【セカフェス】『プロセカ』に楽曲提供するボカロP、八王子Pさん、まらしぃさん、sasakure.UKさんにインタビュー! スペシャルチームマッチ優勝直後に直撃!

豪華なボカロPインタビューです!

 2021年9月25日、26日の2日間、千葉の幕張メッセで、セガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』の配信1周年を記念した初の大型オフラインイベント“プロジェクトセカイ アニバーサリーフェスタ 2021”が開催。

 昨年9月のサービスイン以来、同アプリを追い掛け続けているコロコロオンラインということで……! この“セカフェス”の模様も余すところなく取材してまいりました!!

 ここではなんと、9月25日に行われた“プロジェクトセカイ スペシャルチームマッチ2021”(『プロセカ』好き有名人5チームによるガチのリズムゲーム勝負)で優勝した“クリエイターチーム”の、八王子Pさん、まらしぃさん、sasakure.UKさんという3名の有名ボカロPにインタビューを敢行!! 『プロセカ』に楽曲提供をしつつ、リズムゲームの腕も抜群だった皆さんに、スペシャルチームマッチのこと、そして……ボカロPそのものについて、ざっくばらんに語ってもらいました!!

ボカロPが語る、『プロセカ』の魅力

 スペシャルチームマッチに関する記事はこちら↓

 松丸亮吾さん率いる松丸チーム、中島由貴さん率いるキャストチーム、そしてプロセカ全国大会の前回覇者・瑠璃さん率いる音ゲーマーチームなどが『プロセカ』のリズムゲームで対戦を行い、想像以上にガチンコの勝負が展開されたのです。

 そんな中、優勝を果たしたのが先の3名のボカロPで結成された“クリエイターチーム”!!

 勝利の興奮冷めやらない控室で、たっぷりとお話を伺いましたよ!

--スペシャルチームマッチを振り返りまして、一言ずつお願いいたします。まずは、リーダーを務めた八王子Pさんから!

八王子P:そうですね……。僕自身、あまりチームには貢献できなかったんですけど、がんばって曲を作れるようになるとこんな素敵な仲間といっしょにチームを組めて、優勝まで導いてもらえるんだな、って実感しました(苦笑)。『プロセカ』に楽曲提供できて、本当によかったなと……。

--確かに、八王子Pさんは若干ミスをしたところもありましたけれども、十分にうまかったですよ!!

八王子P:ええ……まぁ……僕もそう思っていたんですけど、ちょっと今日のステージに上がられた方たちは、飛び抜けて選りすぐりの人たちと言いますか……。

--怪物たちですよね(笑)。全国大会の上位者もいましたし。

八王子P:はい、彼らはもちろんなんですけど、他のチームの方々もしっかりゲームをプレイされてきていて、めちゃくちゃうまかったじゃないですか。そんな中、緊張とプレッシャーもあってミスをしてしまって……本当に、怖かったです……。

--確かに、あのステージには魔物が棲んでいましたね……。sasakure.UKさんはいかがでしたか?

sasakure.UK:僕、ひさしぶりにイベントに出たんですけど、DJやバンド以外での出演ってあまり機会がないので、独特の雰囲気を感じました。緊張感はもちろんなんですけど、そんな中で切磋琢磨して生み出されるプレイヤーのドラマみたいなものもあって。八王子Pさんが優勝後のコメントで言っていましたけど、戦っているのに相手チームも応援したくなっちゃうんです。フルコンボチャレンジ(※フルコンが出るまでの時間を競う勝負)のときとか、とくにそうで。「うおおお!!」って吠えたくなるような熱をいっぱい感じることができたので、出演させてもらってよかったです。

--とくにsasakure.UKさんは、最後の勝負の楽曲がご自身の作品(『トンデモワンダーズ』)でしたもんね。勝負はまらしぃさんに譲られましたけど、自分でプレイしたかったんじゃないですか?

sasakure.UK:はい、「自分でやりたいな……」という思いはあったんですけどね。でも、まらしぃさんが本番前日に『トンデモワンダーズ』をプレイされている動画を配信されていたんですけど、それを見て、「え! うますぎ!」とビックリしたことも理由のひとつです。作った本人ではなく、勝負に勝てそうな人を配する……っていうのも、『トンデモワンダーズ』っぽくておもしろいんじゃないかと思いました(笑)。

--そんなまらしぃさん、いかがですか?

まらしぃ:最後の『トンデモワンダーズ』は、めちゃくちゃプレッシャーだったんです。しかも、得点差が1点とかだったので、うれしさよりもまずは「よかったー! 安心したー!」という安堵の感情がこみ上げてきました(笑)。でも、八王子Pさんがおっしゃっていましたけど、音楽をやっていたことで大好きな初音ミクに関わる人たちやクリエイター、達人たちと御一緒できたり、ましてやガチで対戦できるなんて……! そんな場に立たせてもらえただけでも至上の喜びだったんですけど、それを上回るくらい……緊張がスゴかった!!(笑) もう、どうしようもないくらい……!

sasakure.UK:とくに、1プレイ目がヤバかったんですよね。

まらしぃ:ヤバいですヤバいです!!

--いちばん緊張したのは、皆さんやはり最初のプレイ?

sasakure.UK:そうですね!

まらしぃ:やっぱり、そこですねぇ……!

八王子P:僕は……フルコンチャレンジでただひとり失敗してしまって、居残ったときですね……。ヘッドホンでゲーム音を聞いているので実況はわからなかったんですけど、気配で悟ったんです。「あ……これ……僕ひとりだ……」って。

一堂:(爆笑)

八王子P:最後のロングノーツを離す瞬間、あそこがいちばん緊張しました。

まらしぃ:“GREAT”が出てましたよね!(※注:PERFECT、GREAT、GOODの順で、GOODになってしまうとコンボが途切れる)

sasakure.UK:GREATなのが、またよかった(笑)。

八王子P:そう……もうギリギリだったのよ!(泣) あそこがやっぱり、緊張のピークだったと思います。

--正直……あのときの八王子Pさんを目の当たりにして、見ている人はみんな祈っていましたから。「がんばって!!><」って。

八王子P:そうですよね……。本当は僕なんかのプレイじゃなく、いろいろな超絶プレイがあったので申し訳ないくらいなんですが……。

--いやでも、本当にいい戦いを見せていただきました! 改めて、優勝おめでとうございます!
 そしてこのたび、『プロセカ』が1周年となるわけですが、ぜひ皆さんが思う『プロセカ』の魅力をお聞かせ願いたいのですが。

八王子P:本当にクリエイター目線になってしまうんですけど、まずはなんと言っても、さまざまなボカロPを知ってもらうきっかけになってくれたこと。そういった場を与えてもらえたことに感謝していますし、プレイヤーも聞いたことのない曲とかボカロPに出会う場所になっていると思うので、本当にありがたいです。
 それと、リズムゲーム以外の部分でもストーリーやキャラクターがしっかりしていて、ゲームそのもののクオリティーがすごく高いと思うんです。それと競技性があいまっていろいろな層を取り込めていることがすばらしいなと。

--まさに、その通りですね。

八王子P:キャラクター、音楽、そしてゲーム性。すべてを備えることってそうとう難度が高いと思うんですけど、『プロセカ』はそれを実現していますよね。

sasakure.UK:八王子Pさんの意見に、全面的に同意です。楽曲はもちろんなんですけど、あらゆる部分の作り込みが丁寧で素晴らしいなと思います。バーチャル・シンガーも、各ユニットの子たちも。こういう、丁寧に作られている作品に関われていることって、すごく幸せだなと思います。それと、このゲームってファン層がとても広くって、もともと初音ミクが好きだった人、ユニットで好きになった人、推しのキャラができた人、そして年齢層も……。子どもからお父さん、お母さん世代の人まで集える世界って、たまらなく魅力的なんですよね。

--僕らはコロコロなので、低年齢層の読者は多いですし、そういった子たちも『プロセカ』を遊んでいることを知っています。いまのお話に通じますね。

sasakure.UK:うれしいですね! 聞くところによると、小学校の給食のときに生徒が好きな曲をリクエストできる時間があって、そこで『プロセカ』の楽曲が流れるところもあるらしいんです。それ、すごくうれしいし、うらやましいとも思いません? 僕らの時代ってクラシックやポップスだったと思いますけど、そこでボーカロイドの曲を流していいなんて。そんな小学校の生徒に転生したいですもん(笑)。いやでも、『プロセカ』のおかげで、そこまでボーカロイドの裾野が広がっているってことですよね。

まらしぃ:おふたりに全部言われてしまった……(笑)。でも改めて『プロセカ』って、すごくあったかいゲームですよね。昔からミクさんを応援している方に始まって、ユニットやキャラクターや、みんな『プロセカ』の何らかのコンテンツが好きで集っているわけじゃないですか。そしてもちろん、ゲームを作っている人も我々のような楽曲提供者も、ユーザーと同じような気持ちをもってゲームに参画しているわけです。こんな、あらゆる人たちに愛されるコンテンツって、なかなかないんじゃないですかね。そういう人々が自分の“好き”を持ち寄って、新しい曲やシステム、イベントなどを作ってファンに提供するわけです。こういったステキな循環があることが、僕にはすごく魅力的に映るんです。

--ご自身が作られた楽曲が『プロセカ』に実装されているのを見るのって、どんな気分になるものですか?

まらしぃ:……撫でてあげたくなります(笑)。本当に、愛おしい。さらに、「まらしぃさんの曲、クリアーしました!」とか、「フルコンできました!」なんて報告を聞くと、もうひとりひとりと握手して回りたい気分になりますね。たまに、フリーマッチングとかで遊んでいて、僕が入っていることに気付いてくれる方がいるんです。すると、僕の曲を投げてくれたり(笑)。

八王子P:あーーー!! あるある!!

sasakure.UK:わかるわかる!! それ、めっちゃうれしいんですよね! sasakure.UKが入っているってわかると、僕が作った曲を選曲してくれて。こういう楽しみ方って、クリエイターならではのものだと思いますけど(笑)。

八王子P:違う視点で言いますと、自分の曲はどんな譜面になるんだろう……と考える楽しみがあります。なのでついつい、書き下ろしの曲を作るときなんて、「どういう譜面になるのかな……?」と想像しちゃったりしますし。……あ! それで言うとsasakureさんの『トンデモワンダーズ』なんて、露骨に高難易度曲を狙ってるなっていう要素が詰まりすぎているんですよ!! さすがsasakureさん、音ゲーマーが嫌がることを突っ込んでくるな、って!

sasakure.UK:嫌がらせをしてるわけではありませんから!(笑)

--『トンデモワンダーズ』は、最初から高難易度曲を想定して作ったんですか?

sasakure.UK:楽曲を書き下ろしたユニット“ワンダーランズ×ショウタイム”の紹介文が“はちゃめちゃショーユニット”だったんで、「ハチャメチャにするしかないだろ! このユニットは!」と思いながら作った結果……ホントにハチャメチャな譜面ができてしまいました(笑)。

八王子P:作り手目線で見ても、おもしろかったですよ。「この音を取るんだ!」、「こっちのフレーズを叩かせるんだ!」ってのが見えましたので。

sasakure.UK:譜面制作者さん、スゴいですよね。曲を相当聴き込んで理解していないと、『プロセカ』にあるような譜面って作れないと思いますもん。加えて、文字やイラストを使った、歌詞の意味合いをとらえたギミックもありますしね。そういう部分を見ても、楽曲に対する愛を感じるんです。

まらしぃ:そう、難易度と遊ばせ方のバランスがハンパないんですよね。

八王子P:ぶっちゃけ、譜面制作の方々と対談したいですもん。

まらしぃ:会った瞬間にハグするかもしれない(笑)。

--逆に、ケンカになる可能性もありますかね(笑)。

一堂:(笑)

--さて、今回はせっかくの機会ですので、将来ボカロPになりたいと考えている子どもたちにメッセージをいただきたいのですが!! どうすればボカロPになれますか!?

sasakure.UK:やろうと思えば、お小遣いを溜めてボーカロイドソフトを買うことができれば、すぐにひとりでも楽曲作りがはじめられると思うんです! 最初はわからないことだらけかもしれませんけど、始めてみればなんとかなります! とにかく、自分で1歩踏み出すこと。それに尽きるんじゃないですかね。

--楽器はやっていたほうがいいのですか?

sasakure.UK:じつは僕、楽器は弾けないんです。音楽ゲームがすごく好きで、それの応用みたいな感じで始めたのが作曲だったので。とはいえ、始めるなら早い方がいいなって思います。小学生は感性が豊かなので、いい曲が書けるんじゃないかなと。これを読まれた子どもたちが将来ボカロPになられる日を、楽しみに待っています。

--……僕、先日50歳になったばかりなんですけど、いまからでも間に合いますかね……?

sasakure.UK:大丈夫です大丈夫です!!(笑) それはそれで、すごくおもしろい! 「50歳からボカロP始めました」って、めっちゃキャッチーじゃないですか! 「え? なぜ? 動機は?」って、逆にインタビューしたくなります!

一堂:(爆笑)

--がんばろっかな……。まらしぃさんはいかがですか?

まらしぃ:sasakureさんがおっしゃったことに付け加えるとするなら、いきなり完璧なものを作りたいとか、「こうなりたいんだ!」って夢を持ちすぎるより、最初はまず遊んでみて、「楽しいな」って思えるところからやったほうがいいかもしれません。ピアノもそうなんですけど、叩けば音が出ます。そこで、この音とこの音を何回鳴らすと……例えば、「あの店で流れていた曲のフレーズになるんだよ」とかね。ちゃんとは弾けないかもしれないけど、取っ掛かりになる“気づき”が生まれるじゃないですか。そこから、「じゃあ、もうひとつ音を増やしてみよう」とか、「くり返してみよう」とか、少しずつ発展していく……。最初からいきなり、「YouTubeで最高の楽曲を公開するんだ!」なんて思ってしまうと、かなり苦しいことになるんじゃないかな……。なので、まずは楽しんでみる。これがいちばんいいと思います。 

--八王子Pさん、いかがですか?

八王子P:僕ら全員がそうだと思うんですけど、最初からプロになろうって決めていた人、ひとりもいないと思います。出発点は、純粋に音楽を作るのが好きなこと、ピアノを弾くのが好きなこと……みたいな、本当に“好きだから”という気持ち。皆さんそうだと思いますけど、やっぱり好きなことって没頭できるじゃないですか。sasakureさんが、楽器はいまも弾けない……っておっしゃっていましたけど、僕もそうで。音大に通っていたわけじゃないし、音楽の専門的な教育を受けたわけでもありません。ひたすら独学で活動してきたんですね。それでも、やろうと思えば楽しんで続けられるので、そんなに難しいことは考えず、まずは触れてみてほしいですね。

--子どもたちに勇気を与えていただけるメッセージ、ありがとうございます! では最後に、『プロセカ』1周年へのお祝いコメントをいただきたいのですが……!

八王子P:まずは、1周年おめでとうございます。僕も、いちプレイヤーとして楽しませてもらっているコンテンツですが、それに楽曲提供者として関わることができてめちゃくちゃうれしいですし、今後もなんらかの形でご協力させていただければなと思います。これからもステキな楽曲たくさん届けられるようがんばっていきたいと、改めて思っております!

sasakure.UK:1周年おめでとうございます! ゲームそのものをやり込んでいる身としては、どんどん曲を入れてほしいですし、僕もたくさんいい曲を書くので、ぜひまたお声掛けください!(笑) 『プロセカ』をきっかけにボーカロイドの間口が広がり、いろいろな人のもとに僕らの曲が届けられるとうれしいなと思います。

まらしぃ:まずは1周年、本当におめでとうございます。僕ももともとボーカロイドの文化や初音ミクさんが大好きで、『プロセカ』も1年前から遊び込んでいます。ゲームとして、その世界観やキャラクターを楽しんでいるのはもちろんなんですけど、たとえば新しい曲を知る機会になったり、配信をしたり、このようなイベントで皆さんといっしょに盛り上がったりと、すごく多様性と可能性を秘めたコンテンツだなと思っているんです。そういう意味で、すごく幸せな趣味を届けてもらったな、って感じています。これからさらに盛り上がっていってほしいですし、5年、10年と愛され続ける作品になってほしいと願います。そして……僕もまた、楽曲提供したいなと(笑)。

八王子P、sasakure.UK:それに尽きますね!!

--ありがとうございました! これからもご活躍、期待しております!!

 

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タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

■対応OS:iOS/Android

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■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai