【大塚角満のゲームを語る】第65回 ラジコン世代のお父さんに捧ぐ……『テラテック』がおもしろい!!

少年時代の思い出が

 前回の記事で、Nintendo Switch版のインディーズ系ローグライクRPG『ダンジョンに捧ぐ墓標』を紹介させてもらった。

 ゲームオーバーになると強制的に拠点に戻され、またイチからダンジョンに潜ってアイテム収集とスキルアップをくり返す……という“死にゲー”なわけだが、これがもう……ローグ系で考えられるありとあらゆる遊びの要素が詰め込まれていて、

 「死んだ!!! もう1回!!!」

 「うーーーーん、また死んだ!!! もう1回!!!」

 と、どこかの青汁のCMのような状態に陥って、いまだ毎日毎日、不思議なダンジョンに潜り込んでいるのである。

 おかげで、さわやかな天気に恵まれた大型連休初日を迎えたというのに、

 「これ、今年のゴールデンウィークは、『ダンジョンに捧ぐ墓標』と『モンスターハンターライズ』、さらには『あつ森』と『ウマ娘』と『原神』と『パズドラ』でいっぱいいっぱいだな^^; 一狩り行こうぜ!!www」

 と、完全に引きこもりモード。これにより自動的に、知事の皆さんがおっしゃる、

 “出掛けないゴールデンウィーク”

 が実現されるので、クソ忙しいのは置いておいて、コロナ禍にあっては悪くない状況になったんじゃないかなと思っておりました。

 ……そう、ここまではよかったのだ。

 並行プレイタイトルが6本もあるけど、時間をやりくりすればなんとかなりそうだったのでね。

 ところが(((( ;゚Д゚)))

 『あつ森』と『モンハンライズ』と『原神』がアップデートされ、

 「さあ、今日から忙しいじょ~~~^^」

 と腕まくりをした……4月28日。

 「……ん? なんだこのゲームは」

 ゲームニュースで流れてきた、

 “好きなパーツをくっつけてオリジナルの戦闘車をクリエイト! 自動生成されるオープンワールドを冒険するサンドボックスアドベンチャー、本日発売!!”

 というテキスト……。

 「え……!? なにこれ、そそられまくるんだけど……!」

 記事から飛んだ公式サイトには、↓こんな魅惑のスクショが……!

 「え? え!? この戦車みたいなの、自分で好きに作れるの!? そんで、敵と戦ってパーツを奪い、いくらでもパワーアップできちゃうって!!?」

 気付いたときには、Nintendo Switchの俺のカートに、そのゲームがダウンロードされていた(苦笑)。

 そして……!!

 「うわああああああ!!! ゴールデンウィークの計画、破綻したぁぁああああ!!!! これ、極めつけのやり込み系超絶おもしろゲームじゃねえかぁぁああああ!!!!www

 これが俺と、『テラテック』の出会いでした^^;

ラジコンボーイ

 そう、完全にドストライクだったわこのゲーム……。Teyon Japan合同会社から4月28日に発売になったNintendo Switch用ダウンロードソフト『テラテック』がよぉ……><

 どんなゲームかは、上にチョロっと書いた説明の通りだ。公式サイトの解説を貼ると、

 「自由な発想でブロックやパーツを組み合わせて乗り物や基地を作って、自動生成されるオープンワールドの世界を探索するサンドボックス型サバイバルアドベンチャーゲームです」

 となる。

 要するに……プラモデルやミニ四駆のように、いろんなパーツを自由に組み合わせて戦闘車両を作り、それを操って敵を倒したり、資源を集めたり、はたまたオンラインでつながった他のユーザーと戦ったりする、男の子万歳的なゲームデザインになっているのである。

 俺はこのゲーム、4月28日の深夜(つまりローンチ直後)に購入し、

 「さわりだけやったら寝よう」

 と思っていたんだけど、気付いたときにはネコに朝飯をあげる時間(早朝4時です)になっていて、

 「へ!!? 夢中になってて時間を忘れていたわ!!!」

 という、テレビゲームを知ったばかりの小学生みたいなことをやってしまった。それくらい、“おっさんに刺さる”システムになっているんだよコレ……。

 車両の作成は、自由にして簡単明瞭である。

 ブロックをテキトーにくっつけてボディーを作り、そこにタイヤ、障害物にぶつかったときにぶっ壊す用のドリル、戦闘用のマシンガンやレーザー、さらにバッテリーなんかを搭載すると……わずか数分で、↓こんなオリジナル戦闘車両ができてしまう!!

 うおおおおおお!!!! かかか、かっちょいいいいい!!!!www

 もちろん、攻撃ボタンを押せば、くっつけた武器という武器から弾丸もしくはレーザーが発射される!ww

 「ぴきゅんぴきゅん!!!www オラオラ!!!ww 来てみろや!!! 蜂の巣にしてやんぜ!!!www」

 自分の設計通りに反応してくれる、オリジナル車両が愛おしい……。

 でも、

 「デカいことはいいことだ」

 ってんでめったやたらと巨大なカタマリにし、バランスを考えずに駆動系をおろそかにしていると、まっすぐ走れなくなったり、地面にめり込んで引っ掛かって、

 「ビクッ! ビクッ!!」

 と痙攣するだけになったりと、なかなか思うようにいかない(苦笑)。

 そして、敵の車両と戦闘になったときに、ひたすら突っ込んでいくだけでは、

 返り討ちにあって粉々にされることも……(((( ;゚Д゚)))

 自由なクラフトを楽しみながらも、機動力、戦闘力、さらにアイテム回収の効率なども考慮して、

 「この部品、もっと増やしたいな……。いやそのためには、ボディーをもうちょっと大きくしないと……。その前に、武器をさらに増強しないとブツブツブツ」

 なんて考えるのがことのほか楽しい。おかげで、クルマを作ってばかりでキャンペーンモードがあまり進まないというね(苦笑)。

 この楽しさは完全に、ラジコンのキットを初めて買ってもらって、目をキラキラさせながら組み立てた中学校のころの自分を思い出させるものだ。

 大好きだったんだよなあ、コロコロで連載していたマンガ『ラジコンボーイ』。主人公が使っていたタミヤのラジコン“ワイルドウイリス”があまりにもかっこよくて、小中学生のあいだでキットのラジコンが大ブームになったんだよな……。

 そこで俺も、

 「誕生日とクリスマスのプレゼント、数年分全部を使うから、ラジコン買って!!!><」

 と両親に土下座してお願いし、タミヤの“ファイティングバギー”というラジコンを買ってもらったのだ。懐かしいなぁ。

 この『テラテック』には、ラジコン少年だったおっさんの心を姑息なまでにくすぐる、独特な魅力がある。

 当時はいまほど小型バッテリーの容量が大きくなくて、丸1日充電してもラジコンは10分足らずしか走らせることができなかったけど、『テラテック』ではそんな心配は無用だ。

 いくらでも走らせられるし、いくらでも武器を積めます!!w

 少年時代に夢見た、自分だけの戦闘マシン。

 このゴールデンウィークは文字通り童心に帰って、ひたすら車両を作り続けようと思いましたw

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。