一面を見られるとうれしくなっちゃうんですよね。古(いにしえ)のボカロ曲といえば公式設定しっかりめのMVが多いですが、『プロセカ』では衣装や髪型が豊富で、すっごい楽しいです。

――あー! すごくわかります!!

halyosy これは私的な意見でたいへん恐縮なんですが、カラフェスで実装されたアップバングのKAITO兄さん、とてもとてもステキです。……と思ったら、その後レンくんまで来たので、企画したスタッフさんや絵師さんたちに心から感謝を伝えたいです。

※MV画面はバーチャル・シンガーver.のものです。

――では、書き下ろし楽曲『アイムマイン』を作られたときのテーマをお聞かせください! 方向性は、どのように決められましたか?

halyosy いつも図書館などで、図鑑や本を読みながら作詞をスタートすることが多いんですが、今回は“ボカロが機械であること”を強く意識しながら本を探しました。

――おお……! じつに興味深い……!

halyosy そこで、最終的にたどり着いたのが“理科の参考書”です。機械が観測する人間の成長……みたいな視点を表現してみたくて。基板とか回路をひさしぶりに見て、めっちゃ懐かしくて楽しかったです。「あ~豆電球だぁ~」とか(笑)。あと、甥っ子が小中学生なので、彼らでもわかる単語がいいなと。というか甥っ子がめっちゃ『プロセカ』にハマっていて、それがいちばんのプレッシャーだったかもしれません(笑)。

――では、『アイムマイン』という曲名に込めた想いをお聞かせください。

halyosy この曲名を英語で表記すると「I’m Mine」なんですが、直訳すると「僕は僕のものだ」といった意味になります。いろんな情報が溢れている時代なので、なかなか自分を貫くのはたいへんかもしれないんですけどね。でも、“そうでもしなきゃ、彼らは生き残っていけない”といままでのストーリーで感じたので。なので誰かが、「君はそのままでいいんだよ」と声をかけてあげなきゃと思いました。で、その役目がバチャシンなんだろうな、と。つぎの一歩を踏み出すパワーみたいなものを、タイトルに込めました。

――『アイムマイン』の中で、とくにお気に入りの歌詞を教えてください!

halyosy サビに「失敗のチャンスを奪わないで」という歌詞があるんですが、これは甥っ子たちとオンラインゲームで遊んだときに、ケンカを仲裁するために僕が言ったセリフなんです。兄っ子は操作が上手で、それが苦手な弟っ子にアレコレと指示やネタバレをするんですけど、ゲームに限らずどんなことでも、最初から完璧にこなすなんて……まぁ無理じゃないですか。それを見て、失敗すること自体を経験できないのは、なんだかもったいないなって思っちゃって。とっさに僕が注意したときの言葉が、そのまま歌詞になっています。

――それでは当楽曲の“聴きどころ”を教えてください! ポイントや、こだわられた部分をお聞きできれば幸いです!

halyosy コーレス(コール&レスポンス)が多めなところですかね! 理科の用語を使ってコーレスをしてみたくて、「Hz(ヘルツ)」や「Ω(オーム)」といった単語を入れています。ぜひライブやカラオケなどで、声に出して盛り上がってもらえたらうれしいです。

――そんな『アイムマイン』の制作日数は、どれくらいになるのでしょうか? それに付随して、難産だったか、それとも比較的スラスラと作れたのか……など、制作難度をお聞かせください!

halyosy いやもう、めっちゃたいへんでした! 僕は歌詞から作るんですけど、制作期間のうち9割は作詞をしていたと思います。ですので、運営さんに提出した最初のデモはまったくアレンジが間に合わなくて、ピアノ1本の弾き語り音源でした。あの状態のデモ音源から完成形を想像し、信じて待ってくださった運営さんには、本当に感謝しています。そこから、残ったわずかな期間は怒涛のアレンジタイムになりました。奏者の皆さんにご協力いただいて、大急ぎでブワァーーーッと……! いつも演奏陣には、たいへんお世話になっております。

――3DMVや、ゲームに実装されたのを初めてご覧になったとき、どのように思われましたか?

halyosy ビジュアルがグレードアップしたバージョンだったので、「すげぇ!」ってなりました。「あぁ生きてる、命を宿してる」と感じましたね。こうやって、自分の曲で動いているバチャシンを見るのは、めっちゃ胸が熱くなります。ダンスミュージックにして、マジで良かったと思いました。というのも僕、踊ってる人が死ぬほど大好きなんですよ! そんなわけないとわかっているのに、なんだか照明に当たってキラキラと光る汗まで見えた気がしました。ダンスの振り付けが最高で、僕の曲とかは抜きにして、全人類に見てほしいです。もう、ふつうに無理。エモさとかわいさと尊さで、感情がオーバーキル……!

――ゲームに実装後、たくさんの反響があったと思いますが、とくに印象に残っていることありましたら教えてください!

halyosy クリエイターとユーザーがこんなに近いのって、本当にすごいですよね。リプやコメントなどで、いろんな考察をしてくれているじゃないですか。「もう、これが公式設定で良いのでは?」と思える内容から、「それは想像もつかなかった! 天才!」と感じることまで、とにかく無限に読んでいられます。リスナーそれぞれに自由に感じてほしいので具体例は挙げませんが、いろいろな要素を曲や動画に盛り込んだので、がんばって本当によかったです。気づいてくれた人、ありがとう!

――では、『アイムマイン』が大好きなファンの方に向けて、ひと言お願いいたします!

halyosy 彼らのセカイでも僕らの世界でもいろいろなことが起きたし、これからも起きると思います。もうどうしようもない、辛くて仕方ない……という状況の真っ只中では音楽は無力かもしれないけど、少しでも前を向こうと思えたとき、この曲が何かの役に立てたらうれしいです。あと、ぜひ歌ってみてほしい! この曲は、あえてボカロじゃないと歌えないような複雑なメロディーになっていますが、ぜひ色んな音域やジェンダーの人たちと集まって、手分けして挑戦してみてほしいと思います!

――最後に、3周年を経て進級という節目を迎えました『プロセカ』にも、ひと言いただけますでしょうか!

halyosy ゲーマー目線でも、そしてミュージシャン目線としても、『プロセカ』は近年稀に見る大ヒット現場最前線だと思っています。その行く末を、皆さんといっしょに楽しみながら見守りたいです。そのためにも、まずはみんなもスタッフさんたちも、健康で長生きしましょう!

――お忙しい中、本当にありがとうございました!!

halyosy

 

2007年に歌い手活動を開始。翌年2008年に初音ミクが歌う「桜ノ雨」を投稿しボカロPとしても活動をスタート。

その後も「Fire◎Flower」「Blessing」「Connecting」「あったかいと」などヒット作を発表。
最近では、ゲーム実装10周年を記念して「スノーマン (ReRec) ft. KAITO」のオリジナルMVを投稿した。

『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』では、Leo/needへ「Flyway」、バーチャル・シンガーへ「アイムマイン」を書き下ろししている。

人生を讃美するアンセムを得意としており、大人数の合唱曲は様々なシーンで歌い継がれている。
現在は、ボーカロイド楽曲・提供曲の両輪で楽曲制作を続けている。

 

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タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

■対応OS:iOS/Android

■App Store URL:https://itunes.apple.com/app/id1489932710

■Google Play URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai

■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai