デュエマ妄想構築録 vol.70-2 ～攻撃をチャンスに！ハイパー・ブラックゾーン!!～

By まつがん

　王道篇第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」の「ハイパーモード」持ち超化獣は、コストの軽さの割に高いポテンシャルを秘めているものの、脇のクリーチャーを要求するという一筋縄ではいかない制約によってデッキ構築を少し難しくしている……という点については前回述べたところである。

　だが、ウィザーズR&Dももちろんそんなことは承知の上だろう。ゆえにそうした制約を飛び越える裏技もまた、しっかりと第1弾の中に用意されていたのだ。

　《超化秘伝アビスアサルト》。「アタック・チャンス」は「ハイパーモード」状態の超化獣の攻撃時のみという極めて狭いタイミングながらも、自前の墓地肥やしをした上で4コスト以上のクリーチャーを0マナで蘇生できるという、厳しい条件に見合ったリターンがあるカードだ。

　しかも厳しい条件といっても、火文明以外には2コストの超化獣が1種類ずつ存在している。

　つまり「2コスト超化獣→3コストクリーチャー召喚から『ハイパー化』して攻撃時アビスアサルト」という流れは、光闇/水闇/闇自然という3つの組み合わせにおいてかなりの再現性で実現できるのだ (ちなみに火文明も《ボルシャック・疾・ピピッチ》を絡めれば3ターン目アビスアサルトは可能だが、《超化秘伝アビスアサルト》とどちらも1種4枚しかなくて再現性が低いので検討の優先度は落ちる)。

　では3ターン目に《超化秘伝アビスアサルト》を唱えられたとして、何を蘇生したら一番強いだろうか？

　ここで注目すべきは、「《超化秘伝アビスアサルト》を唱えているということは、既にW・ブレイカーで攻撃しにいっている最中である」という点だ。

　したがって攻撃中の超化獣の攻撃が通れば相手のシールドは残り3枚。よって3ターン目の《超化秘伝アビスアサルト》で蘇生したいのはスピードアタッカー持ちT・ブレイカーということになる。

　だが、デュエル・マスターズのカードプールがいくら広いといっても4マナ以下でスピードアタッカー持ちのT・ブレイカーがまさか存在するはずも……。

　あったのだ。

　SAコマンドを釣りながら《S級不死 デッドゾーン》を墓地に落とせば3キルできるのでは？？？🤔🤔🤔

　《絶速 ザ・ヒート》はスピードアタッカーの闇コマンドでありつつ登場時に墓地肥やしが可能なので、《超化秘伝アビスアサルト》の墓地肥やしと合わせて《S級不死 デッドゾーン》が墓地に落ちる可能性はかなり高い。

　しかもダイレクトアタッカー要員の《龍装者 バルチュリス》までも回収できるので、「ハイパーモード」状態の超化獣でW・ブレイク→《超化秘伝アビスアサルト》で蘇生した《絶速 ザ・ヒート》で攻撃時に《S級不死 デッドゾーン》で「S級侵略」しつつ《龍装者 バルチュリス》宣言という無法の3ターンキルが可能となるのである。

　《不死 デッド55》は《龍装者 バルチュリス》こそ回収できないものの、《絶速 ザ・ヒート》と同じくSA持ちの闇コマンドで墓地肥やしも可能ということで、《超化秘伝アビスアサルト》の蘇生先を用意できる再現性を高めてくれる。

　また、2ターン目に超化獣を召喚した後、3ターン目に出すクリーチャーは《超化秘伝アビスアサルト》を探しにいけるものが望ましいところ、《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》はトリガーでありながら《超化秘伝アビスアサルト》を手札に、《S級不死 デッドゾーン》を墓地にそれぞれ振り分けられる超優秀な3コストクリーチャーだ。

　というわけで、できあがったのがこちらの「ハイパー・デッドゾーン」だ！

　『ハイパー・デッドゾーン』

　2ターン目に超化獣出せなかったら負け確じゃねーか！！！😡😡😡

　「同じカードが2種8枚あればデッキが成立する」というのは私の持論だが、かといってそれがドローも挟めない2マナのカードだと少々事情が違ってくる。2コストマナ加速を初動とするデッキがマナ加速を10枚～11枚搭載しているように、8枚だとまだ引けずに憤死してしまうからだ。

　かといって3文明目を足すならマッハファイター持ちの《森翠月 モスキート》なども考えられるが、2コスト超化獣が引けていないパターンを解消する目的なので、それはそれで今度は「ハイパー化」用に先出しできる2コストクリーチャーが別途必要となってくる。

　それに《龍装者 バルチュリス》がある都合上、3文明目はやはり火文明が望ましい。しかし、火文明には唯一2コスト超化獣が存在しないというのがここにきてネックになってしまったのだ。

　そうなると手詰まりか……そう思われた。

　だが私は、この問題に対する答えを導きだしたのだ。

　そう、すなわち。

　火文明も足して《炎怒の夜 アゲブロム》を使えばいいのでは？？？🤔🤔🤔

　《炎怒の夜 アゲブロム》はスピードアタッカー持ちの超化獣なので、2～3ターン目に「ハイパー化」用のクリーチャーさえ出しておけば、4ターン目に《超化秘伝アビスアサルト》で急襲することができる。

　とはいえこれだと3ターン目《超化秘伝アビスアサルト》の再現性を解消できるわけではない。だが、2マナ超化獣を引けていないパターンはあえて70％程度の出力パターンだと割り切ることで、デッキの動きそのものを丸めることこそがデッキ完成への一番の近道だと気づいたのである。何より超化獣を引けなくて勝率0％の確定憤死よりはマシに決まっている

　そうなると4ターン目に火マナが必要になるが、《S級不死 デッドゾーン》を《禁断の轟速 ブラックゾーン》に差し替えることで、《超化秘伝アビスアサルト》で《炎怒の夜 アゲブロム》を蘇生する《龍装者 バルチュリス》不要プランも肯定できるようになり、デッキの出力をむしろ引き上げられて一石二鳥だ。

　《S級不死 デッドゾーン》ではなく《禁断の轟速 ブラックゾーン》に差し替わったことで、火のコマンドが許容できるようになった。そこで《超次元の王家》は《絶速 ザ・ヒート》の代替でありながら色マナを調整できる優秀なカードと言える。

2ターン目：ほぼ水、たまに闇
3ターン目：ほぼ水
4ターン目：闇火

　上記のように、このデッキのアクションは3ターン目までは水単タッチ闇だが、4ターン目になると急に闇火を要求するという人格破綻デッキとなっている。《絶速 ザ・ヒート》と《禁断の轟速 ブラックゾーン》で闇火を、《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》で水闇を供給できるのはいいが、そうなると水火のカードもないとバランスがとれない。そこで《超次元の王家》はデッキのバランスを崩すことなく、そうした需要を完璧に満たしてくれるのだ。

　《超化秘伝アビスアサルト》の強力な点は、マナコスト以外に蘇生先の文明や性質を選ばないことだ。《単騎連射 マグナム》は素出しして「ハイパー化」の材料に使えることはもちろん、「水火マジック」ほどのアクセス力はないにせよ《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》や墓地肥やしで探しにいけるので、トリガーケアをしたい相手と当たった場合には強力な選択肢となるだろう。

　というわけで、できあがったのがこちらの「ハイパー・ブラックゾーン」だ！

　『ハイパー・ブラックゾーン』

まつがん「よし、このデッキで勝負だ！デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ！……でもその前に、王道篇をハイパー楽しんでいる研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ！」

　はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは！？

　次回に続く！

ライター：まつがん   フリーライター。クソデッキビルダー。 論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。 オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている（が、上記のような理由で大体失敗する）。

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