【大塚角満のゲームを語る】第75回 もうすぐ『ディアブロ II』がやってくる

先行アクセステストを遊んでみて!

 9月24日にBlizzard Entertainmentから発売予定のアクションRPG『DiabloII: Resurrected(ディアブロ II リザレクテッド)』(PS4、Nintendo Switch、PC、Xbox Oneなどで発売)。過去に何度かコロコロオンラインでも、開発者インタビューや先行体験プレイリポートなどなど、まるでこのシリーズを贔屓しているかのように記事化してきたけど、その理由はイチもニもなく……!!

 俺が『ディアブロ』シリーズを心の底から愛しているから!!

 これしかない。

 ゲームのレビュー記事を書く上で、これほどシンプルかつ説得力のある理由がほかにあるだろうか? いやまったく思いつかない。

 さて、そんな『ディアブロ II リザレクテッド』が発売を間近に控え、8月中より先行アクセステスト及びオープンβテストを行って、最後の調整を行っている。

 俺は、オリジナルの『ディアブロ II』が発売された2000年(!)からこのシリーズを追い掛け(厳密に言えば『I』から遊び倒しているけど)、Nintendo Switch版の『ディアブロ III』にいたってはプレイ日記を200本以上書いてきた生粋のディアブラーだ。そんな俺の元に、Blizzard Entertainmentから『ディアブロ II リザレクテッド』の先行アクセステストの権利が送られてきたとあれば……さっそく吐くほど遊んで、そのプレイフィールを記事にしなければならないな!!

デスペナもそのままや……w

 今回の先行アクセステストはPC版、PS4及びPS5版のどちらかでプレイすることができたので、俺は「せっかくだから……」とプレイステーション5を選択。リマスターされて美しくなった映像を、大画面で楽しむことにした。

 では、ゲームを始めよう。

 『ディアブロ II リザレクテッド』は改めて説明するのもはばかられるが、2000年に発売されたハック&スラッシュの金字塔『DiabloII』を、現代の技術を活かした美しいグラフィックで煮詰めた、

 “より美しい『ディアブロ II』”

 という位置づけのタイトルだ。

 オリジナル版はドット絵で、それでも十分キレイだったけど、この『ディアブロ II リザレクテッド』は3D技術と今風の光源処理をふんだんに用い、非常に洗練された映像を実現している。

 まあ、見ようによってはオリジナル版のほうが味がある気はするし、当時夢中になった人は懐かしさ補正でドット絵で遊びたいと思うかもしれないけど、そんなときはボタンひとつでグラフィックを旧タイプにすることもできるようなので(俺は現代版のほうがいいので試さなかった^^;)、安心していいかもしれない。

 というわけで、ゲームプレイだ。

 『ディアブロ II』は、アマゾネス、バーバリアン、ソーサレス、ドルイド、パラディン、アサシン、ネクロマンサーという7つのクラスからひとつを選び、悪鬼渦巻く荒野やダンジョンにくり出して無数のアイテムを拾っては一喜一憂する……という遊びが、ゲームデザインのキモとなっている。

 そして俺は、『ディアブロ II』はマジで10年くらいプレイしたけど、メインで遊んでいたクラスはアサシンであった。

 なので今回も、製品版が発売されたら、

 「まずは……アサシンかなぁ^^」

 と考えているんだけど、先行アクセステストで選べたクラスはアマゾネス、バーバリアン、ソーサレス、ドルイド、パラディンの5つのみ。そこでアサシンは本チャンに取っておくことにして、ここではバーバリアンを選択して荒野にくり出していった。

 前述の通り『ディアブロ II』というゲームの本質は、敵や宝箱からドロップするアイテム(武器や防具、特殊な効果があるお札など)を拾っては鑑定し、その性能を見ては、

 「うわ、すんげえゴミ……(#゚Д゚)カーーー!

 「いいけど……俺のクラスじゃ装備できねえ!!><

 「!!!! やべえ!! これ、とんでもなく強ええ!!!」

 「レジェンダリーきたぁぁああああ!!!(卒倒)

 ↑こんな感じで、泣いたり怒ったり飛んだり跳ねたりをくり返すゲームだ。

 拾うアイテムの性能はほぼほぼランダムなので、思いがけないところでとてつもない強さを秘めた武器を拾ったり、逆に強敵からとんでもなくガッカリなブツしかドロップしないこともある。このギャンブル性の高さが多くの人を魅了し、くり返しダンジョンに潜る原動力にもなって、『ディアブロ』は“ハック&スラッシュ”をアクションRPGの一大ジャンルとして定着させたのである。

 そして、今回の『ディアブロ II リザレクテッド』だが、act Iを最後まで遊んでみてわかったんだけど……コレ、2000年に発売されたオリジナル版とまったくと言っていいほどいっしょだな!!

 まあ、ゲームそのもののコンセプトが、

 “あのころの『ディアブロ II』を、いまの技術で”

 という感じなので、べつにいいんだけど。

 でも、『ディアブロ III』で現代の“便利な『ディアブロ』”に慣れきっている人には、

 「ちょ!! なにこれ!?」

 と衝撃を受ける機能(?)もそのまま残されているのは興味深い。

 たとえば、『ディアブロ III』では、拾ったアイテムの大きさはすべて同じで、60枠あるインベントリの中に収めて持ち歩くことができる。ポーションなど同じアイテムはスタックされて、1枠消費するだけで、ね。

 ところが、問答無用の『ディアブロ II』はそんな生ぬるいことはせず、

 インベントリ内がパズルのようになっていて、大きさの違うアイテムを上手にハメ込んでいかないとほとんどモノが拾えないという!!!www しかも、ポーションはスタックなんていう甘やかしはいっさいせず、

 「1個は1個だ!!! ポーション1個で1枠使うで!!」

 と、昭和の頑固おやじのようなことを言って枠を圧迫するのである。

 そしてもうひとつが……恐怖のデスペナルティーの存在!!w

 オリジナルの『ディアブロ II』は、冒険の途中で死ぬとその場に持ち物を落とし(装備品も、金も全部な!)、新たなキャラ(たいてい素っ裸)で現場までいって回収しないとすべてを失う(つまり、2回続けて死ぬと先に落とした装備などは永遠に失われる)……という鬼のようなデスペナルティーが採用されていた。

 当時、この仕様があまりにもツラくていまだ俺のトラウマになっているので、『ディアブロ II リザレクテッド』の開発者にインタビューをしたときに、勢い込んで尋ねたことがあるのだ。

 「『ディアブロ II リザレクテッド』は、オリジナル版と同じデスペナルティーは採用されているんですか!?」

 と。

 すると開発者はちょっと悲しそうな顔をしたのちに、

 「基本的な設定はすべてオリジナル版を踏襲しているので、デスペナについてもまったく同じです。……ゴメンね^^;

 こう告げてくれたのである(苦笑)。

 今回の先行アクセステストの際も、死亡するたびに、

 「いいい、いまあの装備とお金を失うわけにはいかぬ!!!>< ししし、死んでも回収しないと!!!><

 ってことで、文字通り死ぬ気で救助に向かっていた。あの緊張感は、強烈なデスペナがあったればこそだわ……。

 こんな、いまのゲームデザインでは考えられないような遊びにくさや問答無用の仕様があるとわかっていても、俺は『ディアブロ II リザレクテッド』の発売が待ち遠しくてならない。

 むしろ、

 「早く製品版を発売してくれ!! そして俺を恐怖のデスペナルティーのどん底に突き落して、二度と立ち上がれぬほど打ちのめしてくださいぃぃぃいいいい!!!><

 とまで思っている。それほど、この『ディアブロ II』の中毒性は凄まじいのだ。

 製品版の発売まで、あと1ヵ月ちょっと。

 それまでに少しでも仕事を片付けて、万全の態勢で地獄の世界に飛び込もうと思います。

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。