【マジック:ザ・ギャザリング】『基本セット2021』先行カードプレビュー! ~《約束の光》~

By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。今回もカードプレビューを担当させていただくことになりました。
 
さて、今回公開させていただくカードはズバリライフ回復に関係のあるオーラです。
 
……あれ? もしかして今、露骨にガッカリしませんでしたか? いやまぁ、気持ちは分からないでもありませんが。ライフを回復するという能力は直接的な勝利手段には結びつきにくいものですし(※《忍耐の試練》は別)、ましてオーラというメカニズムも基本的にアドバンテージを失うものなので、よほど強いカードでない限り構築ではお呼びがかかりにくいものです(※「呪禁オーラ」とか「タカオーラ」みたいなオーラ戦略を使用するデッキは例外)。この2つが組み合わさったところで、大したインパクトはなさそうだと感じるのは無理からぬことでしょう。
 
しかし、今回ご紹介するカードには、このようにわざわざもったいつけるだけのインパクトがあるのです。何しろ、使い方次第では一撃で対戦相手を葬ることができる可能性があるのですから。さあ、さっそく《約束の光》をご覧いただきましょう。

▲《約束の光》
▲《Light of Promise》

お恥ずかしながら、僕はこのカードを最初に見たとき能力を勘違いしてしまいました。「ああ、クリーチャーを《アジャニの群れ仲間》にするカードね」と。しかし、よーく能力を見比べてみてください。

▲《アジャニの群れ仲間》

お分かりになったでしょうか? 《アジャニの群れ仲間》は、何点ライフを回復しても乗る+1/+1カウンターの数は一つです。しかし、《約束の光》は回復したライフと等しい数の+1/+1カウンターが乗るのです。すなわち、《約束の光》がついていれば《アジャニの群れ仲間》を上回る速度でクリーチャーが巨大化していきます。そもそも《アジャニの群れ仲間》自体、10/10を超えるサイズになることもザラなのに……。

▲《老いざる精体》

過去のカードで例えるなら『ダークスティール』に収録されていた《老いざる精体》ですね。絆魂持ちのクリーチャーにつければコンバットを行うたびにサイズが倍々に膨らんでいき、ライフを回復する呪文はコンバットトリックとして機能するようになります。
 
現在のスタンダード環境には《アジャニの群れ仲間》、《太陽に祝福されしダクソス》、《太陽冠のヘリオッド》などなどライフ回復に関連した能力を持ったカードも多いため、もし「白単信心withソウルシスターズ」のようなデッキが組めるなら、デッキに1~2枚の《約束の光》が入ることもあるかもしれません。

▲《太陽の宿敵、エルズペス》

他にも《太陽の宿敵、エルズペス》はオーラをつける先を用意したり、ライフを回復したりといった能力を持っているため相性がよさそうです。1/1のトークンに《約束の光》をつけて、次のターンに6/6にして殴るというのはなかなかインパクトのある絵面になりそうですよね。単体のカードパワーが高いため、死に札になりにくいというのも《エルズペス》の利点です。
 
あるいは《アーチ道の天使》と組み合わせて一撃必殺を狙うのもおもしろいですね。スタンダードの門デッキで使用されているこのカードは、戦場に出れば20点以上のライフを回復することもザラで、《約束の光》をつけたクリーチャーの隣にそっと《アーチ道の天使》を並べれば冗談のようなサイズのクリーチャーが爆誕することでしょう。

▲《アーチ道の天使》

《約束の光》がリミテッドでどの程度活躍できるかは他のカードを見てみないことにはわかりませんが、構築ではもしかすると専用デッキが生まれることもあるかもしれません。
 
惜しむらくは環境に呪禁持ちのクリーチャーが少ないこと。『イコリア:巨獣の棲処』で登場した《著大化》といい、ロマンあふれるオーラは増えているのですが……今後に期待したいところです。
 

 

ライター:ドブフクロウ
 
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

『ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー』バックナンバーは次のページをチェック!!