ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.78 ~摩訶不思議ティムールアドベンチャー!~


 
By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
 
『ゼンディカーの夜明け』のカード情報が続々と公開されていますね。セット名にその名を関する「ゼンディカー」と呼ばれる次元が舞台であるこのセットは、モダンはもちろんレガシーやヴィンテージでも活躍しているカードが数多く収録されたこともあり、非常に人気が高いです。
 
また、ゼンディカー次元にルーツを持つキャラクターも個性豊かな人物が多く、公式ストーリーにも注目したいところです(※リンク先はマジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト)。数千年の時を生きるゼンディカーの守護者そして老害ナヒリと、ナヒリと比べればはるかに若いエルフのプレインズウォーカーのニッサは、どのようなストーリーを紡いでいくのか……!?

▲《古代を継ぐ者、ナヒリ》
▲《影さす太枝のニッサ》

他にもエルドラージとの戦いを終え、ゼンディカー次元最大の都市である「海門」の守護者となった天使のリンヴァーラは、『ゼンディカーの夜明け』ではすっぴんからウィザードにジョブチェンジしたようです。海辺である「海門」の守護者になったから青くなっちゃったんですかね? マジックにおける天使は「純粋なマナから生じる高位の存在」という扱いらしいので、もしかすると周囲の影響を受けやすいのかもしれません。
 
また、ゼンディカー次元の吸血鬼の始祖にして血の長であるドラーナも、同胞たちの社会を再興するために画策しているとのこと。カードの能力でもその設定を踏襲してか、墓地にいる死体を呼び起こし、自身の眷属とする能力を持っています。もしかしてクレリックにジョブチェンジしたのもネクロマンシー的なフレイバーを再現して……? あく○しんかんなのか……?

▲《海門の擁護者、リンヴァーラ》
▲《最後の血の長、ドラーナ》

さて、いよいよ来週末にはMTGアリーナでも『ゼンディカーの夜明け』がリリースされます。新環境が楽しみ……ですが! ここでは2019-2020年のスタンダードの総決算として、現環境最後のスタンダードデッキ紹介をしていこうと思います。
 

Standard League – 2020/9/3

『ゼンディカーの夜明け』のリリースとともに、『基本セット2019』、『ラヴニカのギルド』、『ラヴニカの献身』、『灯争大戦』の4つのセットがスタンダードから姿を消します。事実上カードプールの半分近くが失われることになるわけですが、『エルドレインの王権』以降のセットに関しては引き続きあと1年間はスタンダードで遊ぶことができると……。
 
というわけで、今回ご紹介するのはまだまだ賞味期限が1年も残っている『エルドレインの王権』のメカニズム「出来事」にフィーチャーしたデッキです。こちらはMagic Onlineのスタンダードリーグで5-0の成績を収めていました。早速リストを見ていきましょぅ!
 

ティムールアドベンチャー(使用者:HEROtsukai選手)
枚数 カード名(メインボード)
4 《繁殖池》
6 《森》
2 《島》
4 《ケトリアのトライオーム》
2 《山》
4 《蒸気孔》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《豆の木の巨人》
4 《砕骨の巨人》
4 《厚かましい借り手》
4 《エッジウォールの亭主》
4 《願いのフェイ》
4 《恋煩いの野獣》
1 《冒険の衝動》
3 《僻境への脱出》
2 《霊気の疾風》
4 《幸運のクローバー》
枚数 カード名(サイドボード)
2 《否認》
1 《霊気の疾風》
1 《僻境への脱出》
1 《初子さらい》
1 《発展 // 発破》
1 《炎の一掃》
1 《投げ飛ばし》
1 《墓掘りの檻》
1 《神秘の論争》
1 《無謀な空襲》
1 《レッドキャップの乱闘》
1 《巻き添え》
1 《嵐の怒り》
1 《送還》

 
つかもうぜ!エッジウォール!こちらは先述の通り、『エルドレインの王権』のメカニズム「出来事/Adventure」を活用して莫大なアドバンテージを稼ぐミッドレンジデッキです。元々「出来事」は1枚のカードが2枚分の仕事をするメカニズムなのでアドバンテージ面で優れた能力なのですが、《幸運のクローバー》や《エッジウォールの亭主》といったカードを活用することで、さらに爆発的なアドバンテージを得ることができます。

▲《幸運のクローバー》
▲《エッジウォールの亭主》

ただし、このデッキに搭載された妨害は決して多くはなく、打ち消しや除去など対戦相手のゲームプランを阻止するのは苦手です。そんな弱点を補うのが《願いのフェイ》で、対戦相手に応じてクリティカルなサイドボードカードを探し出すことで、押されている盤面でも劇的な逆転が可能になっています。
 
たとえば《巻き添え》のような除去カードはほぼ白青コントロールが使用してくる《夢さらい》ピンポイントのカードで、決して枚数を多く取りたくはないところですが、《願いのフェイ》を経由すれば、普段は事実上《神秘の論争》や《否認》として利用することもでき、《夢さらい》が出てきたとしてもドヤ顔で《巻き添え》をプレイして対戦相手にキャン言わすことが可能です。

▲《願いのフェイ》
▲《巻き添え》

もちろん《願いのフェイ》とて万能なカードではなく、サイドボードカードを実質+4マナ支払うことでメインボードから使用可能にするというマナ食い虫なカードではあります。《豆の木の巨人》と《僻境への脱出》はそんな《願いのフェイ》のためのマナを用意するために働いてくれますし、アドバンテージ源やフィニッシャーとしても優秀なカードです。
 
このデッキに使用されているカードのほとんどはローテーション後も使用可能なため、『ゼンディカーの夜明け』リリース後の環境で活躍が見込まれるデッキの一つです。逆に言えばガチガチの「出来事」メカニズムデッキなので、得られるものもそれほど多くない可能性はありますが……《願いのフェイ》経由で使用するサイドボードカードの選択肢を考えるのは楽しそうですね。
 

  ライター:ドブフクロウ        青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

『ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー』バックナンバーは次のページをチェック!!