デュエマ妄想構築録 vol.69-4 ~高速超展開!スノー・ファイア!!~

By まつがん

 さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。

 それが、こちらのカードだ!

▲王道篇 第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」収録、《冒険妖精ポレキチ》

 なんかやばそうな能力してるな……?

 さて、4月13日(土) に発売予定の王道篇第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」に収録される新カード、《冒険妖精ポレキチ》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。

 それを考えるにあたっては、「《冒険妖精ポレキチ》から何を出したら強い動きになるのか」をまず考えるべきだろう。

 そしてそのためには、そもそも「マナからクリーチャーを出せるようにする」という行為は、「マナにあるクリーチャーを手札に戻す」のと実質的にはそう変わらないという事実と向き合う必要がある。

▲「大決戦オールスター12」収録、《クリクリ・イガラーズ》
▲ドラゴン・サーガ 第2章「暴龍ガイグレン」収録、《トレジャー・マップ》

 2マナで「マナにあるクリーチャーを手札に戻す」カードとしては、他に既に《クリクリ・イガラーズ》が存在している。

 ゆえに《冒険妖精ポレキチ》の登場によって新デッキができるというなら、そのデッキは「《クリクリ・イガラーズ》を8枚入れることにより強度が上がるコンセプト」か、「《クリクリ・イガラーズ》ではなしえないことを《冒険妖精ポレキチ》によって実現するコンセプト」のどちらかでなければならない。

 だが、今まで《クリクリ・イガラーズ》がとりあえず4枚積めるのに成立していなかったコンセプトが、8枚になっただけで突然成立するとはなかなか考えづらい。特に自然のクリーチャーは《トレジャー・マップ》で探せるので、2種8枚なかったとしても水増しが比較的容易だからだ。

 となると、「《クリクリ・イガラーズ》ではなしえないことを《冒険妖精ポレキチ》によって実現するコンセプト」を探す必要がある。

 では《クリクリ・イガラーズ》ではなしえないが《冒険妖精ポレキチ》ならばできることとは一体何だろうか?

 私は両者のテキストを穴が開くほど見比べた……だが、マナ回収だけでなくマナ加速すらも可能な《クリクリ・イガラーズ》に対して《冒険妖精ポレキチ》がテキスト面で勝っている要素は、残念ながら1ミリも存在しないように思われた。

 しかし。

 もしテキスト面で実質的な下位互換だったとしても、それだけで即座にカードそのものが下位互換というわけにはならないのがデュエル・マスターズの面白い部分なのだ。

 そう、すなわち。

▲革命編 第4章「正体判明のギュウジン丸!!」収録、《武家類武士目 ステージュラ》

 《武家類武士目 ステージュラ》が強化されたのでは???🤔🤔🤔

 《冒険妖精ポレキチ》の強みは種族にあった。「スノーフェアリー」には専用のG・ゼロ持ちクリーチャーである《武家類武士目 ステージュラ》が存在しているからだ。

 しかも能力も噛み合っている。《武家類武士目 ステージュラ》のG・ゼロ条件達成のためにスノーフェアリーを3体も普通に並べようと思うとそれだけで手札をほとんど使いきってしまうが、《冒険妖精ポレキチ》のマナから召喚できる効果はマナに置いた《武家類武士目 ステージュラ》を手札にあるかのように運用できるので、手札1枚分の温存につながるからだ。

 あとは《冒険妖精ポレキチ》と《武家類武士目 ステージュラ》とのシナジーで強化されたはずのスノーフェアリーデッキを実際に形にするだけだ。

▲「最強戦略!! ドラリンパック」収録、《応援妖精エール/「みんな一緒に応援してね!」》
▲「大感謝祭 ビクトリーBEST」収録、《弾丸超邪 クロスファイア》

 《応援妖精エール/「みんな一緒に応援してね!」》は普通に使うと一瞬で手札がなくなってしまい、相手を倒しきるだけの打点を揃えることが逆に難しくなってしまいかねないカードだが、《冒険妖精ポレキチ》によって手札が温存できるようになった今なら、高速展開というメリットだけを最大限享受できることだろう。

 そして《冒険妖精ポレキチ》による手札温存は何より《弾丸超邪 クロスファイア》の使いやすさを圧倒的に引き上げてくれる。クリーチャー4体は早期に展開しようとするとどうしても手札かマナのどちらかが足りなくなってしまいがちだが、《冒険妖精ポレキチ》と《武家類武士目 ステージュラ》でマナを手札のように使えるこのコンセプトなら、間違いなく安定して召喚できるはずだ。

▲アビス・レボリューション 第2弾「忍邪乱武」収録、《マーチングバトン ダイダイ》
▲アビス・レボリューション 外伝「邪神と水晶の華」収録、《清浄のカルマ インカ/オキヨメ・水晶チャージャー》

 スノーフェアリーの良い部分はデュエマにおけるかわいさを一手に担う象徴的な種族のため、継続的な強化が期待されることだ。《マーチングバトン ダイダイ》は優秀なトリガーだが、それだけでなくマナに置いておいて最後に展開することで、《冒険妖精ポレキチ》同様の手札温存効果が期待できる。

 また、「邪神と水晶の華」で登場した《清浄のカルマ インカ/オキヨメ・水晶チャージャー》は、「革命チェンジ」こそ止められないもののトリガーも含めてかなり広い範囲を牽制できる優秀なメタクリーチャーであり、単なる脳筋ビートにとどまらないプレイの選択肢を与えてくれることだろう。

▲「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」収録、《”逆悪襲”ブランド》
▲エピソード3「デッド&ビート」収録、《妖精の裏技ラララ・ライフ》

 その他、例をあげればキリがないほどのカードを通過した。私がデッキを作るとき、いつも欠かさないのは一人回しだ。

 36枚のカードが決まったとき、残りの1スロット4枚を埋めるに足る相応しいカードは何か。回す。そういえば別のコンセプトと合体させてみる選択肢もある。回す。ここをこう変えるならいっそこのパッケージをこっちに入れ替えてみてはどうか。回す。

 無数の選択肢を検討し、一番手に馴染んだリストを紹介する。それはこの連載においてデッキのクオリティを担保する上での私の矜持だし、回数の多寡はあれど決して蔑ろにできない過程なのだ。

 その点、今回のデッキはかなり一人回しの回数が多めのデッキとなっている。とはいえ所詮一人回しなので「強さ」ではなく「気持ち良さ」が優先されるため勝てるかどうかはともかく、回していて気持ちいいデッキに仕上がっていることは間違いないので、ぜひ一度試してみて欲しい。

 というわけで、できあがったのがこちらの「スノー・ファイア」だ!

 『スノー・ファイア』

枚数
カード名
4 《冒険妖精ポレゴン》
4 《冒険妖精ポレコ》
4 《冒険妖精ポレキチ》
4 《桜風妖精ステップル》
4 《応援妖精エール/「みんな一緒に応援してね!」》
4 《清浄のカルマ インカ/オキヨメ・水晶チャージャー》
4 《マーチングバトン ダイダイ》
1 《陰陽の舞》
4 《武家類武士目 ステージュラ》
4 《弾丸超邪 クロスファイア》
1 《“轟轟轟”ブランド》
2 《ガガガン・ジョーカーズ》

 

 このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。ちなみにこの連載とデュエチューブとのコラボはこれでラストとなる。最後の対戦で有終の美を飾れるのか……ぜひ見届けていただきたい。

※デュエチューブにて公開予定!

 さて、いかがだっただろうか。

 《冒険妖精ポレキチ》が収録されている王道篇第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」は、4月13日(土) に発売予定だ。

 また、コロコロコミック4月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。

 ではまた次回!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は4/12(金)更新!!