【大塚角満のゲームを語る】第77回 『テイルズ オブ アライズ』の体験版を遊んでしまった結果……!w

あ……もう戻れない

 9月9日に発売された、バンダイナムコエンターテインメントのプレイステーション4、プレイステーション5、Xbox One、Xbox Series X/S、PC用ソフト『テイルズ オブ アライズ』の評価がすさまじいことになっている。

 いわく、“神ゲー”。

 いわく、“最高傑作”。

 JRPGの雄として知られる“テイルズ オブ”シリーズの生誕25周年記念作品で、第一報が報じられたときからファンの間で、「発売はよ!!」、「体験版だけでも!!」と、大いに話題になっていたタイトルだ。

 我が事務所でも、同僚のたっちー先生が騒ぎ立ててたいへんであった。

 というのも彼女は、

 「わしは『テイルズ オブ』に関しては、シリーズ1作目からゲーム内のセリフをすべて覚えているレベルで追い掛けている、日本でも屈指のオタクである!!」

 と前々から豪語しており、しかも、

 「新作が出ると必ず、1周目は何の情報も得ずにとりあえずクリアー。2周目は攻略情報などを見つつすべての要素を回収してクリアー。3周目はセリフを覚えるためにクリアー。4周目は最速目指してクリアー。5周目は趣味でクリアー。6周目は縛りプレイを課してクリアー。そして7周目は……息をするのと同じレベルで生活の一部としてクリアー……と、最低7周は遊ぶ人間や!!

 なんて、恐ろしいことをのたまっていたのである。

 当然、この『テイルズ オブ アライズ』に関しても、

 「発売されたら、わしはいっさいの仕事をボイコットする!!!」

 と宣言してやまず、実際昨日(ソフトの発売日ね)から彼女と連絡がつかなくなってしまっている……((゚Д゚;)) どうやら『テイルズ オブ アライズ』は、ウワサ以上にとんでもないゲームに仕上がっているようだな……。

 しかし。

 身近にこれほど熱心な信者がいると、逆に、

 「なんか……そのゲームは、キミにおまかせでいいかな^^;」

 と、すっかり毒気が抜かれてしまうことってありませんか?

 俺はよく、仲のいい同僚から、

 「大塚さんがあまりにも熱狂的にモンハンを遊んでいるので、こっちもやった気になっちゃいましたよw なので、今作はほどほどでいいかなーw」

 ↑こんなことを言われて困惑したものだが、『テイルズ オブ』に関して言えば、俺は完全に毒気を抜かれたほうの人間であった。たっちー先生に話を聞くだけでお腹いっぱいになり、すっかりプレイしたような気分になって、

 「うむ。やりきったな!」

 こんな、達成感にも似た気持ちになっていたのだ。

 そして、何より。

 俺はこの業界で30年近く記者をしている人間だが、じつは『テイルズ オブ』シリーズは完全な“未プレイ”で、1作たりとも遊んだことがない。いわゆる門外漢もいいところなので、

 「いまさら、これだけ熱狂的なファンが集うゲームに入っていくのは、キツいかなぁ……」

 なんてことを考えてしまって、気付けば長い年月が流れてしまっていたのである。

 それでも、『テイルズ オブ アライズ』の体験版をプレイステーション5にダウンロードしてしまったのは、ひとえに、

 「騙されたと思って、体験版だけでもやってみてくれ!!

 と、たっちー先生に熱心に勧められたからだ。それはもう、なんかの勧誘に近いモノを感じる圧力だったため、

 「ま……そこまで言うなら、さわりだけね^^;」

 ってことで、プレイを始めてしまったのである。

 そして--。

 最初の戦闘を終え、

 「ふぅ………………」

 と長い溜息を吐き出したのち、俺はたっちー先生にSMSを送ったのである。

 「急いで、製品版を買ってくるわ……!!!!

 『テイルズ オブ アライズ』の体験版は……すばらしくおもしろかった!!!

 25年間も頑なにプレイしてこなかった49歳のおっさんを一瞬にして懐柔してしまうほど、その美しい映像とド派手なバトル、快感と戦慄が同居したゲームシステムが魅力的なことこの上なかったのである!!

 『テイルズ オブ アライズ』の体験版はそれほどボリュームは大きくないのだが(わずかながら、会話シーンと採集、料理も堪能できるけど)、バトルに関してはかなり厚めに触れることができる。

 くり返しになるが俺はシリーズ未経験なので、すべてのシーンが新鮮だった。

 R1ボタンをガチャガチャ押してノーマルの攻撃を繰り出し、“アーツゲージ”が溜まったら各ボタンにアサインされた強烈な“術技”を放っていく。

 その間、仲間のキャラクターはセミオートでがしがし戦っているので、機を見て“ブーストアタック”(対応したキャラクターごとの特殊効果がある技)をぶちかます!

 うっひょ~~~!!!!www は~~~で~~~!!!www

 そして……!!

 敵に“STRIKE”の表示が出たら、仲間と協力して放つ必殺の“ブーストストライク”を発動ッ!!! これでザコどもは一掃だ!!!www うひょひょひょ!!!www きンもちいいいいい!!!!www

 しかもこの間、バトルはいっさい止まらず高速で進行しており、たとえガチャプレイでも、

 「うおおおお!!! お、俺のプレイ、かっこよすぎる!!!!

 という、“俺つええ”という自尊心を強烈にくすぐってくる。この演出、見せ方が秀逸で、べつに必要ないのにモンスターにケンカを吹っ掛けて、蛮勇を振るいまくってしまったわ^^;

 そして、アッと言う間に体験版をクリアーしてしまい、

 「よし、製品版やろwww

 ってことで、いまからゲーム本編に突入するのでありましたwww

 こんな感じで、すっかり『テイルズ オブ アライズ』に魅せられてしまったので、機会があったらまた記事を書きたいと思いますーw

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。