【あつ森】『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第46回 4月、最後の激闘(前編)


 

桟橋の戦い

 
いつの間にか5月となり、さわやかな薫風が漂う1年でもっとも過ごしやすい季節となったが……じつは月が4月から5月に切り替わる直前、絶海の小さな島で、ただならぬ激闘が繰り広げられていたことを知る者は少ない。ていうか、俺とフーコしか知らない
 
その夜--。
 
ルナステラ島の桟橋付近で、確かに行われた人類と魚類の壮絶な戦いの模様を再現したいと思う。
 

 

釣り逃すと……

 
月が切り替わる直前の『どうぶつの森』は、じつにせわしなくなる。これは『あつ森』に限らず、シリーズ作品すべてが同じ恒例行事のようなもので、住人は月末になると必ず虫あみと釣り竿を担いで、
 
「えっほえっほ!! アレとアレとアレが未捕獲や!!>< きょ、今日中になんとかしないと!!>< 1年近く待つことになるぞ!!><
 
そんなことを口走りながら、島中を駆けずり回ることになるのである。
 
なんでこんな現象が起こるかと言うと、理由は単純にして明確。それは、
 
“シーズンによって、獲れる生き物が変わるから”
 
という、『どうぶつの森』シリーズで連綿と受け継がれる“鉄の掟”があるからだ。
 
3月も、そうだった。
 
俺はそのとき、たまたま条件はクリアーしていたので高みの見物を決め込んでいたのだが、世の多くの『あつ森』住人たちは幻の渓流魚“イトウ”釣れていなくて、にわか魚紳さんとなって川の上流に張り付いていたのである。でも、“幻”っていうくらいだからそうそう簡単に釣れるものでもなく(釣りキチ三平も苦労していたからな)、Twitter上では断末魔の叫びが飛び交っていた。
 
「イトウが釣れねぇぇぇえええ!!!><」
 
「誰かイトウを譲ってくれ!!>< ベ、ベルはいくらでも出すから!!><
 
「もう伊藤さんが嫌いになるレベルでいねえよぉ!!!><」
 
なんて……w このときほど、
 
「俺……偶然だけどイトウが釣れていて本当によかった^^;
 

 
と、思ったことはなかったね。
 

イトウショック=マグロショック

 
しかし……!!
 
この“イトウショック”がまさか、自分の身に降りかかることになるとは……当時の俺は想像すらしていなかったよ。
 
4月末日である30日。俺は「あ!」と気が付いた。
 
「今日で4月も終わりか! 『あつ森』でやり残しがないか、一応調べておこうかな」
 
すると、俺の行動を読んでいたのか、いまやマイデザイン界で知る人ぞ知る存在となった同僚のたっちー先生からSMSが届いた。見ると……。
 
「キミ、マグロとカジキって釣った?? わし、まだやねん」
 
「ん??」と思いながら、俺はとぼけた返事をした。
 
「え? そんなん釣れるの?ww
 
するとたっちー先生、見るからに呆れトーンでこんなことを言う。
 
「……オメー、悠長に構えているけど……マグロは4月を逃したら、つぎに釣れるのは冬みたいやで!! カジキは夏にも釣れるみたいだけど、それでもしばらくはおあずけや!!!」
 
「え!!!!」と返したきり、言葉が出てこない。そ、それって……3月の……イ、イト……
 
あうあうあうと言葉に詰まっていると、たっちーが舌鋒鋭く指摘してきた。
 
「……つまり、キサマは出遅れてるんや!!! もう1日しかないんやで!!! なにやっとんねん!!!」
 
「うわあああああ!!! ヤベぇぇぇええええ!!!><」
 
……ということで、イトウショックを笑っていた俺は“マグロショック”に踊ることになったのでした(苦笑)。
 

マグロを釣れ!

 
あんなにさわやかで平穏だった日常が、マグロのおかげで喧喧囂囂(けんけんごうごう)としたやかましいものとなってしまった。どうしてくれんねん。
 
まあぶっちゃけ、そんなにムキになって釣らなくても、影響は“図鑑が埋まらないだけ”なので気にしなければそれで終わる話ではある。
 
で、でも……。
 
「つぎに釣れるのは冬とか……あまりにも長すぎるやんけ((((;゚Д゚))) それまでポッカリと図鑑に穴が空いてるわけでしょ……? そ、それは……」
 
ギュッとつむった目に力を込めて、俺は言葉を叩きつけた。
 
無理ッ!!>< そんなの耐えられん!!>< 俺は釣る!! 意地でもマグロを釣ってやるぞぉぉぉおおお!!!
 
4月最後の激闘が、開幕した瞬間だったw
 

タイを釣る男

 
しかもこの日は、神の粋な計らいか、ルナステラ島に↓この人がやってきていた。
 

 
そう!! ジャスティンなビーバーですよ皆さん!! 待っていたんだよジャスティン!!w
 
ジャスティンは昆虫コレクターのレックスと並ぶ、“ベル稼ぎ用キャラ”としてじつに優秀な存在だ。なんたって……通常の1.5倍の価格で魚を買い取ってくれるわけだからな!!
 

 
俺は当初の目的も忘れ、ジャスティンににじり寄った。
 

 

 
うおおおお……!! 目に見えてベルが増えてゆく……ッ!!!
 
これはもう、今日はジャスティンとランデブーだな!! 高そうな魚を釣って釣って釣りまくって、蔵が建つほどベルを稼がせてもらおうか!!
 
そして俺は本当に、高そうな魚を釣りまくった。
 

ででーーん!
 

でででーーーん!
 

ででででーーーん!!w
 

でででででーーーん!!www
 
渾身の、タイ4連発!!www さあ売ろうww いま売ろうwww
 

 
ぴょーーーー!!www やめられませんなあ!!www
 
……なんてことを半日ほど続けたところで、たっちー先生から進捗を確認するSMSが届いた。
 
「どうや?? 釣れた???」
 
俺、ホクホク顔で返事をする。
 
釣れた釣れた!!! タイにイシダイにリュウグウノツカイ!! 高価な魚を釣りまくって、ジャスティンに買ってもらってんねん!!!www」
 
その2秒後、たっちー先生から怒りの竜撃砲が飛んできた。
 
「なんでタイ釣って喜んでんねん!!!!(怒) マグロやろ!!! 金に目がくらんで、当初の目的を忘れんなや!!!(激怒)」
 
ヤベ……w ホントに忘れてたわマグロのこと……w
 
続く……w
 
大塚角満の『あつ森』おもしろガイドも更新中

大塚角満(おおつか・かどまん)

1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

 

『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html

※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo

 

『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌バックナンバー

▲第1回
いよいよ開始! 無人島生活

▲第2回
ナゼ、かぶるのか

▲第3回
島の名前問題、勃発!

▲第4回
リセマラで星を得る話

▲第5回
初めてのお出かけ

▲第6回
冨〇義勇もどきと冒険に

▲第7回
闇夜の恐怖

▲第8回
もう輪廻転生の呪いだろ……

▲第9回
青空水族館、爆誕!

▲第10回
闘将(たたかえ)! 辮髪戦士!!

▲第11回
タランチュラ島の激闘(1)

▲第12回
タランチュラ島の激闘(2)

▲第13回
おい! 鈴木!!

▲第14回
匠の部屋(1)

第15回
匠の部屋(2)

第16回
またカモか!

第17回
この春を忘れぬために(1)

第18回
この春を忘れぬために(2)

第19回
店に並ぶ人

第20回
空を見上げる人

第21回
空を見上げる人、その後

第22回
カブで資産運用を!

第23回
カブは腐るか食い時か

▲第24回
タランチュラ、一攫千金

▲第25回
風来の釣り人

▲第26回
初めての釣り大会

▲第27回
スゴいのが、いる(1)

▲第28回
スゴいのが、いる(2)

▲第29回
幻聴が、聞こえる

▲第30回
スゴいヤツのその後

▲第31回
“あいつ”がやってくる

▲第32回
あつ森キャピタルゲイン

▲第33回
金の風船、飛んだ

▲第34回
スパークが来る!?

▲第35回
アナタは……誰?

▲第36回
巨獣濃度を下げろ!

▲第37回
かわいい子゛はいねがぁ~(切実)

▲第38回
どうぶつ探し

▲第39回
ロドリー、駄目パイロット説

▲第40回
角満の部屋を大公開

▲第41回
ともだち探し、ドツボにハマる

▲第42回
ともだち探し、ついに決着!

▲第43回
住民全員、集合だッ!!

▲第44回
出会いと別れ

▲第45回
ベアード、島に馴染み出す