By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。みなさん、捧げていますか?
さて。最新セット『モダンホライゾン』の情報が続々と公開され、その全容が明らかとなるまであと数日を残すのみとなりました!
収録カードはいずれも心躍るものばかり。特にコロコロコミック史上で切札勝舞くんたちがマジックをしていた頃を知っているようなアラサー世代古豪であれば思わず郷愁に浸ってしまうような再録カードもあったりなんかして、いやはやこれはもう興奮が抑えられませんね。
それに往年のカードのリメイクやセルフパロディなんかもエモくて、思わずニヤリとしてしまいますね。僕が個人的に一番気に入っているのは《歴戦の紅蓮術士》でしょうか。
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これはモダンでもお馴染みの《若き紅蓮術士》が成長した姿でしょうかね? 公式に明示されているわけではありませんが、アーティストも同じですし。すっかりマット・デイモン似のマッチョなイケメンに成長しちゃってまぁ……。
『基本セット2014』で初登場したときからおよそ6年近くの歳月が流れていますが、その間にも彼は名前通りに歴戦を潜り抜けてきたのでしょう。露出度はあまり変わっていないようですが。まぁ日頃から火を扱っているようですから、よほど暑いのかもしれません。暑がりが紅蓮術士なんて仕事(?)やってられるのかは分かりませんが。
ともかく、僕はこういうセルフパロディという文化がとても好きです。そうしたパロディを自炊できるということは、それだけマジックというコンテンツに文化的資産があるということに他なりませんしね。
そんなわけで、今回ご紹介するカードはそんなさりげないセルフパロディ(?)が盛り込まれたカードです。さあ、《捧げ物の魔道士》の姿をご覧ください!
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《粗石の魔道士》の系譜を継ぐ、「ライブラリーからマナ・コストがnのカードを1枚探し、手札に加える」系クリーチャーの第4弾です。これらのクリーチャーは他に《宝物の魔道士》と《戦利品の魔道士》がいますが、我々はついに2マナのアーティファクトを探せるようになったわけですね。
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この時点ですでにエモ要素がありますが、しかしみなさんモダンで2マナのアーティファクトをサーチできると言われてどんなカードを思い浮かべますか? 《減衰球》や《呪文滑り》や《魔術遠眼鏡》のようなサイドボードの定番カードが真っ先に思い浮かぶかも知れませんが、ここでもう一度《捧げ物の魔道士》のイラストをよく見てみましょう。
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あれ? このカードのイラストに描かれた人物が持っている剣って……
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じゃ、《弱者の剣》〜〜〜〜!!!??!?
そう、この《捧げ物の魔道士》に描かれた剣は、今から12年前のセット『未来予知』にてカード化された《弱者の剣》の意匠に酷似しています。しかも《弱者の剣》は点数で見たマナ・コストが2のアーティファクトなので《捧げ物の魔道士》で探すことができるのです。
イラストの背景や服装を見るに、《捧げ物の魔道士》はどうやらトレイリア西部のアカデミーの人物みたいですしね(《弱者の剣》はドミナリア産のアーティファクト)。きっとこの《弱者の剣》も『未来予知』の時代から《クローサの掌握》や《塵への帰結》で何度も破壊され、そして復活して、長い時間をかけて流れに流れてアカデミーで研究されることになったのでしょう。
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そして《弱者の剣》の相棒といえば《飛行機械の鋳造所》です。この2枚が揃うと、マナ1点につきライフ1点と飛行機械トークンを量産できる、いわゆる「ソプターコンボ」が成立します。
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そしてそんな《飛行機械の鋳造所》も2マナのアーティファクトであるというこの符号……! これは開発部から我々に対する「これでコンボしてね」というメッセージなのかもしれません。となれば《捧げ物の魔道士》と《弱者の剣》の組み合わせは、いわゆるデザイナーズコンボ(※開発部が意図して作り上げたコンボ)なのでしょう。
しかし明示されているわけではないまでも、ソプターコンボの挙動について理解しているプレイヤーならこの後《弱者の剣》がどんな目に合うかは想像がつきますよね。そりゃ何度でも再生できるとはいえ、カードイラストの中で何度も粉々に破壊され、復活したと思えば今度はトレイリア西部のアカデミーの研究者の手に渡り、研究者から《弱者の剣》を受け取ったプレイヤーには飛行機械の原料にされる……なんかかわいそう。それでも健気に戦場と墓地を行ったり来たりする姿には涙を禁じえません。
もちろん《捧げ物の魔道士》の使い道はソプターコンボのみにあらず。途中で少しお話したように《減衰球》や《呪文滑り》や《魔術遠眼鏡》のようなアーティファクトを探してもいいですし、見た目以上に汎用性が高い1枚です。
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『モダンホライゾン』では《最高工匠卿、ウルザ》というアーティファクトデッキで悪さをしそうなカードも収録されています。というかソプターコンボと一緒に並べるとだいたい即勝利できます。もうこれ完全に「やれ」って言われてるよね。よっしゃ、ホライゾンすっぞ〜〜モダンを。
そんなわけで、《捧げ物の魔道士》でした。みんなでどんどん《弱者の剣》をぶっ壊して行きましょう! それでは!
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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