ビックリマン第23回 「第8弾制作秘話・後編! 悪魔に利用された悪魔!? 魔肖ネロの悲しき最期!!」

年間の売上数が4億個を突破し、最大の人気を誇った8弾、9弾! ヘッドロココに魔肖ネロ、七神帝など人気キャラが綺羅星のごとく輝く両弾の、シール制作秘話をビックリマンの父・反後さんに語ってもらった!!

ビックリマン第23回
「第8弾制作秘話・後編! 悪魔に利用された悪魔!? 魔肖ネロの悲しき最期!!」

——前回、魔肖ネロの悲哀…というところまでお聞きしたのですが(くわしくは第22回)。どういうことなんでしょう?

反後:
ネロはもともと「魔偶王」といって、土偶のようなものだったんです。それが、天聖界を破壊するために悪魔によって復活されたのです。

▲第8弾ヘッド、魔肖ネロ

——悪魔に利用されたってことですか? なんでまた、そんな悲しい設定に…?

反後:
ブラックゼウスの時もお話しましたが(くわしくは第19回)、やはりキャラクターの裏に悲劇の物語があると、キャラにもストーリーにも深みが出るんです。すでにビックリマンを発売して3年が経ち、子供たちもかなり物語を理解する力がついていますから、ただ悪魔と天使が戦っているというだけでは飽きられてしまう。

——すでにビックリマン人気も絶頂なのに、まだまだ飽きられるという心配があるんですね…。

反後:
つねにプレッシャーとの戦いです。絶対に売らないといけないんです。それはさておき、天聖界を滅ぼすために悪魔たちは、「魔性般若パワー」という全ての天使の力を無効化する能力を持つ魔肖ネロを復活させて、利用しようと企むんです。

——どの悪魔が企んだんですか?

反後:
誰というわけではなく、第8弾全12種類の悪魔がペア「W魔鬼」を組んで、それぞれ「魔極」という負のエネルギーを作り、6つの魔極でネロを復活させるという設定にしました。ペアは下の通りです。

▲左の「逃水鬼」と右の「蜃鬼RO」で幻の魔極
▲左の「夜叉鬼ング」と右の「怪鬼日食」で暗の魔極
▲左の「変電鬼」と右の「わら鬼」で重の魔極
▲左の「魔井DO」と右の「断層魔」で底の魔極
▲左の「魔化子」と右の「百聞魔鬼」で邪の魔極
▲左の「魔かいだん」と右の「魔色」で迷の魔極

——第8弾の悪魔全員で悪だくみをしたんですね。

反後:
復活した魔肖ネロは魔性般若パワーで天聖界を攻撃しました。そして、力を使い切ったあとは、ネロ魔身となって壊れていってしまう。

▲パワー放出後。魔偶王の真の姿、ネロ魔身体。これも第8弾のヘッド。
▲パワーを出し切って、自らが崩壊しはじめる。ネロ魔身にヒビが入り出す。この背景カラーのネロは生産枚数が少なくレアということだ。

——悲しい…6魔極、悪すぎるヤツらだぜ。でも、シールを集めていてW魔鬼がセットになったり、6魔極がそろったりすると嬉しかったですね。

反後:
それで、これまで“ハズレ”と言われてきた悪魔の価値も一気に上がりました。

——カテゴリー分けされるとつい全種集めたくなってしまう!

反後:
私にとっては、ヘッドも天使もお守りも悪魔も同じように考えて作った大切なキャラクターですからね。全てが“アタリ”になってほしかったんです。

——ちなみに、天使の方も第8弾からシールが金になったりしてパワーアップしていますね。

反後:
はじめのほうにお話した子供たちに飽きられないための施策のひとつです。金の方が豪華な感じがするでしょう?

——はい、たしかに! でもコストがかかるのでは?

反後:
じつはあれ、シールの素材はこれまでの天使と同じ銀なんですよ。そこに黄色いインクをのせて金っぽく見えるようにしているんです。なのでコストは変わらないんです。

——マジすか!? ストーリーやキャラ設定、シールの見栄えまであらゆることを考えてる…もしかして、反後さんがスーパーゼウスなんじゃ!?

(第24回「第9弾制作秘話・前編! ヘッドロココ創出!!」につづく!)

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反後 四郎(たんご しろう)プロフィール
1949年、熊本出身。早稲田大学法学部卒業後、株式会社ロッテに入社。85年にメインスタッフとして参加した「悪魔VS天使シリーズ」をヒットさせる。当時はコロコロの誌面に「反後博士」として登場した。
次回は12/26(水)更新!!