ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.6


By ドブフクロウ
 
みなさんこんにちは、MtGライターのドブフクロウです。
 
先週末にはマジックフェスト・京都2019が開催されました。僕もカバレージスタッフとして参加させていただきましたが、とても熱いトーナメントになりましたね! 名だたる強豪揃いのトップ8で優勝を掴んだのはマジックフェスト初参加という新鋭プレイヤーのベ・デギョン選手。ダークホースと呼んでしまうのもなんですが、決勝ではMPLプレイヤーの1人でもある渡辺 雄也氏を相手に高度なプレイング合戦を演じて見事に勝利を収めました。
 

▲優勝したベ・デギョン氏

今週はいよいよミシックインビテーショナル(※外部サイト)も開催されますし、3週間後にはまたマジックフェスト・横浜2019が行われます。見どころ満点のイベントが目白押しで退屈する暇がありませんね。
 
さて、今回はマジックフェスト・京都2019で活躍していたデッキを見ていきましょう。どうやら今のスタンダードには、まだまだ”解明”されきってはいないようです。
 

マジックフェスト・京都2019

 
『ラヴニカの献身』環境末期のスタンダードで開催されたマジックフェスト・京都2019ですが、2日目のメタゲームブレイクダウン(外部サイト)でも公開されていたとおり、環境末期とは思えないほど様々なデッキが勝利を収めていました。
 
上位入賞を果たしたアーキタイプにも強い偏りは見られず、結果が明らかとなった今でも本大会の勝ち組デッキは判然としていません。仮に来週まったく同じ条件でイベントが開催されたとしても、全然異なるアーキタイプが勝つということもあるでしょう。
 
そんなカオスの様相を呈したマジックフェスト・京都2019で勝利したのは「グルールアグロ」でした。赤緑の強力なクリーチャーで序盤からガンガン攻め立てるという至極真っ当な戦略を武器にするこのデッキは、しかし小技も多く存在し、予想外の角度から盤面を覆すその戦術の数々によって多くのプレイヤーを沈めていきました。
 

グルールアグロ(使用者:ベ・デギョン選手)
枚数 カード名(メインボード)
9 《山》
1 《森》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《根縛りの岩山》
2 《グルールのギルド門》
4 《手付かずの領土》
4 《成長室の守護者》
4 《クロールの銛撃ち》
3 《凶兆艦隊の向こう見ず》
4 《ゴブリンの鎖回し》
4 《グルールの呪文砕き》
4 《再燃するフェニックス》
3 《スカルガンのヘルカイト》
2 《ショック》
4 《稲妻の一撃》
2 《溶岩コイル》
2 《争闘+壮大》
枚数 カード名(サイドボード)
2 《軍勢の戦親分》
2 《シヴの火》
4 《燃えがら蔦》
2 《溶岩コイル》
2 《席次+石像》
1 《混沌をもたらす者、ドムリ》
2 《ビビアン・リード》

 

「アグロデッキ」という言葉はマジック以外のトレーディングカードゲームでもよく使用されるのでご存知の方も多いかも知れませんね。「攻撃的」を意味する「アグレッシブ/Aggressive」から生まれた言葉で、その名の通り2〜4マナ域のクリーチャーを主軸に序盤から相手のライフを削っていき、《稲妻の一撃》に代表される火力呪文でトドメを刺す、といったデッキとなっています。
 
《ゴブリンの鎖回し》はこのデッキでは攻防に渡って非常に有力な1枚です。赤のトリプルシンボルは一見プレイしにくく見えますが、《手付かずの領土》指定「戦士」などで色マナをバックアップすることもでき、サイドボード後には《席次》とのコンボで対戦相手の盤面を一掃することもできます。
 

▲ゴブリンの鎖回し

▲席次//像

▲《席次》で接死をつけて全体に1点ダメージ!=相手は死ぬ
 
このデッキの主力はそれだけではありません。『ラヴニカの献身』で加入した《グルールの呪文砕き》はまさしくグルールアグロのエースと呼んでもいいクリーチャーで、その能力によって安全にコンバットトリックを使用したり、速攻を付与することでスピーディーに相手のライフを削っていくことができるのです。
 
また、『イクサランの相克』リリース以来ずっと赤いデッキの切り札として使われてきた《再燃するフェニックス》も健在です。デッキのクリーチャーはいずれも標準以上のスペックに加えて一癖も二癖もある厄介なものばかりなので、対戦相手からすれば出てくる全てのクリーチャーが凶悪なフィニッシャーとなり、《再燃するフェニックス》もその例に漏れません。
 

▲グルールの呪文砕き

▲再燃するフェニックス

 
▲強いカードしか入ってない=強いデッキ(証明終わり)
 
また、ただ愚直に攻めるだけでなくあえて攻撃せずに機を待ったり、相手の除去を引き出したりとデッキの習熟度が上がっていくにつれてプレイングで細かな小技が光るようになるデッキです。意外な駆け引きも生まれるグルールアグロ、興味のある方はぜひ組んでみてはいかがでしょうか?
 

 

ライター:ドブフクロウ

青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

次回は4/3(水)更新!!

 
※画像はマジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイトより引用しました。引用元URL:https://magic.wizards.com/en/events/coverage/2019MC1