デュエマ妄想構築録 vol.11-2 〜目指せ、40トリガービート!(後編)〜


By まつがん
 
40(フォーティ)トリガー。
 
「もうS・トリガーが埋まっているかどうかを運頼みにしたくない」という思いから、前回はそのデュエマの禁忌の領域へと足を踏み入れてしまった。
 
だが、いくつか作ってみたもののどうにもデッキが締まらない。
 
はたしてその原因はどこにあるのか。今週も40トリガーの可能性を追求していくことにしよう。
 

4. ホーリーをいっぱい入れてみる

40トリガーがうまくいかないのは、コンセプトがはっきりしていないからではないかとまずは考えた。
 
もちろんS・トリガーでカウンター気味に殴り勝つという点でははっきりしている……だが、そこにおいてどのタイミングでどのようなS・トリガーが発動するかは、やはりまだランダムに任されているからだ。
 
そこで、40枚をより近しい効果のS・トリガーで固めることはできないだろうか?
 
「もしデュエマが8枚制限だったなら」では、デュエマが4枚制限ではなく8枚制限だったらと仮定して、理想の40枚を想像する方法を取り上げた。
 
ならば、理想の40トリガーとは何だろうか?
 
既に《閃光の守護者ホーリー》と《♪仰ぎ見よ閃光の奇跡》が合わせて8枚入った40トリガーも作っている。だが、もしその先があるとすれば……?
 
そう、8枚で足りないならば。
 

▲エピソード3「レイジVSゴッド」収録、「旋風のサトリ フリース」

12枚入れればいいのだ。
 
「S・トリガー」とはマーク付きであらかじめ書かれたものだけに限られない。特定の条件を満たせばS・トリガーになるようなカードもまた、デュエマには存在しているのだ。
 
《旋風のサトリ フリース》はバトルゾーンに無色のクリーチャーがいれば《閃光の守護者ホーリー》と同様の効果が使えるカードだ。
 
ということは、無色ジョーカーズの40トリガーと組み合わせれば、12ホーリーの最強デッキが爆誕するに違いない。
 
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ。
 
『40トリガー12ホーリー』

枚数
カード名
4
《The 塩ラー漢》
4
《ゲラッチョ男爵》
4
《ハクション・マスク》
4
《ジョバート・デ・ルーノ》
4
《激怒! 富士山ン》
4 《ラジコンBOY》
4 《バイナラドア》
4 《旋風のサトリ フリース》
4 《♪仰ぎ見よ閃光の奇跡》
4 《閃光の守護者ホーリー》
超GRゾーン
2 《マシンガン・トーク》
2 《ヤッタレロボ》
2 《バツトラの父》
2 《ポクタマたま》
2 《鋼特Q ダンガスティックB》
2 《鋼ド級 ダテンクウェールB》

 

 

▲双極篇 第1弾
「轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」
収録、「The 塩ラー漢」
▲新4弾
「誕ジョー!マスタードラゴン!!~正義ノ裁キ~」収録、「ラジコンBOY」

無色ジョーカーズでS・トリガー持ちのクリーチャーがそんなにいねーじゃねーか!!
 
一応最低限の枚数は揃えられたものの、初動が《The 塩ラー漢》というのはさすがにデュエル・マスターズではなくラーメン発見伝になってしまっているので、いくらホーリーが12枚あるとはいっても残念ながら実用的なデッキにはなっていなさそうではある。
 
かくして40トリガーは、再び暗礁に乗り上げてしまったのだった。
 

5. S・トリガーでマナカーブを作る

なぜ40トリガーがうまくいかないのか……どうしてデュエマがラーメン発見伝になってしまうのか……答えの出ない悩みに私は苦悩した。
 
だが、そのとき天啓が訪れたのである。
 
その天啓は、ヨシキのママの声をして言った。
 
ママ「デュエマで勝つには、相手の動きに依存しすぎてはダメなのよ」
 
そういえばそうだった。
 
だが、S・トリガーはそもそもその定義上相手の動きに依存してしまう。《音感の精霊龍 エメラルーダ》や《黒神龍ブライゼナーガ》のように自ら発動できればいいが、さすがにそれ自体はS・トリガーを持っていない。
 
ならばどうするか。
 

▲「100%新世界!超GRパック100」
収録、「*/零幻トリムナー/*」

▲「デッキビルダーDX
ハンター・エディション」収録、
「超次元サプライズ・ホール」

S・トリガーでマナカーブを作ればいいのだ。
 
というか、むしろ当たり前の話だった。どんなデッキだってマナカーブは意識している。
 
ならばどうして40トリガーのデッキだけ、マナカーブを無視していいなんて結論になりえるだろうか?いや、ない (反語)。
 
早速S・トリガーのカードだけでマナカーブを作るべく、2〜3マナ域で継続的に攻撃できる (実質) クリーチャートリガーが、各色にどれだけあるのかを調べてみた (漏れがあったら申し訳ない)。
 
その結果……。
 

マナ域 自然
2マナ なし 《*/零幻トリムナー/*》 なし 《ガツン戦輪 ゲドライド》 《モリノオウジャダケα》
3マナ 《♪正義の意志にひれ伏せ》《超次元サプライズ・ホール》など 《終末の時計 ザ・クロック》《ガチャンコ ミニロボ2号》 《ドクロ・ベーヤン》 たくさん たくさん

 

 

▲新4弾「誕ジョー!
マスタードラゴン!!~正義ノ裁キ~」収録、
「ガツン戦輪 ゲドライド」
▲「マスターズ・クロニクル・デッキ
サイバー進化論 α to Ω」
収録、「モリノオウジャダケ α」

2マナ域のS・トリガー少なすぎじゃねーか!
 
だが、それも当たり前の話ではある。ウィザーズとしてはS・トリガーを持たせられないような高レアリティの切り札、《龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四 〜土を割る逆瀧〜》や《ドンジャングルS7》を使って欲しい (想像) のであって、《ガツン戦輪 ゲドライド》と《モリノオウジャダケα》が殴りあうデュエル・マスターズにしたいわけでは決してないだろうからだ。
 
しかしこうなると40トリガーでマナカーブを作るのは物理的に無理という結論になってしまう。
 
仕方ないのでここでは将来2マナ域のS・トリガーが充実することを願い、ひとまず現時点でマナカーブらしきものを作れる40トリガーの一つの到達点を示すにとどめておくとしよう。
 
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ。
 
『40トリガー光水』

枚数
カード名
4
《*/零幻トリムナー/*》
4
《♪正義の意志にひれ伏せ》
4
《超次元サプライズ・ホール》
4
《青守銀 シャイン》
4
《終末の時計 ザ・クロック》
4 《奇跡の旋風 トゲガニル》
4 《龍装者 タルスーパ》
4 《*/弐幻ニャミバウン/*》
4 《♪仰ぎ見よ閃光の奇跡》
4 《閃光の守護者ホーリー》
超GRゾーン
2 《マシンガン・トーク》
2 《パス・オクタン》
2 《バツトラの父》
2 《ポクタマたま》
2 《鋼ド級 ダテンクウェールB》
2 《C.A.P.カイト》
超次元ゾーン
1 《時空の喧嘩屋キル》
1 《時空の英雄アンタッチャブル》
1 《時空の踊り子マティーニ》
1 《アルプスの使徒メリーアン》
1 《光器シャンデリア》
2 《イオの伝道師ガガ・パックン》
1 《小結 座美の花》

 

 

今はまだ3マナ域がぶくぶくだが、もし将来的に水・火・自然で2種類目の2マナクリーチャートリガーが出たなら、あるいは40トリガーも実用的なデッキとなるかもしれない。
 

6. W・ブレイカーのS・トリガーを活用する

ところで、40トリガーの弱点はマナカーブを形成できないという以外にも存在していた。
 
それは、相手から見て打点が計算できてしまうことだ。
 
相手からすれば自分がカウンターで負けない範囲で過剰打点を組んで攻撃すれば、《閃光の守護者ホーリー》や《終末の時計 ザ・クロック》で攻撃が止まることは別論、攻撃回数自体は必ず相手の方が多いため、高い確率で先に殴りきることが可能となってしまうのである。
 
これを40トリガーで乗り越えるにはどうすればいいか。簡単だ。打点が計算できなくなればいい。
 
……そう。
 

▲覚醒編第4弾(サイキック・スプラッシュ)収録、「獣王の手甲」

W・ブレイカーのS・トリガーを使えばいいのだ。
 
だが《獣王の手甲》は出したら自分のマナが2個なくなるという《終端の闇 ウゴカ・ザルコ/再誕の輝き》もびっくりのデュエル・マゾスターズ略してデュエマゾぶりである。
 
こんなのを出したらその瞬間に即行動不能となるため、いくらW・ブレイカーとはいえリスクが高すぎる。何か、他にないのか。W・ブレイカーのS・トリガーが……。
 
……と、ここまで考えたところで、私は40トリガー界の救世主の存在に思い至ったのであった。
 

▲「ペリッ!! スペシャルだらけのミステリーパック」収録、「エイエイオー」

《エイエイオー》だ。
 
《エイエイオー》は「連鎖」という、山札の一番上が自分よりコストが低いクリーチャーならそのままバトルゾーンに出せる能力を持っているので、デッキの中をすべて8マナ以下のクリーチャーにしておけば、約90%の確率でもう一体おまけにクリーチャーが出るのである。
 
そしてクリーチャーが2体出るならW・ブレイカーが出たのと同様で、相手の打点計算を狂わせることが可能だろう。
 
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ。
 
『40トリガー水火』

枚数
カード名
4
《ガツン戦輪 ゲドライド》
4
《終末の時計 ザ・クロック》
4
《ガチャンコ ミニロボ2号》
4
《ウラニック・ギガント》
4
《奇跡の旋風 トゲガニル》
4 《フンバルさん/フンバ・フライ・ダイ》
4 《封魔ベルアリタ》
4 《唸る鉄腕 ギリガザミ》
4 《メガ・ブレード・ドラゴン》
4 《エイエイオー》

 

▲覚醒編(サイキック・ショック)第1弾
収録、「封魔ベルアリタ」
▲双極篇 第4弾
「超決戦!バラギアラ!!無敵オラオラ輪廻∞」
収録、「フンバルさん/フンバ・フライ・ダイ」

「連鎖」の良いところは、シールドに《終末の時計 ザ・クロック》が埋まっていなくても出せる可能性ができるという部分にある。デッキを軽めに寄せれば《封魔ベルアリタ》も《エイエイオー》に近い能力を発揮するはずだ。
 
また《フンバルさん/フンバ・フライ・ダイ》は2マナ域が少ない40トリガー界においては貴重な軽いアクションとなる。相手の《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》で一撃で詰まないためにも、こうした除去は嗜みとして入れておいた方がいいだろう (ただし《単騎連射 マグナム》はどうやっても詰む)。
 
???「ちょっと!40枚トリガーとかいう”陰”なデッキで2週も持たせないでくださいよ!」
 
そ、その声は!?
 

“陽”な男、デッドマン!!!(“陽”=Tiktokのダンスを拾ってくるのが趣味の意)
 
デッドマン「そんなにS・トリガーが好きなら、僕が持ってきたカードも使ってデッキにしてくださいよ!」
 
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
 
次回に続く!
 

ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。

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次回は6/7(金)更新!!