コロコロコミック500号記念企画!! 歴代編集長リレーインタビュー第2回【1985〜1987】2代目編集長/福島征英

コロコロには正義感のある漫画が必要だ

——ファミコンブーム、ビックリマンブームに続いて、コロコロの漫画についても話をうかがえればと思います。編集長在任時で印象深い漫画はありますか?
 
アニメ化の際に、小学館の他の雑誌から再掲載した『エスパー魔美』(藤子・F・不二雄先生)だな。コロコロに載る漫画で女の子が主人公って、ないでしょう。エスパー魔美はムックをつくろうという話もあって、F先生も乗り気だったんだけれど、結局は出さずじまいだったな。
 
次に、漫画版『ビックリマン』(竹村よしひこ先生)。竹村先生はさ、おれが『てれびくん』の頃にお付き合いのあった先生なの。彼はギャグがおもしろいんだ。それで「ビックリマン」の漫画をお願いすることにした。そうしたら、初回からアンケートの人気が爆発してね。3話目か4話目には表紙に載せるほどの人気になっていた。彼自身、こんなにも人気が出るとは思っていなかったみたいで、驚いていたね。
 

▲当時のコロコロを手にする福島さん。熱き日々がよみがえる

あとは、『おぼっちゃまくん』(小林よしのり先生)も外せないな。小林先生には、おぼっちゃまくんの前に2作描いてもらっていたんだけれど、茶魔のデザインはすごいかわいくってね。これはいい、と思った。びんぼっちゃまが、これまたおもしろくてね(笑)。
 
——貧乏なのにお金持ちのフリをして、服が前半分だけ。後ろ半分は裸という(笑)。『おぼっちゃまくん』を読んでいなくても、びんぼっちゃまは知っている、という人がいるくらい革新的なデザインですよね。ほかにも、強く印象に残っている漫画はありますか?
 

▲福島編集長が『おぼっちゃまくん』のアニメ化を伝えに行った名シーン(『コロコロ創刊伝説3巻より』)

やっぱり、『あまいぞ!男吾』(Moo.念平先生)かな。おれの考える“漫画らしい漫画”で、毎回、コロコロの締めに載せていたんだ。
 

——福島さんの考える、“漫画らしい漫画”とは何でしょうか。
 
漫画としておもしろいのは大前提として、正義感だな。彼の描く漫画っていうのは、正義感にあふれているんだ。それが彼の魅力だと思った。キャラクターにも正義感が体現されているしね。あの漫画がコロコロのラストを飾ることに意味があると思っていたよ。今の時代にも、色褪せない作品だと思う。
 
——2016年には、小学館から、書き下ろしを追加した傑作選が出ています。
 
ああ、そうだよね。何というか、彼の漫画を読むと、前向きで明るい気持ちになれるんだよ。ぜひ読んでほしいね。
 

▲最終回後、熱烈なアンケートによって連載再開を果たした『あまいぞ!男吾』。『コロコロ創刊伝説』3巻より


次回は3代目編集長であり、コロコロ創刊メンバーである平山隆さん(1987〜1991年)が登場だ!! コロコロ創刊秘話はもちろん、藤子・F・不二雄先生との思い出や、漫画『ウルトラマン』シリーズの誕生秘話、『ゲームセンターあらし』のすがやみつる先生との爆笑エピソードなどが盛りだくさんだから、ぜひ読んでくれ!!!!


さらに特大ボリュームで取材余話を掲載! 7代目編集長・サガミネーターとの知られざる関係、『でんぢゃらすじーさん』の感想を語る!! まだまだ読み足りないキミは「次のページへ!!」をクリックだァーーッ!!!!
 

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