【大塚角満のゲームを語る】第36回 新Xbox!? “ゲームな1ヵ月”が始まった


 
 この原稿が読まれるころには、さらにいろいろなニュースが飛び交っているような気もするが……とりあえず現在の情報だけで1本コラムをしたためておこうと思う。
 
 東京ゲームショウが近づいてきたのもあってか、各ゲームメーカーの動きが非常に慌ただしくなってきた。とくに、今年は東京ゲームショウ自体がオンライン開催になることもあり、会場展示がないことから、メーカーも前倒しで独自の発表を行っている気配がある。
 
 実際、ニュースが氾濫するビッグイベントで発表を行うとどうしても情報の山に埋もれてしまう懸念があるので、あえてそこは避け、自社で発信の場を設けてファンにピンポイントで語り掛けるという動きも盛んになってきていた。今年は新型コロナウイルスの影響もあって自宅にこもる人が格段に増えたので、例年以上にネットを使った発表会が頻繁に行われると想像できるのである。
 
 その先陣を切るように、マイクロソフトがドデカいニュースをぶつけてきた。
 
 9月8日という、俺の実兄の誕生日に被せてきたのかもしれないが(そんなわけねーだろ)、かねてより詳細発表が待たれていた“次世代Xbox”の一部情報を、突如として公式ツイッターが発信したのである!!
 
 それは、なんと……!!
 
 ウワサの“Xbox Series X”ではなく、その廉価版と思しき(正式発表はまだないがな)“Xbox Series S”というモデルだったではないか!!
 

 
 発表によるとこのXbox Series Sは、“次世代のパフォーマンス”を誇り、価格は“299ドル”に。写真の通り、そのサイズは“Xbox史上最少”になるという。
 
 次世代ハードにして299ドル(日本円で30000円くらいか)という価格は非常に挑戦的……というか安く感じてしまうが(その時点でマヒしてるかもしれんが)、今後発表を控えるフルサイズの“Xbox Series X”とどう差別化されているかによって、評価は変わってきそう。
 

 
 でも現時点での価格、デザイン、次世代パフォーマンスという評を見るにつけ……発売されたらすぐに飛びついてしまいそうな自分が怖いわ。
 
 というのも、日本では決してうまくいっていないXboxシリーズだけど、何気に俺は初代からすべて購入し、いまでもテレビにつないでいる“箱ユーザー”のひとり。しかも、初代XboxやXbox 360の発売前後は、北米やヨーロッパで行われていたイベントや発表会、さらには発売日風景の取材なんかにも出かけていたので、思い入れはかなり強いハードだったりするのである。そのときの写真はいまも俺のPCのハードディスクに保存されているので、何枚かお見せしちゃおう。
 

 
 これは2001年の初代Xboxの発表会の風景。のちにキラータイトルとなった『HALO』をお披露目しているところだ。
 

 
 これは2005年のE3で、Xbox 360の発表が行われているシーン。
 


 
 Xbox関連の発表会は毎年、世界各国の都市で開催されているんだけど、この2枚の写真は2005年オランダ大会のものだ。レトロな建物の中にはドーム型のブースと、本物のサーカス小屋が設えられていた。
 

 
 こちらは2006年のドイツのゲームショウの風景。Xboxはヨーロッパで人気なので、中には大々的なブースが設置されていたなあ。
 

 
 そして、時間が前後しちゃうけど、2005年台湾ゲームショウのXboxブースの様子、と……。ほかにもいろいろあるんだけど、キリがないのでこのへんでやめとくw
 
 初代Xboxが日本で発売されたとき、マイクロソフトの総帥であるビル・ゲイツ氏が来日して記者会見をしたんだけど、そのときの質疑応答で最初に質問したのは、何を隠そう俺だった。あれから20年が経ち、俺が着実におっさん化するのをあざ笑うかのようにXboxは進化し、新しい姿となって“いまの”ゲームファンの前に降臨しようとしている。
 
 とはいえ俺も、心まで老化したわけではない。ゲームを愛するスピリッツだけは、20年前と同じようにギラギラとたぎり続けているのである。
 
 このマイクロソフトの動きに合わせるように、プレイステーション陣営もプレイステーション5の詳細をぶつけてくるだろう。そしてソフトメーカーも、『ゼルダ無双』の新作のようなビッグなネタを、この“東京ゲームショウ月間”に投下してくるはずだ。
 
 “ニュースな1ヵ月”に放たれたあらゆる情報は、すべて集約してコロコロオンライン上で公開できたらなと考えている。若かりしころを思い出して走り回るので、見逃さずに記事を追いかけてくださいな!

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

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